いざ取り組もうと思っても、挫折してしまいがちな「節約」。忙しくストレスフルな日々の中でさらに節約もしようというのは、案外大変なことですよね。
そこで今回は元浪費家でありながら節約に目覚め、1000万円を貯めることができたという「くぅちゃん」さんにインタビュー。無理をせず、自然に貯まる節約術についてお聞きしました。
くぅちゃん
会社員の夫、中1、小4の2人の息子の4人家族。都内在住。共働きにもかかわらずお金がちっとも貯まらず、子どもの教育費など将来に不安を感じ、節約に目覚める。「時短節約家」として注目を集め、テレビや雑誌に登場多数。インスタグラムはフォロワー数11万人超。新著に『節約主婦の今すぐ真似できる1000万円貯蓄』がある。
節約の基本は「無駄を省く」「優先順位をつける」
――もともと浪費家だったというくぅちゃんさん、なぜ節約を始めようと思われたのですか?
独身時代は、自分のお給料の一部を家に入れて残りは全部使い切ってしまうというほどお金を使うのが大好きで、結婚してからも"働いてさえいればお金のことはなんとかなる"と思っていました。でも子どもが生まれてからは、勤務時間が減って収入が下がり、将来の教育費などを考えると節約する必要があると考えるようになったんです。
ただ、もともとお金を使うのが大好きだったので、お金を使わない生活が最初は想像できなくて、すごくストレスでした。節約のために出費を抑えても、それがストレスとなり反動でお金を使ってしまう……そんな失敗を繰り返していました。
――そんな中、節約するためにまず始めたのはどんなことですか?
自分が普段どれくらいお金を使っているのかを書き出して、支出のパターンを把握することから始めました。お財布、クレジットカード、すべての支出をチェックして、知らない間に出て行っているお金や無駄な支出を省いていきました。買い物や生活様式のパターンを知ることで「必要以上にコンビニで買い物をしすぎているな」など無駄な支出がわかってくるんです。
また、私は行きたい場所ややりたいこと、目標を「やりたいことリスト」にまとめています。限られた収入の中で支出の優先順位をつけることで、例えば"好きなアイドルのコンサートのためにコンビニスイーツを我慢しよう"と、節約のモチベーションも上がります。
貯めたお金を何に使うか「大きな目標」と「小さな目標」を作るのも効果的です。例えば大きな目標として旅行を設定したり、小さな目標として料理が楽しくなるようなキッチングッズや家電の購入を設定したりして、適度にご褒美を用意しておくとストレスをためずに済みます。
失敗にとらわれず小さな成功を継続すれば、ストレスなく貯められる
――くぅちゃんさんは最初から貯蓄1000万円を目標に節約を始めたのですか?
最初の貯蓄目標は月10万円。節約3~4年目には年100万円の貯蓄が軌道に乗ってきたので、1000万円を目指すようになっていきました。
初めから「1000万円を貯めよう」と思うと無理だと感じてしまうし、目標金額が高く、失敗体験が続くと、節約自体が嫌になってしまいます。目標金額を低めに設定して成功体験を積みつつ、ちょっとずつ金額を増やしていくのがオススメです。
私の場合、小さな成功を繰り返しているうちに少しずつお金に余裕が出てきて、保険料を年払いに、車もローンではなく現金一括で購入できるようになり、投資でお金を増やすこともできるようになっていきました。払わずに済むようになったお金が増えたことで、貯蓄が増えるスピードも増していったんです。
だから、最初は焦らなくても大丈夫。無理をせず、ちょっとずつ貯められる暮らしを続けていけば、ストレスなく自然とお金が貯まるようになりますよ。
くぅちゃんオススメの節約法は?
――くぅちゃんさんはInstagramや書籍でたくさんの節約術を紹介されていますが、中でもオススメの節約術は何ですか?
"買わない"節約よりも、毎月決まって支出される固定費を減らすことを意識するといいと思います。クレジットカードを整理して年会費を節約する、スマホは格安スマホに変える、保険を見直す、電気・ガス会社の乗り換えを検討する、もっと言えば引っ越して家賃を下げるというのも一つの方法です。
あとは意外かもしれませんが、断捨離もオススメです。
――それが節約につながるのですか?
例えば節約を始めたころ、洋服がパンパンに詰まっていたクローゼットを断捨離したことがあったのですが、いつ・どこで・なぜ買ったのかわからない洋服ばかりが出てきて「こんなものにお金を使っていたのか」とすごくもったいない気持ちになりました。
お小遣いを貯めて買った思い入れのあるモノ、気に入って悩みに悩んでちょっと高いけれど買ったモノは、より長く大切に使えるという点でコスパが良いですよね。それ以来、モノを買うときには「これは何回使うかな」「何年先も使っていたいと思うかな」といったん考えるようになり、すぐに買わない習慣がつくようになりました。
片づけをすることで物欲が減って、節約につながるのではと思っています。