主幹は民間企業で見かけることもありますが、主に地方公共団体等で置かれる役職のひとつです。他にも主がつく役職が多いので、普段聞き慣れない人は頭が混乱するかもしれません。本記事では、主幹について、役割や仕事内容、他の主がつく役職との違いや英語での表記について解説。また、混乱しやすい主幹教諭、主幹事についてもわかりやすく紹介します。
主幹とはどんな仕事?
主幹という言葉には、「仕事の中心となる人、中心となりまとめていく人」「物事を構成する中心となるもの」といった意味があります。職場の中では、所属部内の人間をまとめる中心人物、といった位置付けです。
■民間企業では課長補佐、課長クラス
主幹は、国の機関や公共団体で置かれる役職のひとつ。民間企業で置かれていることもあります。
主幹という役職をわかりやすく民間企業の役職でいうと、課長補佐や課長に該当します。しかし、地方自治体によっては、別の自治体では主幹クラスである役職が主査になるなど、それぞれ違ったポストになるケースもあるので注意しましょう。
■他の「主」がつく役職と上下関係
主幹の他にも「主」がつく役職がいろいろあるため、上下関係をはっきり把握できない人も多いのでは。主がつく役職の序列は下記のようになります。
- 主事<主任<主査<主幹<主務
主幹が課長クラスとすると、「主務」は部長クラス、「主査」は係長クラスの役職になります。「主任」から下は役職のない一般職員、平社員です。
主幹教論とは?
学校教育法の改正により、小・中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校に制度化された職位です。 校長・園長・教頭など管理職を助け、命を受け校務を行います。
■主幹教論の仕事内容
「主幹教諭」には、まず、校長・副校長・教頭を助ける、命令により校務の一部を整理するといった補佐の役割があります。さらに、教職員の意見をまとめる連絡調整の役割、指導、助言などを行うといった人材育成の役割も担います。
校長や教頭の補佐といった役割と、教員のリーダーの役割を行う役職です。
■主幹教論と教務主任の違い
「主幹教諭」と「教務主任」は、なんとなく似たような役割と考えてしまいますが、実はまったく違います。
どちらにも連絡調整や教職員の指導、助言といった役割がある点は同じですが、「教務主任」は他の教員とは同僚という立場になります。対して「主幹教諭」は上司という立場で中間管理職になります。主観教諭は上司という立場になるため、同僚間ではやりづらかった指導などもやりやすくなりました。
また、「主幹教諭」という職位になるためには選考試験に合格する必要があり、給与に関しても一般職員より高くなっています。
主幹の英語表記
主幹を英語表記にすると下記のような表現がよく使われています。組織によって主幹の位置付けが違うため、適さないケースも考えられますので注意してください。
- Senior Manager
現場の責任者が「manager」となり、それを監督する責任者となるので「senior」をつけて表現しています。
組織によっては「manager」を主幹という意味にした方が適している場合があります。
- Chief Editor / Managing Editor
出版関係における編集主幹の場合は、編集者「editor」の管理責任者、リーダーにあたるので、「chief」「managing」をつけて表現します。
主幹事とは?
役職の主幹と似た言葉に「主幹事」というものがあります。
有価証券の募集や売り出しの際に、有価証券の発行会社、もしくは所有者と締結する元引受契約の協議を行う証券会社のことを「幹事会社」といいます。「主幹事」は、複数の幹事会社の中で引受数量が多く、中心的な役割を行う証券会社のことをいいます。
■主幹事と幹事
新規株式公開株といった意味の「IPO」。IPO投資を行う際にも「主幹事」や「幹事」といった言葉を見かけます。
この場合もさきほどと同じように、「主幹事」は「主幹事証券会社」のことをいい、「幹事」は「幹事証券会社」のことをいいます。 「幹事」の中で中心的な役割をする証券会社を「主幹事」というのです。
主幹を理解して仕事に役立てよう
取引先の名刺などに主幹という役職をみかけても、意味を知らなければ相手がどういった立場なのかがわからず、戸惑うことがあります。主幹は国などの機関や公共団体、民間の企業など、組織によって少し意味が違うケースはありますが、多くは「課長や課長補佐」クラスの役職と覚えておくといいでしょう。
今回は主幹について、多くの組織での位置付けや英語での表現、さらに株取引でよくみかける主幹事という言葉についても紹介しました。主幹は似たような言葉が多いので、ビジネスの上で覚えておくと助かるシーンがあるかもしれません。ぜひ知識のひとつとして頭に入れておいてください。