舞台『少年たち 君にこの歌を』の公開ゲネプロが4日に東京・新橋演舞場で行われ、 HiHi Jets(高橋優斗 ※高ははしごだか、井上瑞稀、橋本涼、猪狩蒼弥、作間龍斗)、美 少年(岩崎大昇 ※崎はたつさき、佐藤龍我、那須雄登、浮所飛貴、藤井直樹、金指一世)が取材に応じた。

  • HiHi Jets、美 少年

    HiHi Jets、美 少年

1965年から上演されていた”少年たち”シリーズを、2010年に大阪松竹座と日生劇場で復活させ、様々なアレンジを加えながら上演されている同作。これまでにKis-My-Ft2、A.B.C-Z、ジャニーズWEST、SixTONES、Snow Manなど若手ジャニーズが主演を務めている。少年刑務所を舞台に、“青”と“赤”2つの房に収監された少年達が互いの房に住む相手をライバル視し日々喧嘩に明け暮れる中、自由を求めて刑務所からの脱獄を決意する。

休憩なしの約2時間で上演された同作は全員が登場する新曲「Over Again」から始まり、歌・ダンス・ラップバトルなども盛り込みながら物語を展開。HiHi Jets、美 少年に加え、少年忍者(稲葉通陽、鈴木悠仁、川崎星輝 ※崎はたつさき、長瀬結星)も登場した。ショータイムではそれぞれのグループの楽曲に加え、光るサングラスをつけたメンバーが太鼓を叩き、上から水が落ちてくる「Crash Beat」のパフォーマンスが約8分にわたって繰り広げられた。

少年刑務所の入浴シーンでは、伝統だという「桶ダンス」が披露され、高橋は「(取材陣の)シャッター音がすごかったですね。カシャカシャカシャカシャって。伝統って怖いなと思いました」、作間は「僕が『左手〜右手〜ゴシゴシ〜』と仕切っていたんですけど、シャッター音が気持ち良かったです。やっぱり見えてないかヒヤヒヤしてますね、あのシーンは」と注目を感じていた様子。浮所は「あんな姿で立つ日が来るなんて、全員思ってなかったんじゃないかな。新鮮でしたね」、岩崎は「あの格好で袖とかを歩くと、怖いものがなくなるんです。『全裸でもいけんじゃね?』って」と感想を述べた。

高橋は「桶ダンスはA.B.C-ZさんとKis-My-Ft2さんが上演された頃からあるというのを聞きました。昨日河合(郁人)くんにちょうどお会いしまして、『会見なのでアドバイスください』と聞いたら、エビキス(A.B.C-Z・Kis-My-Ft2)が初めて上演する時に、1番最初に決まったのが桶ダンスなんだって」と裏話を仕入れてきたようで、メンバーも驚く。高橋は「ジャニー(喜多川)さんがめっちゃこだわってたらしいよ。『桶ダンスだけは絶対やるんだよ!』って、照明とかも人一倍こだわってたと。(河合が)『世代をまたいで桶ダンスが受け継がれてるのは、冗談なしにすごく嬉しい』と言ってて、僕たちも全力でやって、後輩に桶ダンスをやらせたいなと思います」と語った。

「もしジャニーさんが今回の桶ダンスを見たら何と言うか」という質問には、猪狩が「気分屋の方ですから、今見たら『何やってんだ』と怒る可能性もある」と予想しつつ、「でも、喜んでるんじゃないですか。『だって、ジャニーさんが始めたんでしょ』と言ったら、『ああそうでした』となると思うので、届ける気持ちで」と決意を新たにした。

同シーンでは「キュンキュンさせる一言」といった日替わりのアドリブシーンもあり、この日は作間と浮所が担当。浮所は「稽古が1番きつい。僕らとスタッフさんしかいないから、空気が重たかったですよね」と苦笑し、那須は「作ちゃん(作間)が僕を指名した時があって、『那須、おもしろいことやってくれ!』と」と無茶ぶりに抗議すると、作間は「全然、何も出てこなくて。頭をフル回転させて、1番緊張するシーンです」と明かす。また、猪狩が「僕たちのテーマでもあるんですけど、桶ダンスはどのくらいのキャラを重視してるのか。ゲネプロの段階でキャラクターが崩れてる! こいつがひどくて、誰よりも桶ダンスで声出してる。その直前のシーンまで優斗と殴り合ってるんですよ!?」と岩崎の役作りについて指摘すると、岩崎は「めちゃくちゃ桶ダンスが大好きって言う設定! 毎日練習してるけど、3日に1回しかみんなと合わせられないから、思いが爆発しちゃって(という設定)」と言い訳していた。

演出の滝沢秀明からの言葉について聞かれると、「ありすぎて……」としばし考え込んでしまうメンバー達。高橋は「最後に『Crash Beat』という演目があって、水が落ちて光で太鼓のシーンなんですけど、『あれができなきゃ芝居させないから』と言われました」と明かし、猪狩は「滝沢さんのCrash Beatにかける思いがすごすぎて。俺らが『芝居やったほうがいいんじゃないかな』という感じでも、『まずはCrash Beat、これやってからいくから!』って、熱量がすごかった。Crash Beatの指導の時は毎回いたんじゃないかな」と振り返る。

さらに「なかなか11人のスケジュールが合わなくて、振付師の方々が入ってくださってるリハ映像を見てたら、端から滝沢さんがノリノリで出てきた」(那須)、「しかもめちゃくちゃニコニコしてた」(橋本)と、続々と滝沢情報も。高橋は「滝沢さんがずっと稽古に立ち会って演出してくださるという経験が初めて。お芝居のシーンでも、任すところは任せていただくんですけど、『ここのシーンはこういうことを伝えたいんだ』という意図を説明してくださったり、密度の濃い時間を過ごさせていただいた。今まで感じたことのない新しい経験で、毎日勉強させていただいてます」と感謝した。

演出家・滝沢秀明について、那須は「怖いのかなと思ってたんですけど全然そんなことなくて、『ここ、もうちょっと声出したらいいんじゃない?』と提案する感じで優しかったです」と表す。一方で高橋は「ただ、『Crash Beatできなきゃ芝居やらないから』と言った時の目はガチでした」、猪狩は「眉毛がキッとしてました」とたたみかけた。

そんな滝沢について、レポーターが「水が落ちてくる演出、好きですよね」と指摘すると、メンバー達は「怒られる!」「聞いてますからね!」と騒ぎに。しかし高橋は「来たな、と思いました。水が来たときは『あ、これは滝沢さんの演出だ』と思いながら」と認め、「やってみるとすごいしっくりくるよね。僕たちでは思いつかない発想なので。Crash Beatが最初に決まってました」と暴露。猪狩は「ジャニーさんで言う『桶ダンス』みたいなものです」、高橋は「これから伝統にしていく勢いで」と宣言していた。