歌手のDream Amiが、9月9日に開幕する『#チャミ』でミュージカルに初挑戦。その稽古で、演技の楽しさを日々感じているという。ソロ活動に専念してから約4年、殻を破って自分の世界を広げようと大きな一歩を踏み出した。

  • Dream Ami 撮影:蔦野裕

『#チャミ』は、韓国発の癒やし系コメディミュージカル。平凡な主人公チャ・ミホと、彼女のSNSの中に存在する完璧な自分・チャミ(@CHA_ME)の物語をユーモラスに描く。ともにミュージカル初挑戦の剛力彩芽とAmiがダブル主演を務め、ミホとチャミの二役を交代で演じる。

Amiは、ミュージカルを見るのは好きでさまざまな作品を観劇してきたが、「楽しそうだけど大変そう。きっと私にはできない」と思い、「ミュージカルやってみたら?」と声をかけてもらっても踏み出せなかったという。

だが、「今までやってこなかったことに挑戦したり、苦手だったことを克服したりして、殻を破りたい」との気持ちが芽生え、「演技もずっと苦手だと思っていたけれど、自分の中で勝手に限界を決めていたら成長が止まってしまう」と演技にも挑戦してみたいと考えるように。そのタイミングで『#チャミ』のオファーを受け、「やるしかない!」と出演を決意した。

これまでも、ドラマにゲスト出演したり、短編映画『色のない洋服店』で主演を務めたり、演技経験はあるものの、楽しむまでにはなれなかったという。「演技といっても、そんなにしっかり演技をする機会がなかったので。本格的な演技は今回が初めてという気持ちです」

稽古の感想を尋ねると、「自分でもびっくりしているんですけど、めっちゃ楽しいです!」と笑顔を弾けさせ、「演技自体も楽しいと思えているし、このカンパニーが素晴らしくて、スタッフさんもキャストの皆さんも演出家さんもいい人ばかりで、毎日稽古場に行くのが楽しみです」と話した。

そして、「演技の手ごたえはまだ感じられていませんが、もっとやってみたい、もっとこういう風にしたいと、演技に対する欲が出てきました」と意識の変化を告白。「演出家の方が褒めてくださると、それが自信になって、これでいいのかなと思えています」と少しずつ自信をつけているようだ。

歌とダンスの楽しさも改めて感じているという。「コロナになってからステージに立つこともなく、レッスンしかしていない状況だったので、やっぱり歌うのって楽しいなと思いました」。また、「みんなで一つのことを作り上げるのは楽しいなと、それも改めて感じています。私は小さい頃からずっとグループでやってきたので、その居心地の良さは、やっぱそうだよなってすごく思います」とも話した。

ミュージカル初挑戦にして、一人二役。「覚える量でいうと大変ですが、大変さより楽しさのほうが勝っていて、むしろ二役やらせてもらえてありがたいなと。喜びも楽しさも2倍ですし、この作品は素晴らしい楽曲がそろっていて、二役やっているからこそ全部歌える。1役だったら、あの曲歌いたかったなという思いが絶対あったと思いますが、どちらも歌えるのはうれしいです」と喜んでいる。

歌とダンスを生かせるミュージカルはAmiが輝ける場所になるのではないかと今後が楽しみだが、Ami自身、「そういう場になったらいいな」と期待。「この作品が最終的にどうなっているかというのが分岐点になると思います。自分の気持ちもそうですし、ほかの作品でも呼んでもらえるのかというのもそうですし。でも、初めてがこの作品で本当に良かったです。嫌だなと思う現場だったら、またやりたいと思えなかったと思うので」と話した。

「自分が完璧な人間になれたら」という考えから始まる本作にちなみ、自分の変えたいところを尋ねると、ミホのように「人と自分を比較して自信をなくしてしまうところ」と回答。「自分はダメだな」「あの人みたいになりたい」とよく思ってしまうそうで、「全然自信がない。褒めてもらっても裏の意味あるんだろうなと思ってしまって。自己肯定感を高めて自信を持って生きられるようになりたい」と願っている。

逆に自分の好きなところは「B型なところ」とのこと。「実際そうなんですけど、『B型っぽいね』ってよく言われるんです。あまりいい意味で言わないと思いますが、私は褒め言葉に聞こえて、マイペースで自分の世界があるってすごく良くない!? って思うので、好きです」と説明し、「自分的には周りに合わせているつもりだし、それなりに悩みもありますが、そう見えないのはいいことだなと思っています」と笑った。