識学は9月21日、「人事評価の"モヤモヤ"に関する調査」の結果を発表した。調査は8月26日、従業員数10人以上300人未満の人事評価の仕組みがある企業に勤める20歳~59歳の被評価者400名(男性233名・女性167名)を対象にインターネットで行われた。
自社で行われている人事評価の方法を聞いたところ、「業績評価」(65.0%)、「評価シート」(53.5%)、「事前に設定した目標達成度の評価」(47.8%)が上位に。また、自社の人事評価について満足しているか聞くと、半数以上(55.5%)が「満足」「やや満足」と回答した。
一方、「やや不満」「不満」と回答した人は44.6%。理由を尋ねたところ、「評価の基準が不明確」(48.3%)が圧倒的1位に。続く2位は「評価結果が報酬に反映されない」(30.9%)、3位は「評価する人によって厳しさに差がある」(28.1%)となった。
また、自社の人事評価の制度において、評価結果が給与や待遇にどのように反映されるか知っているかを聞いたところ、「知っている」が55.5%、「知らない」が44.5%となった。
次に、自身の人事評価を行う評価者について、その評価能力を10点満点で採点してもらったところ、平均で「5.6点」という結果に。人事評価に対する満足別でみると、人事評価に「満足」の人は「6.5点」、「不満」の人は「4.5点」となり、評価者の評価能力が、人事評価に対する不満につながっている可能性が明らかとなった。
評価者の評価能力について不安や不満に思うことを自由回答で聞いたところ、「評価者によってバイアスがかかってないかが不安」「評価基準が不透明であり、面談も行っていないので、評価者の独りよがりな評価になっているような気がして不安」「指示やアドバイスがないので、どうしたら評価されるのかわからない」「会社として評価基準が統一されていない」など、評価者の主観が入ることや、評価者によって評価基準や評点の甘辛にバラつきがあること、どうしたら評価が上がるか教えてもらえないことなど、“評価基準の不明確さ”による不安や不満が多くあがった。
このような結果を受けて、「人が介在しない評価方法を導入してほしいと思いますか?」と質問したところ、59.8%が「導入してほしい」「やや導入してほしい」と回答した。
次に、リモートワークをする上での人事評価について調査を行った。直近半年間(2021年3月~8月)に週3日以上リモートワークした人を対象に、リモートワークをする中で人事評価のされ方に不安を抱いたことがあるか聞いたところ、50.7%が「ある」と回答。
具体的には、「何をもとに実績をはかっているのか、全くわからない」「経営陣が昭和脳で、出社・残業している方が頑張っているという見方をされる。リモートでもちゃんと働いてるのに、リモート=サボりと思われかねない。出社していても雑談ばかりで仕事しない人もいるので不公平」「互いに状況を見ることが困難なので、信頼関係が築けているかわからない」といった声が寄せられた。
また、現在の人事評価制度でリモートワークに適応できていないと思うことを聞くと、「成果の基準が不明確であること」(42.5%)が最も多く、次いで「他の社員と比較が難しいのに相対評価であること」(30.1%)、「上司の観察による評価の影響が大きいこと」(26.0%)と続き、「リモートワークに適応できていないと思うことはない」という人は24.7%だった。