寒中見舞いは送る時期が決められており、それ以外の時期に出してしまうとマナー知らずになってしまいます。 本記事では、寒中見舞いを送る具体的な時期や、注意点、文例などをご紹介していきます。

  • 寒中見舞いを送る時期

    寒中見舞いを送る時期やマナー、書き方の注意点などをご紹介します

寒中見舞いの時期はいつからいつまで?

寒中見舞いを送る具体的な期間や、地域による違いなどについてご紹介します。

松の内が明けてから立春の前までに送る

寒中見舞いを送ることができる時期は、「松の内が明けてから、二十四節気の立春の前まで」で、具体的には、1月8日~2月3日、4日ごろ(年によって変わる)です。

松の内とは、1月1日から1月7日までを指します。12月に郵便に出すと、松の内が明ける前に到着してしまうかもしれないので注意しましょう。

なお「寒中」とは、二十四節気における「小寒」のはじめから「大寒」の終わりまでの間のことを指していて、暦の中で最も厳しい寒さになる時期という意味の言葉です。

2023年の寒中見舞いは1月8日~2月3日の間に

立春の日は年によって前後しますが、2023年の立春は2月4日です。よって、2023年の寒中見舞いは、1月8日~2月3日の間に到着するようにしましょう。

関西と関東で時期は違う?

上記で、寒中見舞いを出せるのは「松の内が明けてから立春の前までの間で、1月8日~2月3日、4日ごろ」とご紹介しましたが、これは関東の場合です。関西と関東では、松の内と呼ばれる時期が異なるので、寒中見舞いを送るタイミングも多少異なります。

関西などにおいて「松の内」と呼ばれる時期は、1月1日から1月15日となっており、関東に比べて長めに設定されています。そのため、寒中見舞いを送る時期も関東よりも遅くなり、1月16日から2月頭の立春の前までとされています。

関東から関西の親戚や友人に寒中見舞いを送る際や、関西から関東の親戚や友人に送る際は、特に時期に注意する必要があります。

北海道など寒い地方に送る場合は?

基本的には、「松の内が明けてから立春の前までの間」に送るものなので、それを過ぎると下記でご紹介する「余寒見舞い」を送るのが一般的です。しかし、北海道など寒い時期が長い地域に送る場合は、3月末頃までは寒中見舞いとして挨拶状を送るケースもよくあります。

時期が過ぎたら余寒見舞い

寒中見舞いを出そうと思っていたけれど出し忘れて、既に立春も過ぎてしまったような場合は、寒中見舞いとしてではなく余寒見舞いとして挨拶状を送ることになります。

余寒見舞いとは、暦の上で春になったにも関わらず、引き続き厳しい寒さが残っている時期に送る挨拶状のことをいいます。一般的には立春を過ぎてから2月末頃までとされていますが、寒い地方では3月に入ってから送ることも可能です。

前述のように、北海道などでは3月末頃まで寒中見舞いとして挨拶状を送るケースもあるので、この期間には寒中見舞いを出しても余寒見舞いを出しても問題ありません。

  • 寒中見舞いはいつ出す?

    寒中見舞いを違う地域に送る際は、時期に注意する必要があります

寒中見舞いとは?

そもそも寒中見舞いとは、日本の慣習の一つとして古くから伝わるもので、年賀状や暑中見舞い、残暑見舞いなどと同じ、挨拶状の一種です。寒くなる冬場に、相手の体調や健康を気遣う便りとして、家族や親戚、日頃からお世話になっている人などに出します。

寒中見舞いはどういうときに送るの?

寒中見舞いは、季節の挨拶という役割を持ちますが、下記の場合にも送ることができます。

・出しそびれた年賀状の代わりとしてのご挨拶

・自分が喪中にもらった年賀状への返事

・喪中の相手からもらった喪中はがきへの返事

・相手が喪中と知らずに年賀状を出してしまったときのお詫び

それぞれ詳しく見ていきましょう。

出しそびれた年賀状の代わりとしてのご挨拶

年賀状は、松の内の間に送るのがマナーとされています。自分が年賀状を出していない人から年賀状が届き、確認が遅れて、返事が松の内を過ぎてしまう場合などは、年賀状の代わりに寒中見舞いを送ります。年賀状へのお礼と、挨拶が遅れたお詫びを入れるといいでしょう。

自分が喪中にもらった年賀状への返事

自分が喪中と伝えていなかった相手から思いがけず年賀状をもらった場合、年賀状を返さずにそのままの状態にしていては、失礼にあたります。

そのような場合に送るとよいのが、寒中見舞いです。年頭の挨拶とともに、喪中だということを伝え漏れていたお詫びをしましょう。そのときに「お喜び」「おめでとう」などのおめでたい文言は使わないように注意することが必要です。

喪中の相手からもらった喪中はがきへの返事

相手から喪中はがきを受け取った場合は、返事をしなくても問題はありませんが、寒中見舞いを送ることでその人のことを気にかけていることが伝わるため、とても丁寧な返しだと言えます。

内容に関しては、おめでたい事柄を避け、大切な人を亡くした相手の心に寄り添うような言葉を使いましょう。

相手が喪中と知らずに年賀状を出してしまったときのお詫び

相手が喪中だと知らずに年賀状を出してしまい、後から気が付いた場合は、相手の心に寄り添う言葉とお詫びの文章を入れて、改めて寒中見舞いを送るといいでしょう。こちらも、おめでたい事柄は避けます。

  • 寒中見舞いを送るのはどんなとき?

    寒中見舞いは季節の挨拶状であり、年賀状の代わりに用いることもできます

マナー・注意点

寒中見舞いは日本の慣習の一つなので、寒中見舞いを送る上で、注意するべきマナーやポイントが多数あります。上記では時期について詳しくご紹介しましたが、ここでは、その他の事項についてご紹介します。

寒中見舞いに年賀はがきは使わない

寒中見舞いに、年賀はがきは使えません。年賀はがきの「年賀」には、「年始を喜ぶ、祝う」という意味が含まれているからです。寒中見舞いには、普通の郵便はがきを用いましょう。

干支や正月の縁起物のイラストは使わない

上記と同様の理由から、寒中見舞いに干支(えと)や正月の縁起物のイラストを使用するのはふさわしくないとされています。年賀状とは違い、年始を祝う目的ではなく、あくまで季節の挨拶状であることを頭に入れておきましょう。

贈り物はどのようなものがよい?

寒中見舞いとして送ることができるのは、はがきだけではありません。はがきとともに相手にギフトを贈ることも可能です。ギフトを贈る場合であっても、手紙やはがきで、こちらの近況や相手を気遣う言葉を添えるようにしましょう。

ギフトは、タオルや食材、フルーツの盛り合わせなど、相手の好みにあわせて選ぶといいですよ。

  • 寒中見舞いのマナー・注意点

    寒中見舞いには、注意するべきマナーやポイントがあります

寒中見舞いを書こう! はがきの選び方や文例

マナーや注意点を守って、早速寒中見舞いを書いてみましょう。

はがきのデザイン

まずはがきのデザインですが、季節外れのものはNGです。もうすぐ春がやってきて厳しい寒さが和らいでいく印象を与えるような色使い、イラストのものを選びましょう。イラストの例としては、雪の結晶や雪うさぎ、梅の花などです。

書き方の注意点

具体的な書き方の注意点は主に3点あります。まず文中に「句読点」を加えないこと、「拝啓」・「敬具」などの頭語や結語を省略すること、そして文頭(文章の始まり)を一段下げないことです。これらが、基本的な注意点です。

寒中見舞いの文例

ここでは、実際に寒中見舞いの主文や挨拶としてどのようなことを言えばよいのか、その文例をご紹介します。主文とは、はがきの中でメインとなる文章のことで、主文に続いて近況報告やお世話になったことがあれば具体的にその内容を書き、感謝やお礼の言葉を添えます。

【主文の例】

・寒中お見舞い申し上げます

・寒中謹んでお見舞い申し上げます

・寒中お伺い申し上げます

このように、主文の言い回しは多数ありますが、一番上のものを使用する場合が多いです。

【主文に続く文例】

・寒さ厳しき折 いかがお過ごしでしょうか

・春の訪れが待ち遠しい今日この頃 いかがお過ごしでしょうか

・寒さ厳しき折 くれぐれもお体を大切にお過ごしください

  • 寒中見舞いの書き方・文例

    マナーや注意点を守って、寒中見舞いを書いてみましょう

寒中見舞いを出す際は時期に注意しましょう

寒中見舞いには、年賀状や他の挨拶状と同様に、送る時期や書き方に関するマナー、注意点が多数あります。特に出す時期には注意が必要です。地域による慣習の差や、郵送にどのくらいの日数がかかるのかも念頭に、寒中見舞いを送りましょう。