「一体どうしたんだ、セブンイレブン……。急に"祭り"をおっ始めやがって。しかもガチだ。ガチな勝負に出てきやがった……」

そう感じて店内に立ち尽くしたのは、つい2~3日前のことだ。セブンイレブンのグルメは、数あるコンビニの中でも特に美味しく、新商品が出るたびに大きな話題にもなる。

最近は「バターチキンカレー」と「ミニナン」が本格的であると評判で、ネットニュースにもなりまくったばかりだが……なんと、またここにきて新たなバターチキンカレーとナンをリリースしたようなのだ。

「何言ってんだ?」と思われそうだが、大マジである。というわけで、とりあえず両方購入して食べ比べてみることに。バターチキン祭りのはじまりはじまり~。

冷蔵と冷凍の「バターチキンカレー」、値段の差は……

まず種明かしをすると、ここ1~2ヶ月で大きな話題になっていた「バターチキンカレー」と「ミニナン」は、今年7月に発売された商品で、いずれも冷蔵の食品となっている。

だが、今月14日に発売されたばかりの「バターチキンカレー」と「チーズナン」はともに冷凍の食品。

価格については、冷蔵のバターチキンカレーが税込321円、冷凍のバターチキンカレーが税込375円と、約50円差。ナンのほうは、冷蔵の「ミニナン」が2枚入りで税込159円、冷凍の「チーズナン」が税込267円と、100円以上の差がついた。

しかし、この短いスパンで完全にキャラ被りした商品を出すとは一体どういうことなのだろう? 謎は深まるばかりだが、こんな攻め方をされたら、むしろ好奇心が爆発しそうである。さっそく食べてみよう。

冷蔵の「バターチキンカレー」と「ミニナン(2枚)」

まずは冷蔵のバターチキンカレー。「スパイス香る」というサブタイトル的なものが付けられているが、冷凍のほうにも「スパイスを効かせた」というサブタイトル的なものが付けられている。

ここのわずかな違いに大きな差があるのだろうか。

パッケージの指示に従い、冷蔵のバターチキンカレーは600Wの電子レンジで2分30秒加熱し、ミニナンは1000Wのオーブントースターで1分温めた。よし、これで完成。では、いただきます。

ほほ~、これは美味しい!

まずバターチキンカレーについてだが、ココナッツミルクのまろやかな甘みとコク、そしてバターの風味が全体のベースになっていて、そこにチキンの旨みとコリアンダーなどのスパイス、そしてトマトの酸味や甘みが加わり、とても本格的な味だ。辛みもほどよい塩梅である。

ヨーグルトに漬け込んだというチキンはとても柔らかく、スプーンでも簡単に切れる。しかもゴロゴロと入っているので、満足度とお得感が高い。

ナンのクオリティも高い。生地はふわふわと柔らかく、食感はもちもち。香ばしさもあって、とてもコンビニのものとは思えないほどだ。計500円弱でこんなに美味しいバターチキンカレーが味わえるとは、恐れ入ります。そりゃあニュースにもなるわ。

冷凍の「バターチキンカレー」と「チーズナン」

続いては、冷凍のバターチキンカレーとチーズナンを実食。冷蔵のバターチキンカレーが美味しかったのでかなり期待値も上がっているが、本当に大丈夫なのか? どう差別化を図っているんだ?

こちらは600Wの電子レンジで3分30秒加熱し、チーズナンは600Wの電子レンジで1分20秒温めて解凍し、さらに1000Wのオーブントースターで3分加熱すれば完成だ。

おおっ、見た目は全然違う! 冷蔵のほうのカレーはオレンジがかった見た目だったのに対し、こちらはどちらかというと黄色っぽい。ドロドロ具合も違って、こちらのほうがややサラサラだ。ナンもこんがりと焼き目がついているし、何より形も全然違う。これは楽しみになってきた。

おお~っ、チーズたっぷり!! これはテンションも跳ね上がる。トロットロである。では、これをカレーにつけてみて、っと……パクッ。

うんっっっま!!

カレーはこちらのほうがスパイス感が強い。十数種類のスパイスが使用されているということなので、ここに大きなこだわりがあるのだろう。ややトマトなどの酸味も感じるようだ。バターのコクもしっかりと深いのだが、冷蔵のものと比べて甘みはやや控えめに感じる。成分を見ると、こちらにはココナッツミルクが入っていないようなので、その差が大きいのかもしれない。それでも深みはあるし、コクも濃厚だ。どうやって作ったらこんなにも複雑な味わいが生まれるのだろう。

どちらかというと、冷蔵のほうが日本向けのバターチキンカレーで、こちらの冷凍のほうが本場の味っぽいイメージである(インドには行ったことがないので、あくまでインド料理屋の基準になるが)。

チーズナンも美味しすぎて言葉に詰まるほどだ。外はサクッと香ばしく、中はもっちもち。中にはチーズが惜しみなく入っている。伸びのいいステッペンチーズと、マイルドな旨みがウリのゴーダチーズが使われているらしい。

チキンにも違いが感じ取れる。柔らかいのだが、こちらのほうが弾力があり、繊維の感じも残っている印象だ。こちらもスパイスヨーグルトに漬け込んだことで柔らかさを追求したそうだ。チキンはタンドリー仕立てになっているようで、味付けもバッチリである。

というわけで、この夏に登場したふたつのバターチキンカレーは別物であることがわかった。どちらが美味しいとは決められないし、完全に好みの問題ではあるが、ナンについては、冷蔵の「ミニナン」と冷凍の「チーズナン」の間には100円以上の差が垣間見えたように思う。一度味わってみて損はないはずだ。