戦型は相掛かり。永瀬王座が積極的な角打ちで盤上に緊張走る

将棋のタイトル戦、第69期王座戦(主催:日本経済新聞社)第3局、▲永瀬拓矢王座-△木村一基九段戦が9月22日に神奈川県「元湯陣屋」で行われています。第1局を木村九段が制した後、第2局で永瀬王座が勝利して両者1勝1敗で迎えた本局。勝者がタイトルに王手をかける大注目の一戦です。


第69期王座戦五番勝負の勝敗表

本局は永瀬王座が先手番で、相掛かりの戦型になりました。同じく先手番だった第1局では、永瀬王座は角換わりを選択していました。

木村九段は2日前の20日に、順位戦B級1組の対局で藤井聡太三冠と戦っています。この対局も後手番で、戦型は相掛かりでした。先手の11手目▲4六歩までは同一の進行でしたが、木村九段が作戦を変えます。藤井三冠戦では△9四歩と端歩を突いたところで、本局は△7四歩を選択。そして△7三桂と跳ねました。藤井三冠戦とは異なり、桂を中央で使おうという狙いでしょう。

永瀬王座は桂頭に狙いを付けて、▲7五歩と突いていきます。▲7四歩と取り込まれては桂損となってしまう木村九段は、△8四飛と浮いて対応しました。

これで両者飛車を中段に構える格好に。激しい空中戦の機運が高まります。

25手目、永瀬王座は30分近く考えて、▲5六角と設置しました。先ほど突いた▲7五歩と連動して桂頭攻めを続ける狙いでしょう。角を手放したからにはもう収まりません。ここからは全面戦争に突入です。

持ち時間が5時間の本局は、本日の夕方から夜の決着見込み。先に2勝目を挙げ、タイトル防衛、あるいは奪取に王手をかけるのはどちらになるでしょうか。

永瀬王座(左)と木村九段。写真は王座戦第2局のもの(提供:日本将棋連盟)
永瀬王座(左)と木村九段。写真は王座戦第2局のもの(提供:日本将棋連盟)