富士通は9月9日、以前から提供しているプライベートクラウド型仮想デスクトップサービスに、新たにパブリッククラウド型仮想デスクトップサービスを加えて「Fujitsu 仮想デスクトップサービス FJDaaS(以下、FJDaaS)」として提供開始することを発表した。
今回新たに提供を開始するパブリッククラウド型仮想デスクトップサービス「Fujitsu 仮想デスクトップサービス FJDaaS with Citrix Cloud(FJDaaS with Citrix Cloud)」は、マイクロソフトの仮想デスクトップ「Azure Virtual Desktop(AVD)」と、仮想環境を管理するシトリックス・システムズのソフトウェア「Citrix Cloud」とを組み合わせたものだ。これによって、利用者数の拡大や仮想デスクトップの性能変更に柔軟に対応するとともに、管理および運用の最適化を実現する。
コロナ禍において、テレワークに対する市場ニーズが継続している。また、テレワークの加速に伴って、VPNのひっ迫が課題となっており、VPNを経由せずにアクセス可能なパブリッククラウド活用に対する需要も高まっている。
そこで同社は、仮想デスクトップサービスを総称した新ブランドとして「FJDaaS」を立ち上げ、既存の2つのプライベートクラウド型仮想デスクトップサービスに加えて、AVDおよびCitrix Cloudを組み合わせた「FJDaaS with Citrix Cloud」の提供を開始するという。
同社は、働き方改革の実践知とテクノロジーを融合させたソリューション群「FUJITSU Work Life Shift」のSmart Workingカテゴリーのラインアップとして、「FJDaaS」を提供することによって、顧客のテレワーク導入をさらに支援していく。
なお、新ブランド「FJDaaS」の立ち上げに伴って、従来の2つのプライベートクラウド型仮想デスクトップサービスである「FUJITSU Managed Infrastructure Service 仮想デスクトップサービス V-DaaS」および「FUJITSU Managed Infrastructure Service 仮想デスクトップサービス VCC」はそれぞれ、「Fujitsu 仮想デスクトップサービス FJDaaS-V(FJDaaS-V)」、「Fujitsu 仮想デスクトップサービス FJDaaS-C(FJDaaS-C)」と改称する。
FJDaaS with Citrix Cloudは、シトリックス・システムズが提供する、最新のクライアント仮想化ソフトウェア(SaaS)「Citrix Cloud」の仮想デスクトップ管理コンポーネントで、ログオン管理や利用者と仮想デスクトップの関連付けなどを行い、ADVを利用できるようにするという。
これによって、利用者自身で仮想デスクトップのリソースを自由に変更可能となるため、ユーザー数や利用する仮想デスクトップの性能を柔軟に変更できるようになる。また、以前からMicrosoft Azureを利用している利用者は、そのリソースを活用してAVDが利用可能であり、導入や利用コストの削減と運用負荷の軽減が期待できる。
FJDaaS-Vはヴイエムウェアの「VMware Horizon DaaS」で仮想デスクトップ基盤を構築している。型決めされた仕様によって、最短1カ月程度で利用を開始できる。また、管理者ポータルを用いて利用者自身が仮想デスクトップの管理、運用や性能変更を実施することで、急な業務要件の変更や利用者ニーズに即時対応できるという。
また、FJDaaS-Cはシトリックス・システムズ「Citrix Virtual Apps and Desktops」で仮想デスクトップ基盤を構築している。複雑になりがちな仮想デスクトップの展開や設定変更を富士通のエンジニアが実施することで、利用者のシステム管理の負荷を軽減するとしている。高度なグラフィックス処理を可能とするvGPUなどを利用した、より高性能な仮想デスクトップも利用可能である。
100IDを購入した場合の1IDあたりの価格は、FJDaaS with Citrix Cloudが月額7750円から。同様に、FJDaaS-VおよびFJDaaS-Cの価格はそれぞれ、月額3940円からと月額5000円から。