長引く外出自粛で、気分もすっかりダウン気味の毎日。そんな中、自宅で鑑賞する音楽やTVドラマ、映画などに癒やされているという人も多いことでしょう。
現在はスマフォやタブレットひとつあれば気軽にエンターテインメントを楽しめる便利な世の中ですが、それでも劇場などで味わう臨場感は、唯一無二の体験です。幸い、各映画館では感染対策をしっかりと講じ、リスクを回避したうえで新作映画が続々と公開されています。
そこで本記事では、今後劇場で公開が予定されている映画作品をご紹介。今回は、9月後半(9/16~30)の公開予定作品を見ていきましょう。
9月16日~30日の劇場公開予定の映画作品は以下の通りとなっています。
9月16日~30日公開の映画一覧
『君は永遠にそいつらより若い』(9月17日公開)
『クロガラス0』(9月17日公開)
『マスカレード・ナイト』(9月17日公開)
『由宇子の天秤』(9月17日公開)
『酔いどれ東京ダンスミュージック』(9月17日公開)
『アイダよ、何処へ?』(9月17日公開)
『偽りの隣人 ある諜報員の告白』(9月17日公開)
『スイング・ステート』(9月17日公開)
『スクールガールズ』(9月17日公開)
『シー・イズ・オーシャン』(9月17日公開)
『トムボーイ』(9月17日公開)
『レミニセンス』(9月17日公開)
『総理の夫』(9月23日公開)
『マイ・ダディ』(9月23日公開)
『クーリエ:最高機密の運び屋』(9月23日公開)
『MINAMATAーミナマター』(9月23日公開)
続いて、それぞれの作品のストーリーやスタッフなどをご紹介していきましょう。
映画新作 - 2021年9月前半公開予定の中から話題作・注目作を紹介
『君は永遠にそいつらより若い』
芥川賞作家・津村記久子のデビュー作である、2005年・第21回太宰治賞受賞作(『マンイーター』より改題)を映画化。卒業を間近に控えた22歳の処女であり、170cmを超える長身の大学生・ホリガイを主人公に、彼女と周囲の何気ない日常を紡ぐ。だが、その裏には暴力や虐待、ネグレクトなどの闇が潜んでいた。彼女はそれらに触れ、やがてやりきれない「哀しみ」に直面していく。
監督/吉野竜平
公開日/9月17日
『クロガラス0』
新宿・歌舞伎町を根城に活動する、神崎黒斗率いる裏社会の解決屋「クロガラス」の誕生の秘密を明かす、シリーズの前日譚となる作品。新人警察官の黒斗は、職務に忠実であるが故に腐敗した警察組織から疎まれつつ、唯一の理解者である先輩警官・兵頭とともに街の浄化に奔走する。ある時、犯罪組織のアジトが強盗に襲われる事件が連続して発生し、ついには殺人事件へと発展してしまう。
監督/小南敏也
公開日/9月17日
『マスカレード・ナイト』
東野圭吾の「マスカレード」シリーズ第3作を映画化。前作『マスカレード・ホテル』に引き続き、木村拓哉と長澤まさみが主演を務める。ある殺人事件の犯人が、大晦日に「ホテル・コルテシア東京」で開催されるカウントダウンパーティー「マスカレード・ナイト」の会場に現れるという情報が寄せられた。新田刑事とコンシェルジュ・山岸尚美は事件解決にあたるが、参加者全員が仮装・仮面をしているという困難に直面する。
監督/鈴木雅之
公開日/9月17日
『由宇子の天秤』
ドキュメンタリーディレクターの由宇子は、3年前に起きた女子高生のいじめ自殺事件を追っている。テレビ局の方針と対立しながらも、隠された真実に光を当てるというドキュメンタリー作家としての信念を貫き、事件の真相に迫りつつあった。だがある時、学習塾を経営する父・政志から明かされた「衝撃の事実」を知り、その信念が揺らいでいく。葛藤の中で究極の選択を迫られた由宇子は、果たして……。
監督/春本雄二郎
公開日/9月17日
『酔いどれ東京ダンスミュージック』
上京してから32年、会社員として働きながらバンド・真黒毛ぼっくすとして活動するミュージシャン・大槻泰永を日々を追ったドキュメンタリー作品。ミュージシャン仲間や元妻、娘などの取材も通じて、その愛すべき素顔が明かされていく。かつて『三宅裕司のいかすバンド天国』(通称:イカ天)出演経験もあり、数々の有名アーティストとも共演してきた彼だが、その傍には常にお酒があった。
監督/長瀬由依
公開日/9月17日
『アイダよ、何処へ?』
ボスニア紛争末期、戦後ヨーロッパ最悪の大量虐殺事件「スレブレニツァの虐殺」の渦中で奮闘する、1人の女性を描いたヒューマンドラマ。1995年、ボスニア東部の街スレブレニツァはセルビア人勢力によって占拠され、25,000人もの市民が避難場所を求め国連施設に殺到する。国連平和維持軍で通訳として働くアイダは、同胞や家族を守るために奔走する。第93回アカデミー賞国際長編映画賞ノミネート作品。
監督/ヤスミラ・ジュバニッチ
公開日/9月17日
『偽りの隣人 ある諜報員の告白』
1985年、軍事政権下にあった韓国を舞台にした社会派サスペンス映画。野党政治家イ・ウィシクは大統領戦出馬のために海外から帰国するが、空港で国家安全政策部に逮捕され、自宅軟禁状態となる。諜報部員のユ・デグォンは隣人として監視任務を開始。当初は忠実に職務を遂行するが、盗聴器越しにウィシクの人間性に触れるにつれ、次第に上層部へ疑問を抱くようになる。そんな中、ウィシク一家に命の危険が迫る……。
監督/イ・ファンギョン
公開日/9月17日
『スイング・ステート』
アメリカ合衆国大統領選挙で、選挙の度に共和党・民主党の勝利が変動する激戦州「スイング・ステート」をテーマとした風刺コメディ映画。共和党のドナルド・トランプに劣勢を強いられた民主党のヒラリー・クリントンの選挙参謀ゲイリー。彼は起死回生のために、スイング・ステートであるウィスコンシン州の田舎町ディアラーケンの町長選挙に着目。かくしてこの町で、巨額の資金を投じた代理戦争が開始される。
監督/ジョン・スチュワート
公開日/9月17日
『スクールガールズ』
1992年、バルセロナ五輪開催で湧くスペインを舞台に、思春期の多感な少女を描く青春ドラマ。サラゴサの修道院に通う、母と2人暮らしの少女セリアは、バルセロナからの大人びた転入生ブリサに感化され、新しい音楽や遊びを知り、友人の姉たちとも交流するようになる。ある日、セリアはゲームに興じる中でブリサから掛けられたある言葉をきっかけに、母がけっして語らない真実に向き合うようになる。
監督/ピラール・パロメロ
公開日/9月17日
『シー・イズ・オーシャン』
年齢、職業、国籍など、それぞれ異なるバックグラウンドを持ちながらも、ただ一つ「海を深く愛している」ことが共通する9人の女性。プロサーファーになる夢を持つ14歳の少女、伝説のサーファーを父に持つ女性プロサーファー、サメの正しい生態を広めようと活動するサメ保護活動家のダイバー、ドイツ出身のハイダイバーなど、一人一人がそれぞれの海への愛を語るドキュメンタリー作品となっている。
監督/インナ・ブロキーナ
公開日/9月17日
『トムボーイ』
2011年製作のフランス映画。ある夏休み、ボーイッシュでおてんばな10歳の女の子ロールは引越しを機に「ミカエル」と名乗り、周囲に自分が男の子だと信じ込ませることに成功する。知り合った少女リザとも親しくなっていくが、ある時ロールはリザが「男の子のミカエルとしての自分」に好意を寄せていることに気付く。葛藤を抱えつつも距離を縮めてゆく2人だったが、夏は終わりを迎え、新学期が近づいていた。
監督/セリーヌ・シアマ
公開日/9月17日
『レミニセンス』
多くの都市が水没した近未来を舞台にした、ヒュー・ジャックマン主演のSFサスペンス映画。海面が上昇した近未来のマイアミに住むニコラス・"ニック"・バニスターは他人の記憶に潜入(レミニセンス)し、その記憶を顧客に追体験させるという仕事を請け負っている。ある時ニックは、ある依頼がきっかけでメイという名の女性を追うことになり、膨大な記憶と映像に翻弄されつつ、大いなる陰謀に巻き込まれていく。
監督/リサ・ジョイ
公開日/9月17日
『総理の夫』
日本初の女性総理を妻に持つ「ファーストジェントルマン」の奮闘を描く原田マハの小説『総理の夫 First Gentleman』を映画化。ある朝、資産家一族の御曹司で鳥類学者の相馬日和は、少数野党の党首である妻・凛子から問いかけられる。「ねえ、日和くん。もしも私が総理大臣になったら、何かあなたに不都合はある?」。この一言で日和の生活は一変し、想像を絶する激動の日々になだれ込んでいく。
監督/河合勇人
公開日/9月23日
『マイ・ダディ』
ムロツヨシが映画初主演を果たしたヒューマンドラマ。牧師である御堂一男は8年前、最愛の妻・江津子と死別し、現在は中学生の娘・ひかりと2人で暮らしている。ある日、突然ひかりが白血病に倒れ、しかも彼女が実の子ではないことも発覚してしまう。適合するドナーが「数百万人に一人」という現実も追い討ちをかけるが、「血縁者は適合率が上がる」ことに気付いた一男は、思いきった行動に打って出る。
監督/金井純一
公開日/9月23日
『クーリエ:最高機密の運び屋』
キューバ危機の際に、舞台裏で核戦争回避のために奔走した男たちの姿を描いた、実話ベースのスパイサスペンス映画。米ソの対立は熾烈を極め、1962年10月、ついにキューバ危機が勃発。一介の民間人である英国人セールスマンのグレヴィル・ウィンはCIAとMI6の依頼を受け、GRU(ソ連軍参謀本部情報総局)の内通者がもたらす機密書類をモスクワから西側に運び続けるという危険な任務に就く。
監督/ドミニク・クック
公開日/9月23日
『MINAMATAーミナマター』
「MINAMATA(水俣)」を撮り続けたアメリカ人写真家、ユージン・スミスを描いた作品。スミスが遺した写真集『MINAMATA』を原案とし、ジョニー・デップが製作・主演を務めた。1971年、それまでの名声をよそに酒浸りの生活を送るスミスのもとに、アイリーンという女性が訪ねてくる。彼女は熊本県水俣市で、チッソの工場廃液による有害物質に苦しむ人々を撮影してほしいと依頼。現地に赴いたスミスが目にしたものは……。
監督/アンドリュー・レビータス
公開日/9月23日
9月16日~30日公開の劇場映画作品の注目作
いかがでしょうか。9月後半もまた、個性的で魅力あふれる作品が並んでいます。特に、歴史的な事件や社会的な題材をテーマとした作品に印象的なものがありました。
ボスニア紛争時に家族を守るために戦う女性を描いた『アイダよ、何処へ?』、1973年の金大中事件を彷彿とさせる韓国映画『偽りの隣人 ある諜報員の告白』、ドナルド・トランプvs.ヒラリー・クリントンによる大統領選が田舎の町長選挙にまで飛び火する『スイング・ステート』、キューバ危機下で核戦争を防ぐために奔走するセールスマンを描いた実話『クーリエ:最高機密の運び屋』などです。
中でも、日本人にとって忘れることのできない、そしていまも決して終わっていない水俣問題を正面から捉えた『MINAMATAーミナマター』は要注目です。水俣を撮り続けた伝説の写真家ユージン・スミスを描いた本作は、スミスを演じた主演のジョニー・デップの情熱が感じられる秀作となっています。共演の真田広之、浅野忠信、音楽担当の坂本龍一などの日本人スタッフも実力派が集結しています。
そのほかの作品では、ヒットした前作『マスカレード・ホテル』に引き続き、潜入捜査官とホテルマンという「正反対のバディ」が再びタッグを組む『マスカレード・ナイト』も話題です。警視庁捜査一課のエリート刑事・新田浩介(木村拓哉)と優秀なホテルコンシェルジュ・山岸尚美(長澤まさみ)のコンビネーションにもますます磨きがかかっています。
また、意外にもこれが映画初主演となるムロツヨシの泣かせるヒューマンドラマ『マイ・ダディ』や、真実を追求する中で、自身の「正義」が揺るがされる女性の葛藤を描く『由宇子の天秤』なども注目です。
現在は、サブスクなどで簡単に映画を観られる環境が整っていますが、それでも映画館で封切り映画を鑑賞するという経験は何ものにも代え難いものです。今回の記事に興味を持たれたら、感染対策を万全にして、劇場に出かけてみてはいかがでしょうか。