エムアイセブンジャパンは、米PreSonusのDAWソフト「Studio One」の最新版となるバージョン5.4を発表した。バージョン5のユーザーは、無償でアップデートできる。Apple M1 チップへのネイティブ対応をはじめ、パフォーマンスを向上させるプラグインのスリープ機能など、多くの新機能、機能向上が盛り込まれている。
Studio Oneは米PreSonusが提供しているDAW(Digital Audio Workstation)ソフトである。今回のバージョン5.4では、Apple M1 チップへのネイティブ対応を果たした。これにより、Studio One の各エディション、各種プラグインおよびPreSonus現行のオーディオインターフェース、ミキサー、コントローラーは全てApple M1ネイティブ対応となっている。
そのほかの新機能、機能向上点は以下の通り。
プラグインのスリープ機能
オーディオを通過していないプラグインの処理を無効にすることで全体的なCPUパフォーマンスを向上させまる。各プラグインの状態はパフォーマンスモニターで確認可能で、プラグインウインドウを開けば自動で停止する。スリープ機能を有効にすることで、より多くのプラグインをセッションで実行できるようになる(現時点では、バーチャルインストゥルメントには非対応)。複数フォーマットへの一括エクスポート
[ミックスダウンをエクスポート]ウインドウに、1回のパスでエクスポートできるオーディオフォーマットのリストが表示されるようになった。レンダリング時間が追加でかかることもなく、各フォーマットはそれぞれのエクスポート設定を提供/保存できる。フォーマットの切り替えは、別のフォーマットをクリックするだけで行え、追加フォーマットにチェックを入れるとそのフォーマットが選択対象に追加される。[Notionに送信]などのパブリッシャーを選択した場合は、そのパブリッシャーのデフォルトフォーマットが選択対象に含まれるようになる。また、[ミックスダウンをエクスポート]ウィンドウを閉じても設定が記憶されるようになった。PreSonus Sphereメンバーは、1つのPreSonus Sphereワークスペースに複数のフォーマットを同時にエクスポートすることも可能。コードのリアルタイム表示オプション
エディターのノートが表示される新しいコード・ディスプレイが、既存のコード表示の下のノート・エディター・インスペクターに追加された。ディスプレイの状態は状況に応じた2種類が用意され、[現在のコード]には、現在の再生位置のノートから検出されたコードおよび次に来るコードが表示され、 [選択されているコード]には、現在選択されているノートイベントから検出されたコードが表示される。複数のノートが選択されている場合、コードはこれらのノートにより構成されるものとなる(アルペジオという場合もあり得る)。選択された1つのノートに対しては、重なり合うノートが検索され、コードが決定される。現在のコードはツールチップ内に表示され、ノート編集時のマウスオーバーにも表示される。コードのフローティング・ディスプレイは、コード・トラックの現在のコード、入力コード、エディターで選択中のコードのいずれかを表示するよう設定可能。コードトラックのコードを表示する場合、ウインドウには現在のコードと次のコードが表示され、次のコード変更までの時間を示す進捗バーも表示されるので、レコーディングの現場だけでなく、教育にも最適なオプションと言える。プラグイン・マネージャーの機能改善
プラグイン・マネージャーでは新たにバージョン欄が追加され、プラグインライブラリーが常に最新の状態であるのを確認できるようになった。また、新しい統計タブは、エラー追跡やカスタマーサポートに役立つ情報を提供する。起動時のスキャンで失敗したサードパーティのプラグインは、セッションに支障をきたすことがないよう、プラグイン・マネージャー内のブロックリストに移動される。ブロックリストでは、手動のリセット、個別の削除、問題のあるプラグインをドラッグ&ドロップで追加するといったことが行える。Mix Engine FXのパフォーマンスが最適化
プラグインのスリープ機能同様、Studio One Mix Engine FXプラグインも、チャンネルに信号が無い場合にCPU処理をセーブするように改善。この機能向上はMix Engine FXバージョン1.1以降で利用可能で、Mix Engine FXを使用する全てのセッションで自動的に有効となる。オートセーブが進化
オートセーブは再生終了まで待機するよう改良された。また、キャッシュされたプラグインデータを常時使用すれば、自動保存にかかる時間も短縮でき、[保存時にキャッシュされたデータを使用]オプションは手動保存にのみ影響するようになった。コード検出機能の向上
オーディオからのコード検出結果がより正確になり、タイミングも改善。ノートイベントから検出されるコードの精度も向上している。コード・セレクターで選択可能なコードの全種類をパートから認識でき、これにより、コードイベントをコードトラックからアレンジメントに(あるいはその逆に)ドラッグする際、より一貫した結果が得られるようになっている。ソング/プロジェクト/ショーの[外部ファイルをコピー]オプションの変更
[ソング保存時に外部ファイルをコピーするよう確認メッセージを表示]オプションは[ドキュメント保存時に外部ファイルをコピーするよう確認メッセージを表示]に変更され、ソングだけでなくプロジェクトとショーでも同じように機能するようになった。ドキュメントを保存すると、前回の保存以降に追加されたすべての「外部」ファイルの(ソング/プロジェクト/ショー外の)フォルダをコピーするダイアログが表示される(このダイアログは、各ファイルに1回だけ表示される)。センド・オプションの改良
センド用オプション[すべてを削除]がコンソールに追加された。センド横のドロップダウン矢印をクリックすると、この新コマンドにアクセスできる。このコマンドは複数のチャンネルグループに同時適用も可能だ。
動作環境は以下の通り。
- Mac:macOS 10.13以降(64bit)、Intel Core i3プロセッサー以上(Apple M1対応)、 4GB RAM(8GB以上推奨)
Windows:Windows 10(64bit)、Intel Core i3またはAMD A10プロセッサー以上、 4GB RAM(8GB以上推奨)
Mac/Windows共通:インターネット接続(インストールとアクティベーションに必要)、40GB以上のディスク空き容量、解像度1,366×768以上のディスプレイ(高DPI推奨)
Windows環境でタッチ操作機能を利用する場合は、マルチタッチ対応モニターも必要となる。