準決勝進出を懸けた最後の一局、藤井聡太三冠-千田翔太七段戦は9月25日対局実施

第42回将棋日本シリーズJTプロ公式戦(主催:地方新聞11社)の二回戦第三局、▲糸谷哲郎八段-△永瀬拓矢王座戦が9月20日に東京都「シャトーアメーバ」で行われました。結果は92手で永瀬王座が勝利。準決勝に駒を進めています。


第42回将棋日本シリーズJTプロ公式戦のトーナメント表

振り駒で先手番になった糸谷八段は初手に意表の▲7八銀! △3四歩に対しても▲6六歩と、タダで取られるにも関わらず歩を突き出していきました。これに対して永瀬王座は誘いに乗らずに△8四歩と突き、両者駒組みを続ける穏やかな展開を選択しました。

終盤の入り口で永瀬王座が抜け出します。銀で飛車取りをかけられた局面で、それを無視して△5七歩と金取りに歩を打って攻めたのが好判断。飛車は取られたものの、相手玉の守りを薄くすることに成功します。一方の自玉は囲いに収まって手付かずです。

小駒だけの攻めではあるものの、着実に糸谷玉に迫っていく永瀬王座。糸谷八段は粘ろうとしますが、△8八歩が後手の決め手でした。この歩がと金になり、左右挟撃形を築いた永瀬王座が糸谷玉に必至をかけ、勝利を収めました。

前回、日本シリーズ初出場で準優勝だった永瀬王座が、2年連続でベスト4に進出です。準決勝では藤井聡太三冠-千田翔太七段戦の勝者と対戦します。

反対の山はすでに準決勝のカードが決まっています。それは渡辺明名人-豊島将之竜王戦というもの。もし9月25日に行われる藤井三冠-千田七段戦で藤井三冠が勝利すれば、「4強」と呼ばれる現将棋界トップ4棋士がベスト4に集結することになります。

2期連続ベスト4進出の永瀬王座。写真は王座戦第2局のもの(提供:日本将棋連盟)
2期連続ベスト4進出の永瀬王座。写真は王座戦第2局のもの(提供:日本将棋連盟)