映画『浜の朝日の嘘つきどもと』(9月10日公開)の公開記念舞台挨拶が11日に都内で行われ、高畑充希、柳家喬太郎、大久保佳代子、タナダユキ監督が登場した。
同作は福島県・南相馬に実在する映画館「朝日座」を舞台にしたタナダユキ監督のオリジナル作。東京の映画配給会社に勤めていた福島県出身26歳の茂木莉子(本名:浜野あさひ/高畑)が恩師との約束である「朝日座」再建のため、小さな“嘘”をついても映画館を守ろうと奮闘する。
ステージに登壇したキャストたちは、映画のキャッチコピーにちなんでそれぞれが「いらっしゃいませ、ようこそ映画館へ!」と挨拶。老舗映画館「朝日座」再建に奮闘する役どころの高畑は、昨年の自粛期間明けの夏に行われた撮影を振り返り「タナダ監督の映画愛とロケ地・福島の空気感に癒されました。こんな状況ですが、全国の映画好きの皆さんの気持ちが軽くなって、温かい気持ちなってもらえたら嬉しい」と笑顔を見せる。タナダ監督も「映画は観てくれる人がいないと完成しませんから」と感染対策を施して駆け付けた観客に感謝の思いを伝えていた。
「朝日座」の支配人を演じた喬太郎は「普段の高座とは違って、華やかな皆さんとこうしてご一緒できて嬉しい。でもこういう舞台挨拶は慣れていません。座らせていただけたらありがたいなあ」と落語ボケ。高畑と喬太郎の丁々発止のやり取りも、本作での笑いを誘う見どころの一つで、高畑は「初日から“黙れ、じじい!”というセリフがあって…。ちゃんと事前に“ごめんなさい!”と謝って気にせずにやっていたら、罵倒される師匠の顔が可愛く見えてきて。どんどんエンジンがかかった」と熱演を報告する。その言葉に喬太郎はショックを受けるのかと思いきや「私生活でもしょっちゅう言われていることですから。でも高畑さんのような可愛い方に言われることはないので、快感でした。この時間がずっと続けばいいと思った」とジョークで重ねて笑いをとっていた。
また「今だから言ってみたいこと」を聞かれた高畑は「撮影中から喬太郎師匠のことを“キョンキョン”と呼びたくて。愛称でそう呼ばれてるとネットで見たんです。でもなかなか呼べなかったので、今日は“キョンキョン”と言おうと意志を持って来ました。そうしたら楽屋で師匠の方から“キョンキョンでいいですからね”と言って頂きました」と粋な気遣いに感謝。高畑は喬太郎のニックネームである“キョンキョン”呼びを「今日、舞台裏で達成しました!」と嬉しそうに報告した。そんなエピソードに照れる喬太郎は、高畑から「呼べてよかった。ね、キョンキョン」と声をかけられると「もう死んでもいい!」と体を折り曲げて赤面。高畑は「1年越しの夢が叶いました」と大喜びだった。
一方、大久保は本作のPR活動時の出来事として「高畑さんとの写真撮影になると、カメラマンからバックハグを要求されることがあって。私はなかなかできないのに、高畑さんは躊躇せず後ろからガバッとしてくる。自分の首から加齢臭がしていないかとかドキドキして乗り越えた2ショット撮影……。しんどかった」と自虐。すかさず高畑は「大久保さんはいい香りでしたよ!」と優しくフォローしていた。
最後に高畑は「みんなで今作るべき映画を今作った作品。クスッと笑えるユーモアもありながら、温かい視点でグサッと胸に刺さるところもある。今だからこそ、映画好きをはじめ、多くの方々に見てほしい」と大ヒットを祈願していた。