あまりにコロナ禍が長引いたことで、当初は楽しんでいた自炊生活にもさすがに“飽き”がきてしまった。そんな気持ち、きっとわかってくれる人も多いだろう。
だが、ここにきてようやく気付いたことがある。美味しいものを作ろうとすると、どうしても手間がかかる。その手間を楽しめなくなってきたからこそ自炊からも遠ざかり、またコンビニ飯に頼るようになってしまっていた。ようするに、美味しい料理を作るのは、料理初心者にはちょっとハードルが高いのである。
そんなハードルを一気に下げてくれるのが、各食品メーカーが販売している調味料だ。筆者の場合は、味の素の調味料「Bistro Do」を使ってみてようやくその事実に気付いたのだが、意外にこうした調味料のお世話になっていない人も少なくないのではないだろうか。
そこで、片っ端からめぼしい調味料を実食してその真価を検証することに。今回はキッコーマン「うちのごはん」を試したみたぞ!
今回用意したのは、「うちのごはん」の中でもとりわけそのビジュアルに食欲がそそられた2種類。「すきやき肉豆腐」と「キャベツのガリバタ醤油炒め」だ。一種のレトルト食品とも言えるが、化学調味料も着色料も使っていないというあたりはかなり好感が持てる。
意外に優しい味に感動した「キャベツのガリバタ醤油炒め」
まずは「キャベツのガリバタ醤油炒め」をレシピどおりに試してみよう。
用意する材料は、
- キャベツ 中1/6(約200グラム)
- 豚バラうす切り肉(200グラム)
- サラダ油小さじ1
下準備はキャベツを一口大に切り、豚肉を5センチ幅に切るだけ。そして、フライパンでサラダ油を熱し、中火で豚肉に火が通るまで炒める。目安は約3分だそうだ。
おお~。肉が薄めだからあっという間に火が入っていく。以前作ってみた鶏肉と違って、このあたりは楽チンだ。
そのあとはキャベツを加えて、中火でやはり2~3分ほど炒める、と。
これくらいかな? だいぶしなしなしてきた気がする。普段なら、これに塩コショウを振って終わりにしているだろう。料理初心者の発想とは、そんなものである……。
ここでいよいよ、「うちのごはん」を投入!
ってあれ? なんだコレ。
あっ、2回分あるの!? よくみたら袋の表面に「2~3人前×2」と書かれていた。ってことは、1袋で4~6人前分作れるということだ。これは財布に嬉しい誤算である。
ということで、一回分をフライパンに投入。中火で約1分ほど炒めればOKだという。
調理時間約7分で出来上がったのが……これだ!
く~、ガーリックとバターの香ばしくて芳醇な香りがもうタマラン! さっそくいただきましょう。まずは肉から……
あっ、意外に優しい味なのか! 「ガリバタ」という響きから、かなりジャンクな味を勝手に想像していたが、尖ったしょっぱさやニンニクくささのようなものはあまり感じられない。化学調味料不使用だからかな?
キャベツもシャキシャキでよし。飽きずにいくらでも食べていられる。マイルドなバターの旨みとニンニクの香味がやわらかく主張し、それが豚肉やキャベツにもよく合って、とっても美味しい。ご飯と合わせて食べるなら、好みに応じて少しだけ醤油を足してもいいかもしれない。個人的には、2度目はニンニクを足して、もう少しパンチ力を加えたいところだ。
「すきやき肉豆腐」はアレンジして実食! アレンジ方法はもちろん……
続いては「すきやき肉豆腐」を試してみよう。こちらも化学調味料、着色料不使用で、なんと調理時間の目安はたった5分だ。
しかも、用意する材料もシンプルで、
- 木綿豆腐1丁(約350グラム)
- サラダ油大さじ1
以上。サラダ油は家に常備しているので、実質、スーパーで85円くらいで売っている豆腐だけ買ってくればいいわけだ。これは料理初心者にはとてもありがたい心遣いである。下準備はもちろん、豆腐を食べやすい大きさにカットするだけだ。
そして、フライパンでサラダ油を熱したら豆腐を入れ、両面を中火で3~4分焼く。冷蔵庫に余っているネギがあったので、ここで使ってしまおう。
あとは、「うちのごはん」を足して中火で1分間炒めるだけで完成。いや、早すぎだろ!
ということで、今回はもうちょっと捻りを加えてみることに。「すきやき肉豆腐」なので、やはりアレンジもソレっぽくしておけば間違いないはず。すきやきといえば、やっぱりコイツが必要だろう。
卵である。やっぱり卵がないと完成しないでしょ~、すきやきは。少し蓋をして蒸したら完成!
これは相当な自信作である。さぁ、冷める前にちゃちゃっと食べちゃおう。いただきます。
うん、めっちゃすきやき! 写真だけ見ると麻婆豆腐感が強いかもしれないが、味はしっかりとすき焼きだ。醤油のしょっぱさと砂糖の甘さが癖になる、あの高級和食である。う~ん、スーパーで買ったのは豆腐だけなのに、なんか贅沢感がスゴいぞ……!
卵も食べてみよう。うん、ふんわりと仕上がっている。
あっ、間違いない! これは美味い! やっぱりこのすきやきの調味料と相性バッチリ。冷蔵庫にあったネギと卵を足しただけだが、このアレンジによって、一気にすきやき感が増したはずだ。こちらも卵を追加したせいか、少し優しい味付けではあったが、これはこれでご飯が進む~!
というわけで、キッコーマンの「うちのごはん」は、優しい味わいとアレンジの奥深さが際立った優秀な調味料だった。アレンジの幅も広そうだし、いくつかストックしておくと自炊のハードルもグッと下がって料理も捗りそうである。
引き続き、他メーカーの調味料もどんどん試してみたい。