俳優の東山紀之が、11日・18日に放送されるTBSのドキュメンタリー番組『バース・デイ』(毎週土曜17:00~ ※関東ローカル)で、テレビ初共演となる桑田真澄氏&Matt親子を直撃する。10日、取材に応じ、親子への印象や共感点などを語った。
2人とも、今回が初対面だった東山。「まず非常に良い親子関係を感じさてもらって取材が始まったので、非常に良い雰囲気でしたね」といい、「Mattさんはインパクトの強いイメージがあるじゃないですか。でも桑田さんと非常によく似てるなと思ったんです。雰囲気だったり、しぐさだったり、『バック・トゥー・ザ・フューチャー』で主人公が過去に戻ってお父さんと会って同じしぐさをする場面があるんですけど、あれを一瞬垣間見たような雰囲気で、僕の目線に入るおふたりがやっぱりよく似ているんですよ」と第一印象を振り返った。それは雰囲気だけでなく、「自分が好きなことを突き詰めていくというのを、おふたりから非常に強く感じましたね」という。
巨人のコーチとして選手を指導する桑田氏だが、Mattへの指導=教育も同じなのだそう。「個性を尊重してそれを伸ばしていくということを、きちんとされてるなと思いますよね。いきなりMattさんが金髪になったときは本当に驚いたらしいですけど、否定することなく受け入れていくということなんです。それは親子関係とか選手関係じゃなくて、人としてその人を受け入れていくということがやっぱり大切。パラリンピックを見てても、いろんな人の個性だと思って受け入れていくということが、世の中を回していくためにはすごくいいことなんですよね」と、改めて実感したそうだ。
一方で、自身の後輩への指導について聞かれると、「僕の場合は基本的には褒める。桑田さんと一緒ですけど、個性を大事にしていくということだと思います。芸能はファンの人がついてますから、その人の個性が好きだとなったときは、なかなか正解が難しいんですけど、ファンを満足させられるようなパフォーマンスに向けてのプロセスみたいなものが大事だと思います」と回答。
ただ、「今の後輩たちはしっかりしてるから、逆に僕のほうが発見が多かったりしますね。動画サイトとかVTRとかを見て研究してるので、感心しますよ。やっぱり勉強熱心というのがこの世界では一番勝つと思うので、探究心を持ってる後輩たちが多いから、これは負けてられないなと思いますね」と気を引き締めた。
東山がレコードデビューしたのと、桑田氏が巨人に入団したのは、同じ1985年。同世代なだけに、「育ってきた環境とか状況とか世の中の流れとかがお互いによく分かってるので、共通点が非常に多かったですね。お互いを知ってるんだけど会ったことがないという不思議な環境下なんですけど、ざっくばらんにお話しをさせてもらいました」という。
特に共感したのは、先輩からの“指導”手法だ。「桑田さんは、やっぱり根性論で練習とか受けてるんですよ。受けてる方は『これじゃダメなんじゃないか』と思いながらやってるので、次世代にはそういうことじゃなくて理論的にしていったほうが、より建設的だなっていうのが分かりますよね。桑田さんは若い時から理論派だったと思います」と認識。
一方、東山自身は「僕らの時代は『俳優は“不良生感度”が必要だ』と言われてたんです。要は悪っぽく見えるということなんですけど、松方弘樹さんによく『ヒガシは本当に不良生感度がない』と言われても、どうやっても僕は不良生感度が出ないんですよ! どんな悪いことしても(笑)。なので、究極に真面目なほうがいいとなって、ストイックな道に行くわけですね。それが僕にとっての生きる道の1つだった」と振り返り、「そういう先輩たちの考えがあって、違う道も確立しなきゃいけないと思ったんです。そのへんは、自分の中の考え方の(桑田氏との)共通項としてあったなと思いました」と分析した。
今回の放送では、異例とも言える野球シーズン中に、桑田氏の自宅での取材を敢行。桑田氏のこれまでの野球人生を表すコレクションとともに、当時の知られざるエピソードが公開されるほか、桑田氏・Matt・東山のスリーショット鼎談では、Mattを育てた桑田氏の「個性を伸ばす教育」として、テレビで初めて明かされる親子の貴重なエピソードも語られる。
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