森永乳業はこのほど、「2021年快便偏差値ランキング」を発表した。同調査は6 月24日~26日、全国47都道府県の20~50代男女12,032名を対象に、インターネットで実施した。
今回の実態調査は、みなと芝クリニック川本徹先生監修のもと行った。大腸(腸内、おなか)の健康について普段から意識しているか尋ねたところ、2020年は「意識している」と答えた人が9.3%だったのに対して、2021年では17.0%と2倍近く増加した。「意識している」「どちらかといえば意識している」を合わせた「意識している計」では、2020年の35.0%に対して、2021年では52.2%となり、大腸の健康に対する意識が高まっていることがわかった。
大腸(腸内・おなか)のために行っていることを聞くと、「ヨーグルトを食べる」(44.9%)が前年同様に最も高かった。2020年と比較して、2021年では何らかの対策を行っている人が全体的に増えており、特に「野菜や果物を多く摂る」、「食物繊維の多い食事を心掛ける」は、2020年に比べてそれぞれ9.3%、9.7%も上昇している。
コロナ禍において、コロナ禍前(2020年3月以前)と比べ変化したことを聞くと、「ストレスを感じることが増えた」は21.3%だった。「増えた」と「やや増えた」を合わせた「増えた計」では、50.7%と、2人に1人がコロナ禍前よりストレスを感じることが増えたと答えている。
コロナ禍前と比べた生活習慣の変化では、いずれの項目でも「変わらない」が最も多いが、「自宅での食事の回数」や「バランスの良い食事の回数」、「発酵食品の摂取量」の食習慣では「増えた」が、「減った」より多い傾向にある。「自宅での食事の回数」が増えた人は36.0%で、その結果「バランスの良い食事の回数」や「発酵食品の摂取量」が増えたことにつながっていると推測できるという。
ストレスの増減と大腸の不調の関係について調べた。ストレスの増減別に「大腸(腸内・おなか)の不調の有無」を比較すると、ストレスを感じることが「増えた」人の51.2%は、「大腸の不調がある」と答えている。大腸の不調がある人のうち、具体的にどのような不調があるかをストレスの増減別に比較すると、ストレスを感じることが増えた人の方が、 「便秘」「腹痛」が多くなる傾向があった。
「大腸環境」の乱れの特徴である「便秘」の状況が2020年と比較してどう変わったかを明らかにするため、14項目の「便秘指標」に関する質問を行い、それぞれの回答を点数化した。その合計点数を元に「快便偏差値」を算出し、都道府県別にランキング化したところ、2021年の快便偏差値が最も高いのは「東京都」となった。快便偏差値の最も低い県は「青森県」となっている。
今回の結果では、長期自粛による生活習慣の変化が、快便偏差値に影響していることがわかった。コロナ禍前と比べて、「バランスの良い食事の回数」「発酵食品の摂取量」「運動量」「睡眠時間」の各項目で「増えた」人は、「変わらない」「減った」人よりも快便偏差値が高くなる傾向が明らかになっている。この生活習慣の変化は都道府県ごとに異なっており、快便偏差値ランキングに影響を与えたと考えられる。
2021年の快便偏差値ランキングの上位3県は、東京都が1位(2020年に快便県 15位)、神奈川県が2位(同 37位)、愛知県が3位(同 33位)と、都市部が大きく上昇する結果となった。1位の東京都、2位の神奈川県ともに便秘指標が大きく改善している。神奈川県は「発酵食品の摂取量」が増えた人も全国2位であり、大腸に良い生活習慣への変化が伺える。
一方、快便偏差値が最も低い県は青森県(2020年 30位)、2位が鳥取県(同36位)、3位が鹿児島県(同 22位)だった。青森県は、便秘指標ランキングの中でも「ストレス」が、2020年に5位だったのに対して、2021年では46位と大きく順位を下げており、長く続くコロナ禍が精神面に影響を与えた可能性が考えられる。
みなと芝クリニック 院長の川本徹先生によると、長期自粛による生活習慣の変化が大腸環境に影響したと考えられるという。テレワークなどにより通勤時間が節約となり、朝食をしっかり摂る、夜遅い夕食を摂らないなど良い食習慣が形作られたと考えられたことが、大都市圏で快便偏差値が向上した理由ではないかとコメントしている。
大腸環境を守るために大切なこととして川本先生は、「バランスの良い食事、適度な運動、質の良い睡眠が土台となります」と話す。さらに「朝食の摂取」「適度な水分」「発酵食品の摂取」を意識し続けることで大腸環境は改善されていくとのこと。