SDGsの意識が浸透しつつある昨今、東京都・新宿にある無印良品の店舗「MUJI 新宿」が、環境・社会課題に取り組む旗艦店としてリニューアルした。規格外の商品を割安で購入できる「もったいない市」を常設したり、無印良品の古着を活用した商品「ReMUJI」を5000着以上販売したり、SDGsを意識しながら私たちが楽しみやすい売り場を展開している。

  • MUJI新宿が環境・社会課題に取り組む店舗にリニューアル! SDGsな楽しみ方とは?

これからのくらしを考える店舗へ

2007年、衣服雑貨に特化したデザイン店舗としてオープンした「MUJI 新宿」。"これからのくらしの中でより良い社会にしていく為になにが出来るのか。そんなことを見つけるきっかけになる店舗へ生まれ変わった"とのこと。

同店では新宿の街の未来を考え、"ゴミがない安心できる活気にあふれた街"を目指して3Rの推進や多様性などを意識した店舗づくりに取り組んでいくという。

  • 店舗のコンセプト

お財布にもうれしい! 3Rを意識した商品やサービス

中でも注目したいのが、3Rを意識した商品展開やサービスだ。

無印良品の古着を使った「ReMUJI」は5000着以上を展開し、古着を染めて新たな商品として生まれ変わった「染めなおした服」(1,990円※2,900円から値下げ)、洗ってきれいにした「洗いなおした服」(990円)、ほつれや破れがあった服をつなぎあわせた「つながる服」(3,990円)といった商品を販売している。

  • ブラックの「染めなおした服」は「MUJI 新宿」限定

それから、規格外の商品を割安で提供する「もったいない市」の常設もこの店舗唯一の特徴。大型家具をはじめ、白磁器など購入しやすい価格帯の商品も展開していて、見ているだけで楽しい。

  • 「もったいない市」は家具から生活雑貨まで幅広い品ぞろえ

家具や食器の修理、衣料品から食料品、保冷剤やかけた食器まで幅広い商品を回収するサービスも扱っており、これらもReMUJIで商品化したり、再利用したりと3Rのサイクルにのせてくれるそうだ。

店内のレストランでも、店頭販売のみだったデリメニューをパック詰めで販売したり、野菜や果物の皮などの廃棄食材をコンポストしたりするなど、徹底したフードロス対策を店舗自ら実践している。

  • デリはパック詰めも販売、持ち帰ることが可能だ

また「古紙になるはずだった本」(インターネットでの販売が難しく、古紙回収へと回る本を次の読み手へつなぐ取り組み)も店舗の特性に合わせてデザインにまつわる本をラインナップしている。

  • 古紙に回されるものだったとは思えない商品が多数展示されていた

性別や体型を問わないデザイン「MUJI Labo」も

さらに"取り扱っている店舗がほとんどない"と言われる「MUJI Labo」の商品も多数販売されていた。「性別や年齢、体型に関係なく着用できるサイズ感」「シンプルでそぎ落とされたデザイン」が特徴の洋服で、多様性を意識したラインナップだ。

  • 性別や体型を問わないデザインの「MUJI Labo」

多様なバックグラウンドを持つ客に対応できるよう、男女共用トイレの設置や車いすのアテンドサービスも実施。手話や多言語対応が可能なスタッフも配置されている。

社会課題に向き合ったイベントも開催

無印良品最大のIDEE売り場を設置し、地域の作家・クリエイターを招いたイベントも展開するという同店。

近隣の店舗や新宿区などと話し合いを続けながら、街の活性化を目指したイベントも予定しているという。

  • 無印良品最大のIDEE売り場

「新宿は事業所も多く、多くのものが消費され生産される街だと捉えている。コロナ禍で人が減った新宿の街に活気を取り戻し、新宿の街の見え方を変えていくことを最終目標に、ごみの問題に関してもイベントやボランティア活動についての話を進めている」(永戸順也 店長)。

今後の展開も楽しみな「MUJI 新宿」、ぜひ訪れてみてはいかがだろうか。