「つまるところ」は「結局、要するに」という意味で、ビジネスシーンでも使うことができます。しかしきちんと意味を理解できずに会話で使っていると、知らないうちに相手に不快な気持ちを与えてしまうかもしれません。本記事では正しい「つまるところ」の使い方や例文をご紹介するので、日常会話やビジネスシーンでも活用していきましょう。

  • 「つまるところ」の意味・語源・漢字表記

    「つまるところ」の正しい意味や使い方をわかりやすく説明します

「つまるところ」とは

「つまるところ」は、それまでしていた話をまとめるときに使う言葉です。同じような意味で「つまり」がありますが、意味の違いや使いわけについてくわしく知っていますか? まずは「つまるところ」の意味や「つまり」との違いをしっかりと理解しましょう。

「つまるところ」の意味

「つまるところ」は「つまり」の類義語です。どちらも物事の終わりを意味する「詰まる」から派生しており、それまでの話をまとめるときに使います。他にも話や提案の核心に迫る際、相手の言葉を言い換える際にも使われます。

「結局」と同じニュアンスを持っている言葉であり、論文などでも使用可能です。「つまるところ」は敬語ではありませんが、相手に丁寧な印象を与えることができます。結論を話す前に「つまるところ」と前置きすることで、話をまとめたり強調したりすることが可能です。ビジネスでの大切な場面やビジネス文書にも適した言葉と言えるでしょう。

「つまるところ」や「つまり」「結局」などをシーンや状況にあわせて使うことで、メリハリのある会話や文章にすることができます。

「つまるところ」の語源

「つまるところ」は「詰まる」という動詞が連用形で名詞になった「詰まり=つまり」の類義語です。「つまり」は行き止まりや隅、場所の終わりなどを意味します。

「詰まる」と聞くと、すきまなくものの入った様子やふさがった状態をイメージしがちですが、「長さや幅が短くなる・縮まる」という意味も持っています。これは、行き場がない状態であり、状況や内容を「縮める=要約する」という意味を表しています。

「つまるところ」の漢字表記

「つまるところ」を漢字で表記すると「詰まる所」となります。他にも「詰まるところ」「つまる所」と表記されることもありますが、「つまるところ」と平仮名で表記するのが一般的です。

  • 「つまるところ」の例文をご紹介

    結論を述べる前に「つまるところ」を使うと、伝えたいことを強調できます

「つまるところ」の使い方・例文

「つまるところ」の意味がわかってきたところで、実際の例文からビジネスシーンで使っているところをイメージしてみましょう。より「つまるところ」の使い方の理解が深まります。

「つまるところ」のビジネスシーンでの使い方・例文

「つまるところ」は、試行錯誤の結果や、今までの話をまとめて結論を述べる場面で使われることが多い言葉です。ビジネスシーンでは、「つまるところ~ます/です」というようにそれまでの話を簡潔にまとめることができます。例文を使って説明します。

結論を述べる「つまるところ」の例文

・プロジェクトに遅れがでているのは、つまるところスケジュール管理が疎かになっていたからだと思われます

・つまるところ、売り上げを伸ばすためには顧客の目にとまるようSNSのデザインを改善する必要があります

他にも相手の言葉を「つまるところ」で言いかえる場合にも使うことができます。例文を会話形式で説明します。

言いかえるときに使う「つまるところ」の例文

A: 仕入れ先の○社の部品は、品質に問題はないが重さが懸念だ。より軽い部品を取り扱っている仕入れ先を検討している
B: それはつまるところ、○社とは取引をやめるということですか?

話をまとめたり、相手の意見を言い換えたりできる「つまるところ」ですが、会話の中での多用には注意が必要です。「つまるところ」は話の核心に迫る場面で使われるので、何度も使用すると大げさに感じてしまう可能性があります。

また、「つまり」よりも丁寧な印象を与えることができる「つまるところ」ですが、目上の人や先輩へ使う場合は注意が必要です。使い方やタイミングによっては、上司の話を勝手に要約したイメージを与えてしまう恐れがあるからです。話の流れで内容をまとめる必要がある場合は、「恐れ入りますが、つまるところ~」のように前にクッション言葉を使うことで印象を和らげられます。

  • 「つまるところ」の類語

    ビジネスシーンでは、「つまるところ~ます/です」といった表現で使われます

「つまるところ」の類語・言い換え表現

「つまるところ」には多くの類語があります。それぞれ意味や使い方が異なるので、正しい意味を覚えて使いわけられるようになりましょう。

つまり

「つまるところ」と「つまり」は同じ意味を持っています。「つまり」は話の要約として使うので、「つまるところ」と同じく文章や意見の最後に用いられることが多い言葉です。「要するに」「結局」のように、話の要約としての意味と、別の言葉に置き換える「すなわち」のような意味を持っています。

ただし「つまり」は口語的な表現なので、ビジネスシーンよりも日常会話での使用が適しています。気兼ねなく、友人や親しい人との会話で用いられる言葉です。

すなわち

「すなわち」は前後を接続する「接続詞」です。話の前に述べた言葉を別の言葉で説明しなおす場合、「言いかえれば」や「つまり」と同じ意味の言葉として用いることができます。

会話でも文章やメール文でも失礼なく使用することができる便利な言葉です。結論を「すなわち」でつなぐことでわかりやすく会話をまとめることができます。他にも物事を別の観点から説明するときに「すなわち」を使うこともできます。

結果的に

「結果的に」は行為の結果として、最終的に至った様を意味します。「結果的に~になった」というように結果から見た状態や様子を表しています。

  • 「つまるところ」の英語表現は?

    場面や相手によって正しい言葉を使って、会話や文章をすっきりとわかりやすくまとめましょう

「つまるところ」の英語表現は?

「つまるところ」を英語で表現するとどうなるのでしょうか。「つまるところ」の英語表現を3例ご紹介します。

「after all」

「つまるところ」の英語表記は「~の結果として」という意味の「after all」が一般的です。友達や親しい人とのフレンドリーな会話でも、ビジネスの場でも「after all」を使用することができます。

「in the end」

「in the end」は「最後には、結局」という意味があります。色々なことを経て最終的な結論を述べる場面で使える言葉です。似ている言葉では、「~の終わりに」という意味の「at the end」があるので混同しないようにしましょう。

「ultimately」

「ultimately」は「最終的には」という意味があり、「in the end」に言い換えることもできます。「ultimate=最後の場所に来る」という意味の言葉が語源になっています。

  • 「つまるところ」は結論を述べるときに使う

    一般的な「つまるところ」の英語表記は「after all」です

「つまるところ」の意味は簡単にいうと「要するに」

「つまるところ」は結論を述べる際に前置きするような形で用いるのが基本です。敬語ではありませんが、ビジネスシーンや論文でも重宝する言葉です。話や提案の核心に迫る際に使用することで、伝えたい結論を強調できます。上手く活用して、わかりやすく説明しましょう。