NTTデータ経営研究所は9月15日、「働く人のメンタルヘルスとサービス・ギャップの実態調査」の結果を発表した。調査は6月28日~7月5日、50名以上の企業に勤める「NTTコムリサーチ」登録モニター1,022名(男性515名、女性507名)を対象にWEBで行われた。

  • コロナまん延以降にストレスや悩みが増加したメンタル不調者に見受けられた特徴

    コロナまん延以降にストレスや悩みが増加したメンタル不調者に見受けられた特徴

同調査では、WHO-5精神的健康状態表を用いて調査参加者の精神的健康状態(メンタル不調の程度)を測定し、合計点数が13点未満の参加者について「精神的健康度が低い」とみなした。

その結果、働いている人の約2人に1人(45.3%)において精神的健康度が低く、うつ病や不安障がいなどの精神疾患を発症するリスクが高いことが明らかに。さらに「コロナまん延以降にストレスや悩みが増加しましたか?」と聞くと、精神的健康度が低い人の約6割が「増加した」と回答。特に、長く企業に勤め、テレワークを定期的に行える環境にあり、同居者ありの40〜50代など、生活が安定しており社会的に成功しているように見える層でストレスや悩みが増加していることがわかった。

  • メンタル不調者におけるコロナまん延以降のストレス増加有無ごとのサービス・ギャップの実態

    メンタル不調者におけるコロナまん延以降のストレス増加有無ごとのサービス・ギャップの実態

厚生労働省「平成30年労働安全衛生調査(実態調査)」によると、50名以上の企業における「ストレスチェックテスト」の実施率は91.5%、また、73.3%が事業場外資源も含めて労働者に相談先を提供しているという。

そこで、メンタルヘルスケアのサービス実態を探るべく、精神的健康度が低く、コロナまん延以降にストレスや悩みが増加している人の相談窓口の利用率を調べたところ、3割程度と低い結果に。また、およそ半数の人が「相談窓口を利用することに抵抗がある」と回答しており、メンタル不調がありケアが必要であるにもかかわらず、多くの人がケアを受けていない状態にあることがわかった。

抵抗を感じる理由を聞くと、社内の相談窓口に関しては「面談の内容が周囲に漏れるのが不安だから」(24.4%)、「面談でどのようなことをするのか分からないから」(23.1%)という回答が多く、一方、社外の相談窓口に関しては「そもそも社外のカウンセラー等の専門家が何かよく分からないから」(24.4%)、「相談窓口でどのようなことをするのか分からないから」(15.6%)という回答が多かった。