最近よく耳にする「今日も今日とて」という言葉ですが、正しい意味や使い方を把握しているでしょうか。なんとなく言葉の響きから意味を推測できるかもしれませんが、くわしく理解している人は少ないはずです。

この記事では、今日も今日とての意味や使い方について解説します。また、類語表現や例文についても触れていくので、適切に今日も今日とてを使えるようにしましょう。

  • 今日も今日とての意味について

    今日も今日とての正しい意味や使い方をマスターしましょう

今日も今日とての意味について

アニメなどでも使われる表現である今日も今日とての意味は、「いつもと変わらない様子、今日も同じような1日」です。昨日と同じような今日ということで、代わりばえのない毎日を表現しています。

この表現はアニメなどの作品上でも使われていますが、有名な古典文学にも登場しており、昔から使われてきた表現です。語呂のよさから、漫画や小説、ブログなど幅広く使用されるようになっています。

■「とて」について

古文で使われていた用法である「とて」ですが、今日も今日とての場合は係り助詞的な使い方がされています。この場合は、ある事実が例外ではないことや一般的な場合に含まれていることを意味しています。そのため、今日という日は例外ではないという意味になり、「いつもと変わらない今日」といった表現になっているのです。

■悪い意味で使われる言葉なのか?

いつもと変わらない日々を表しており、なんとなくものうげな雰囲気を感じるかもしれません。ただ、この言葉自体は悪い意味は含んでおらず、使い方によってはプラスの意味を表現することもできます。単に毎日変わらないということを意味し、使い方次第ではマイナスにもプラスにもなるということを把握しておきましょう。

  • 今日も今日とての意味について

    いつもと変わらない毎日を表現する言葉で今日は特定の日を指しているのではない

今日も今日とての類語をチェックしましょう

今日も今日とての意味がわかったところで、似ている意味を表す類語について解説します。適切な言い換えができるように、いくつか類語を把握していきましょう。

■「明けても暮れても」

太陽が毎日変わらずに登ったり沈んだりする様子から、変わらない毎日を表現している言葉です。毎日起こることを意味している点では今日も今日とてと相違なく使えますが、比喩的な表現である点が異なります。

また、太陽が昇ってから沈むまでの出来事を連想させるので、1日中何かをしている様子や状態を表すのに適しています。例えば「明けても暮れても部活の練習に励んだ」などと使うのが一般的です。

■「代わりばえしない」

いつもと変わらないという意味をもっていますが、変化のないことに対して退屈だと感じている場合に使われる傾向があります。今日も今日とて自体にはマイナスな意味は含まれていないので、言い換える際にはどのように変わらない毎日を表現したいのかを考えるといいでしょう。

■「来る日も来る日も」

毎日のように同じことが繰り返されている状態を意味し、どちらかといえばマイナスな意味あいで使われます。毎日何かに打ち込んでいるのに報われないといった使い方が一般的で、「来る日も来る日も練習に励んだがレギュラーにはなれなかった」などと使います。

ポジティブな意味で今日も今日とてを使う文章を言い換える際には、好ましくない表現かもしれません。変わらない毎日に対して、どのような表現にしたいのかを考えてみてください。

■「ルーティン」

ルーティンは毎日決まっているタスクや日課、決定されている一連の動作や作業のことを表しています。今日も今日とてはフラットな意味あいで使うことができるので、プラスの意味もマイナスの意味をもたせない使い方であれば同じようなニュアンスを表現できることでしょう。

また、ルーティンは単語で使うよりも、他の言葉と組みあわせて使うことが多い言葉です。「ルーティンワーク」や「モーニングルーティン」など定型的な表現が決まっています。ルーチンということもあります。

  • 今日も今日とての類語をチェックしましょう

    似ている意味をもつ言葉を把握して適切な場面で使いわけられるようにしましょう

今日も今日とての使い方を例文と一緒にチェック

ここからは今日も今日とてを使う場面ごとに例文を見ていきましょう。この言葉自体ではプラスの意味もマイナスの意味ももたないので、使い方によってニュアンスを変化させることができます。変わらない毎日をどう表現したいのかを考えて、使ってみましょう。

■代わりばえのない毎日を表現するとき

単に毎日変わらない様子を表現することもできます。「今日も今日とて仕事に行きます」「今日も今日とて朝ごはんはパンです」のように、日課になっている行動を表しましょう。自分の行動や日常の様子を表したいときに、事実を並べてみてください。

■ポジティブな使い方をしたいとき

ポジティブな意味あいをもたせたいときには、プラスの意味をもつ文章と一緒に使いましょう。「今日も今日とて幸せだった」「今日も今日とて母の手料理はおいしかった」など、日常生活で幸福に感じていることを表現してみましょう。変わらない日常に喜びを見出していることを表せます。

■ネガティブな使い方をしたいとき

反対にネガティブな意味あいをもたせたいときには、マイナスな印象をもつ文章と一緒に使いましょう。変わらない毎日に退屈していたり、嫌な日々が続いていたりするときにも使えます。「今日も今日とて仕事で失敗した/今日も今日とて好きな人に会えなかった」など、憂鬱な気持ちを表すことができます。

  • 今日も今日とての使い方を例文と一緒にチェック!

    今日も今日とては一緒に使う文章や表現方法によって印象を操作できる言葉です

今日も今日とてを使うときの注意点について

それでは、今日も今日とてを正しく使うためにおさえておきたいポイントを解説します。日常会話で頻繁に使うことが少ない言葉だからこそ、しっかりと使い方を把握しましょう。

■自分の行動を対象にすることが多い

自分が毎日変わらず行っていることや、自分の日課を対象に使うことが多く、相手の動作を表現するのはいささか不適切です。誰かにとって変わらない日常であるかどうかは判断しづらく、自分の日常についてしかわからないことでしょう。そのため、「あなたは今日も今日とて仕事に行く」という使い方はせず、基本的には自分の行動を対象にして使います。

■この言葉だけではよい印象も悪い印象も与えない

今日も今日とて自体にはプラスの意味もマイナスの意味も含まれていません。どこかものうげな印象を受けるかもしれませんが、「毎日変わらない」といった意味しかもっていないのです。

もし、プラスの印象やマイナスの印象をもつ文章にしたい場合は、今日も今日とてに続けてプラスの意味やマイナスの意味をもつ文章を使いましょう。使い方次第で印象が変わる言葉なので、どう使いたいのかを考えてみてください。

■次に続く文章を強調するために使う

今日も今日とてはフラットな表現ですが、続く文章を強調する作用をもっています。プラスの意味をもつ文章を続ければ、変わらない日常に対するプラスな気持ちを強調することができます。マイナスの意味をもつ文章をつなげた際もしかりです。

そのため、変わらない毎日に対する気持ちや印象を強く表現したいときに使える言葉なのです。

  • 今日も今日とてを使うときの注意点について

    今日も今日とてで表現できるのは自分の行動なので誰を主語にするかを考えましょう

今日も今日とての英語表現は?

古文的な表現ですが、実は英語で表現することもできます。ただ、どのようなニュアンスで使いたいのかによって使いわける必要があります。例文と一緒に紹介するので、英語での表現方法もマスターしていきましょう。

■ day after day

「来る日も来る日も」のニュアンスに近く、毎日続く日課に退屈さを感じている場合に使います。「Day after day, I go to school」と使えば、毎日学校に行くことに退屈や憂鬱を感じていることを表現できます。

■ everyday

もっとも使いやすい表現ですが、単に「毎日」というだけの言葉です。日課的なことを表現したい場合や、ただ日常的なことを表したいときに使ってみましょう。「I eat breakfast everyday」とすれば、毎日朝食を食べるのが日課だということが伝わります。

■ day in and day out

「明けても暮れても」のニュアンスに近く、1日中作業しているときなどに使えます。「Day in and day out I`m busy」とすれば、いつも忙しくしている様子を伝えられます。

どの表現も今日も今日とてに似た意味で使われますが、少しずつニュアンスが異なるので、どのような表現にしたいかによって使いわけることをおすすめします。

  • 今日も今日とての英語表現は?

    英語で表現する方法もあるのでどう日常を表現したいか考えましょう

今日も今日とてを使って詩的な文章に

アニメや漫画、小説などでよく使われている今日も今日とてという表現は、古くから使われてきた言葉です。古文的な要素をもっていますが、語呂のよさから創作作品で使われることが増えてきました。

どこかものうげなニュアンスを感じさせますが、この言葉自体はフラットな意味で使われ、マイナスにもプラスにも働きません。ただ、つなげる文章によって、ポジティブにもネガティブにも変化するので、変わらない毎日をどう表現したいのかを考えてみてください。

言い換え表現も一緒におさえておくことで、変わらない毎日の表現に深みが出ることでしょう。古くから使われてきた表現を使って、詩的な文章を完成させてみましょう。