東京商工リサーチは9月9日、「新型コロナウイルス」関連破たん状況(9月9日16時現在)を発表した。それによると、「新型コロナ」関連の経営破たんは、負債1,000万円未満も含めると全国で累計2,059件に上った。

飲食業の破たん、351件に

  • 都道府県別破たん状況(負債額1,000万円未満含む)9月9日16時現在(出典:東京商工リサーチWebサイト)

負債1,000万円以上の「新型コロナ」関連経営破たんは、累計1,952件(倒産1,847件、弁護士一任・準備中105件)発生。月別では、2021年に入り、2月122件、3月139件、4月154件と、3カ月連続で月間最多を更新。5月は124件と2021年1月以来4か月ぶりに前月を下回ったものの、6月は過去最多の155件、7月は140件、8月も124件発生し、7カ月連続して月間100件を超えた。9月も9日までに58件が判明し、高い水準が続いている。

都道府県別にみると、10~20件未満が19県、20~30件未満が8県、30件以上は16都道府県に拡大。最も多いのは東京都の450件で全体の約4分の1(構成比23.0%)を占め、次いで大阪府215件、神奈川県94件、愛知県88件、兵庫県81件、福岡県79件、北海道72件と続いた。

業種別では、来店客の減少や休業要請などの影響を受けた飲食業が351件で最多。以下、建設業が187件、アパレル関連(製造、販売)が163件、宿泊業が94件、飲食料品卸売業が92件と続いた。

負債額別(判明分1,919件)では、1,000万円以上5,000万円未満が一番多く705件(構成比36.7%)。負債1億円未満が半数以上の1,055件(同54.9%)を占める一方、100億円以上の大型倒産も6件発生している。

同調査では、「コロナ関連の金融支援策は継続するが、業績不振が長期化し、過剰債務の問題も浮上している。息切れや事業継続をあきらめて破たんに至る小規模事業者を中心に、コロナ関連破たんは今後も高水準で推移するとみられる」と予想している。