アイデアに詰まってしまったときや、頭の中のアイデアや情報を整理したいときにとても便利なマインドマップは、近年ビジネスシーンや、就職活動など、さまざまなシチュエーションで使用されています。まだマインドマップを使用したことがないという方に向けて、本記事ではマインドマップの目的やメリット、マップを書く上で重要なポイントやおすすめのツールなど、まとめてご紹介します。
マインドマップとは?
マインドマップとは、頭で思い描いたアイデアや情報などをそのままノートに書き出した「思考を可視化する発想方法・表現方法」です。1970年代に名を馳せたイギリス人作家のトニー・ブザン氏が提唱し、世界に広まりました。脳内で考えた物事をそのまま可視化することで、考えや記憶、アイデアなどがわかりやすく整理されていきます。
マインドマップは他にも、「メモリーツリー」や「アイデアマップ」などと呼ばれています。
■マインドマップの目的
マインドマップの目的は、大きくわけて「発想力」「記憶力」「理解力」の3つの力を高めることです。ビジネスシーンでは、会議や研修でアイデアや考えをまとめるために、マインドマップが使われたり、就職活動の場面では、自己分析をする際のツールとして使われたりしています。
■マインドマップのメリット
マインドマップのメリットとして、まず1つ目に「アイデアの整理が可能なこと」が挙げられます。マインドマップを書くことで、アイデアを整理して可視化できるため、混乱することなくアイデアを磨いたり、取捨選択したりしていくことができます。
2つ目に、「チームで簡単に情報共有ができ、業務を効率化できる」ことが挙げられます。チームでプロジェクトを行う際には、それぞれの考えやアイデアは頭の中から言葉にしなければ相手に伝わりません。また言葉ですべてを伝えようとすると時間がかかり、漏れる場合もあります。しかし、このマインドマップを用いて見える化することで、誰がどのような考えやアイデアを持っているのか、一目瞭然となります。情報共有が簡単にできるようになり、業務のしやすさにつながります。
マインドマップの書き方
上記では、マインドマップの目的やメリットについてご紹介してきましたが、ここではマインドマップの書き方のポイントをご紹介します。
■大きな白紙の中心から書いていく
1つ目は、大きな白紙を用意し、中心部分から外側に向けて書いていくということです。用紙は横向きに置き、中心にメインとなるキーワードを書きます。じっくりと考えたいときには、なるべく大きな用紙を使い、思い浮かぶがままにさまざまな言葉を書き込んでいきましょう。
■外に行くほど具体的に掘り下げる
2つ目は、外にいくほどより具体的に掘り下げていくようなイメージで書き込んでいくことです。抽象的なキーワードでも、外側に行くたびに「なぜ?」と問いかけて掘っていくと、画用紙の隅にたどり着く頃には本質の部分が見えてきます。
■カラーを変えて、わかりやすく
3つ目は、色を使いわけてひと目で見てわかるように工夫することです。色は脳に刺激を与えるため、色を使ったときと使わないときでは発想に違いが生まれるといわれています。
また、脳への刺激だけでなく視覚的にも白い画用紙に黒いペンだけを使って書いた白黒のマインドマップと、カテゴリーや要素ごとに色わけして書いたカラフルなマインドマップとでは、見やすさやわかりやすさがまったく違います。マインドマップは頭の中の情報を整理してわかりやすくするためのものなので、色わけをして見やすければ見やすいほど効果的です。
■キーワードは単語で書いていく
4つ目は、キーワードを単語で書いていくことです。要点のみを単語で簡単に書いていくことで、マインドマップを見てどのようなアイデアが浮かんでいたのかなどが思い出しやすくなり、さらに連想も広がっていきます。
スピーディーに書くことができる点や、後から付け足しがしやすい点もメリットとして挙げられます。
■目的を意識する
5つ目は、常に目的を意識することです。「何のために書き出しているのか」や「最終ゴールはどこなのか」などといった目的を見失ってしまうと、どんどん脇道へそれていってしまいます。そうならないためにも、目的を常に頭に入れながら書いていくことが大切です。
マインドマップで自己分析を行うポイント
マインドマップは、ビジネスシーンにおける研修やミーティングの際だけでなく、就職活動の中でも自己分析を行うツールとして使用されるものであると先ほどご紹介しました。ここでは自己分析を行う際にマインドマップをどのように使えばいいか、注目すべきポイントを3つご紹介します。
■4つのキーワード
マインドマップで自己分析を行う際のポイントの1つ目は、「趣味」「頑張ったこと」「苦手なこと」「やりたいこと」という4つのキーワードを用い、それぞれを深掘りしていくことです。中心に「自分」というキーワードを置き、これら4つのキーワードに対して「なぜそう考えたか?」「なぜそのような行動を取ったのか?」など「なぜ」という問いかけを繰り返しています。そうすることで、あなた自身の中で軸となるもの、普遍的な考え方が見えてきます。
■限界まで「なぜ? 」と深掘り
マインドマップで自己分析を行う際のポイントの2つ目は、限界まで「なぜ? 」と深掘りしていくことです。上記でもご紹介しましたが、キーワードに対して「なぜ? 」と自問自答し続けると、より詳細に自己分析ができ、自分自身でも気付かなかったことが見えてくる可能性が高まります。
■マインドマップから「長所」と「短所」を見つける
マインドマップで自己分析を行う際のポイントの3つ目は、出来上がったマインドマップから「長所」と「短所」、そして「軸」を見つけることです。「軸」の見つけ方はそれぞれ4つのキーワードを限界まで掘っていき、最後に出てきたキーワードにおいて共通するものです。自己分析を初めて行う場合は、特に「頑張ったこと」と「苦手なこと」を深掘りしていくと「長所」と「短所」が見つけやすいです。
マインドマップを無料でつくれるアプリ・ツール
いざマインドマップを書こうとして、まず気になるのが、どのようなツールを選べばいいのかということでしょう。白紙とペンさえあれば、誰でもどこでも簡単に書けるマインドマップですが、「パソコン上で書きたい」、「データとして残したい」、「いつでも編集できるようにしたい」「共有機能などが欲しい」という方のために、おすすめのマインドマップツールを3つご紹介します。
マインドマップをつくれるアプリ
【XMind】
「XMind」はテンプレートが豊富で、組織図やロジック図、ツリー図など、さまざまな図を選択できます。目的にあったテンプレートを使うことで、見やすいマインドマップを作成できます。
また、作成したマインドマップに優先順位をつけたり、進捗をアイコンで示したりすることができるので、楽に管理できます。
マルチデバイス対応で、スマホアプリも提供されており、Windows、macOS、Android、iOSなどで対応可能です。
マインドマップをつくれるツール
【MindMup】
「MindMup」は、Googleドライブにインストールして使用します。作ったマインドマップはGoogleドライブに保存され、生成されたURLを送ることで、他の人にも簡単に共有することができます。また、無料版にも関わらず、作成可能数が無制限となっているのも嬉しいポイントです。
【Coggle】
「Coggle」は、モダンでフラットなデザインと使いやすさがウリで、ブラウザ上で操作できるので、複数人での編集やリアルタイムでの共有が可能です。豊富な図やアイコンを使用することで、視覚的によりわかりやすいマインドマップを作成することができます。
エクセルでマインドマップを作るには
マインドマップを作ってみたいけれど、ツールのインストールなどはしたくない、まず試しに簡単に作ってみたいという人もいるでしょう。そんな方のために、エクセルでマインドマップを作成する方法をお伝えします。
SmartArt
エクセル、パワーポイントなどのOfficeソフトには、共通で「SmartArt」という機能があり、フローチャートや階層図などの図表が用意されています。 この「SmartArt」内の「階層構造」という図表を利用すれば、簡易的にエクセルでマインドマップを作ることができます。
エクセルでマインドマップを作るには、手間がかかったりデザインの制約があったりなど、専用ツールで作るのと比べてデメリットもあります。しかし、ワードやパワーポイントとの連携が簡単だったり、操作性がOfficeソフトと共通だったりと、Officeに慣れている人には使いやすいといったメリットもあります。
会社のパソコンではツールのインストールなどに制限があるといった方は、エクセルでマインドマップを作ってみてもいいかもしれません。
アイデアを広げたり、整理したりするにはマインドマップ
脳内のアイデアや考えを整理することができるマインドマップ。書くポイントを意識したり、目的に合ったツールを使用したりすることで、業務が効率化するだけでなく、発想力や理解力を鍛えることもできます。何度も掘り下げることで本質が見つけられため、会議や研修などのビジネスシーンだけでなく、就職活動の際の自己分析にも役立てることができるでしょう。