「肌に張りがない」「髪の毛が薄くなった」そんな悩みを抱えている人も多いことだろう。 自律神経の名医・小林弘幸先生は言う。「肌を若々しく、美しく保つため、あるいは育毛を促すためにもサウナは効果的である」と。
それは、何故なのだろうか? サウナの有意義な活用法とは?「肌の美しさ」「育毛」とサウナとの関連性を小林先生に尋ねてみた─。
■血流を良化させると
──サウナには、肌を若々しく、美しく保つ効果があると先生は言われますね。その理由を教えて下さい。
小林 はい。
若々しく、美しい肌を保つためには、皮膚の細胞の代謝サイクルであるターンオーバーを促すことが何より重要なんです。ターンオーバーのサイクルが乱れると、肌にシミやシワができやすくなり、また肌が乾きやすくもなります。
ターンオーバーの良し悪しは、血液の流れがスムーズであるかどうかで決まります。
皮膚の周辺にある毛細血管がゴースト化すると、血液の流れが悪くなって酸素や栄養を十分に届けることができません。すると、新しい皮膚を生み出す力が衰えてしまうのです。
サウナを活用して自律神経を刺激し血流を促進させることで、肌を若々しく美しく保ってもらいたいと思います。
──これは、サウナに入る習慣を身につけることで得られる効果、ということですね。
小林 そうです。即効的なものではなく、継続することで得られます。また、サウナで汗をかくことで肌の保湿効果も期待できるんですよ。
ただし、やり過ぎは禁物です。過度にサウナに入ると逆に肌が乾きすぎてしまいます。それに火傷に近い状態に陥ることもあるので注意しましょう。
──育毛にも効果がある、と。
小林 その効果も期待できますね。
頭髪の抜け毛や薄毛になる主な原因は、頭皮周辺で起こる血流障害です。新型コロナウィルスに感染した人の後遺症の一つに脱毛が報告されていますが、このケースも私は、血液の流れが悪くなったことが原因だと推測しています。
肌のターンオーバーと同じように、頭部の毛根部にあたる毛母細胞の周辺がゴースト化すると血液の流れが悪化し、その先の細胞が酸欠や栄養不足の状態となります。
その結果、新しい細胞を生み出す力が衰えて、脱毛や抜け毛、薄毛の原因となるわけですね。
育毛に必要なのは、頭皮の血行を良くすること。サウナを利用して、頭皮の血液の流れを促進させるよう心がけてみましょう。
今回も最後にサウナの中でできる簡単なストレッチを2つ紹介しておきます。ぜひ、トライしてみて下さい。
<サウナ・ストレッチ3>
上体を左右にねじる
<サウナ・ストレッチ4>
お腹をしぼる
▶「小林式サウナ・ストレッチ」のPOINT
- ゆっくりと呼吸をしながら行う。
- ゆっくりとした動きで行う。
- 自分が「一本の棒」になったイメージで行う。
※サウナ内ではほかの人との距離を十分にとって、迷惑にならないように行いましょう。
文/近藤隆夫、監修/小林弘幸