アイデムは9月10日、「地域別最低賃金」改定によるパート・アルバイトの募集時時給への影響に関する調査結果を発表した。調査は、4月〜7月までにおける同社運営の「イーアイデム」「Jobギア採促」を利用して公表されたデータをもとに集計した。
調査対象地域は、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県・群馬県・栃木県・静岡県・滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県・奈良県・和歌山県・岡山県・福岡県の16地域。
2021年4月〜7月の募集時時給データのうち、令和3年度地域別最低賃金として8月20日現在各都道府県の労働局長に答申されている金額(改定額)よりも低い募集時時給データの割合(以下、改定影響率)を求めたところ、改定影響率が最も高い地域は「神奈川県」で44.5%。次いで「千葉県」(40.3%)、「兵庫県」(40.2%)と続いた。
次に、政令指定都市のある府県と東京23区・23区外(都下)で、政令指定都市と同都府県のそれ以外の地域(便宜上、以下郊外)での改定影響率を比較したところ、都市側で改定影響率が低く郊外と10ポイント以上差が出たのは、「東京都区」「神戸市」。切上げ平均時給をみると、「東京都」と「兵庫県」では郊外の平均時給が現在から10円上がる計算に。
同一県内で改定影響率の差があまりみられなかった地域は、「埼玉県」「神奈川県」「京都府」「岡山県」「福岡県」。郊外の影響率の方が低かった地域は、「千葉県」「静岡県」「大阪府」だった。
また、募集時の時給が1,000円よりも低い募集時時給データの割合(以下、1,000円未満率)を求めると、1,000円未満率が最も高かったのは「岡山県」(81.0%)、次いで「群馬県」(79.9%)、「茨城県」(74.1%)と、3県ともに、平均時給は他の県に比べて低い傾向に。特に「岡山県」「群馬県」の令和2年度地域別最低賃金は830円と、今回集計した地域の中でも低く、1,000円までの差額が大きかった。
反対に、1,000円未満率が最も低かったのは「大阪府」(38.0%)、次いで「埼玉県」(44.6%)、千葉県」(49.7%)。いずれも平均時給は1,000円を超え、令和2年度の最低賃金額は900円を超えており、さらに中央最低賃金審議会からの答申で適用される目安ランクはAとなっている。