NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は9月9日、6月25日の第1回に続き、2回目となる同社の「ワークスタイル変革」 の取り組みを説明した。

今回はコンタクトセンター(インフラ保守センター)での取り組みだ。

同社は新型コロナウィルス広がり始めた当初からテレワーク勤務を実施し、現在も8割以上の社員がテレワークを継続している。同社では、ワークスタイル変革をきっかけに、仕事のやり方が変わり、データで現状を把握し、データ分析に基づく経営判断を行うデータドリブン経営を目指している。

  • ワークスタイル変革の先に目指すもの

インフラ保守センターは、同社が提供する法人向けサービスの運用保守業務を担当し、24H365日のサポートで、800名ほどの人員がいるという。

  • インフラ保守センターとは

  • コロナ禍以前の密状態のインフラ保守センター内

同センターでは2020年2月~基本的な感染対策の実施、翌月から他拠点とのリスク分散を図るなどの対策を行ったが、職場が常時密な状態であったことから、従業員から不安の声が上がり、2020年7月から在宅勤務を導入した。

在宅勤務の導入するにあたっては、セキュアドPCの活用と日々の従業員教育を実施したという。

セキュアドPCでは、暗号化されたHDDの採用、SSL-VPNでの接続、情報のダウンロードができないという制限を行った。

従業員教育では、着任/ 離任時の誓約書提出、定期的な研修の実施、セキュリティ事例の社内共有を実施した。

  • 在宅勤務の導入のための準備

また、自宅環境を整えるため、大型モニター、PC(セキュアドPC端末)、ヘッドセットの貸与を行っている。

  • 自宅環境の整備

そして、現在は約60%の在宅勤務の実施している。実施できていない業務としては、緊急対応で、関係者が集まって対応したほうが効率が良い場合、顧客の現場でチェックしながら対応する場合などがあるという。

在宅勤務導入の結果、業務プロセスの変化もあり、夜勤者から日勤者への引継ぎは、以前はデジタルとアナログ(紙)の併用っだtが、現在はすべてデジタルによる引継ぎになり、年間約3万6,000枚の紙の削減になったという。

また、故障受付チャネルも電話中心だったものが、新たにWebのポータル画面を提供。ポータル画面では、顧客自身で調べる機能も提供した。

そのほか、以前は故障時はオフィスへ行ってからサポートしていたが、現在は家から遠隔でサポートできる環境を整えている。

  • 業務プロセスの変化

一方今後に向けての課題としては、従業員の体調や稼働状況(忙しさ)の把握が難しい点、家に家族がいると働きづらい点、大規模故障時の対応は現場に集まる必要がある点などがあるという。

  • 今後の課題

稼働状況可視化については、待機中、対応中などの時間を集計し把握することを実験中で、自宅環境については、サテライトオフィスなど、働く場所の選択肢拡大も検討するという。

そのほか、AIとBigデータの活用による顧客動向の可視化とセルフ化、AIの活用による故障予知・防止・自動復旧にも今後は取り組んでいくという。