老後が見えてくる60歳までに1億円を貯めておきたいと考える人もいるでしょう。30歳の人が30年後にその規模の資産を手にするには、毎月いくら積み立てをすればよいのでしょうか?
銀行預金や投資信託で積み立てを行った場合のシミュレーション結果をご紹介します。
銀行預金の場合
銀行預金の定期預金の金利は、一部のネット銀行を除くと0.002%と非常に低いです。この条件において60歳で1億円を貯めるには、30歳から毎月およそ28万円を貯金する必要があります(税金・手数料は考慮しない)。
30歳時点で0円の場合のシミュレーションなので、すでにある程度貯金のある方はもう少し安くて済みますが、いずれにせよかなりの高収入でないと難しいでしょう。
貯蓄・資産運用に回せるのは、毎月の収入の10%~30%程度の人が多いでしょう。収入の20%を貯金するなら、月収が140万円ほどないと実現できません。
投資信託で年利3%のリターンを得る場合
投資信託はさまざまな銘柄があり、目標とする年利も多種多様ですが、株式や債券などで運用する一般的なファンドは3%が目安です。
この条件でシミュレーションをすると、60歳で1億円を貯めるには、30歳から毎月必要な積み立ては約18万円となります。
銀行預金の場合に比べると毎月の金額は10万円下がりますが、それでも収入の低い人には難しいでしょう。収入の20%を積み立てするなら、毎月90万円の収入が必要です。
※税金・手数料・信託報酬は考慮しません
※あくまでシミュレーション結果であり、将来の成果を保証するものではありません
年利5%の場合ではどうか?
株式が中心のファンドを選べば、年利5%のリターンを得るのも不可能ではありません。この条件の場合、必要な積み立ては毎月12万1,000円です。
収入の20%を積み立てするなら、毎月60万円の収入が目安となります。40代・50代以上なら実現可能な人も多いと思いますが、これでも30歳の人にとっては高いハードルです。
ただし夫婦共働きの場合、それぞれが毎月6万円ずつ出せるといった状況であれば実現できるでしょう。
※税金・手数料・信託報酬は考慮しません
※あくまでシミュレーション結果であり、将来の成果を保証するものではありません
30年で1億円を貯めるのは難しい
いくつかのシミュレーションを行いましたが、高収入の人でないと、30歳から30年で1億円を貯めるのは困難です。毎月の月収が高くない場合は、以下の選択肢があります。
・目標額を1億円より下げる
・年利5%より高いファンドを選ぶ
・株式などほかの投資を行う
どうしても1億円を貯めたいなら、上記の2つ目や3つ目の選択肢になりますが、どちらも投資のリスクがより高まることは十分に注意しないといけません。投資信託や株式など、金融商品について真剣に学んで投資を実践する必要があります。
株式投資などはハードルが高いと考えるなら、目標額を5,000万円などに下げるのが現実的ではないでしょうか? そもそも60歳の時点で本当に1億円がないとダメなのか、老後のライフプランについて改めて考えてみるのもおすすめです。