エミライは、FiiO Electronics(フィーオ エレクトロニクス)のUSB DAC内蔵ヘッドホンアンプ2機種を9月10日に発売する。価格はオープンプライス。店頭価格は、光/同軸デジタル出力付きでDDCとしても使える「K3ES」が14,850円前後、USB Type-C端子を採用した「E10K Type-C」が8,910円前後を見込む。
K3ES
USBバスパワーで駆動するコンパクトな据え置き型USB DAC内蔵ヘッドホンアンプ。先代モデルの「K3」(2018年発売)からDACチップをESS製「ES9038Q2M」に変更しており、従来の旭化成エレクトロニクス製「AK4452」と比べてSN比が14dB向上し、歪率は13dB低減。DACチップ変更にあたって回路設計を最適化し、「より低いノイズフロアと透明感のあるサウンド」を実現している。
XMOS USBレシーバーチップを搭載し、最大384kHz/32bitまでのPCMとDSD256(ASIOネイティブ)の再生に対応。内蔵のデュアルクリスタルオシレーターによってデジタルオーディオ信号を正確な状態でDACに入力でき、ジッターを低減して高音質再生を追求した。
入力はUSB Type-C。出力として光/同軸デジタル出力を装備しているため、デジタル入力付きのパワードスピーカーやアンプ、外付けデコーダーにK3ESを介して接続し、DDCとして使うこともできる。同軸デジタルは192kHz/32bit PCMに加え、DSD64(2.8MHz)のDoP出力に対応する。光デジタルは96kHz/32bit。このほか、シングルエンドのアナログライン出力を備える。
ヘッドホン端子は3.5mmシングルエンドと2.5mm 4極バランスを搭載。各端子に挿入検知機能を備え、使う端子によって適切な回路構成へと切り替わる。バランス駆動時にはフルバランス構成の回路へと切り替わるため、高い出力とセパレーションが得られるという。
3.5mmシングルエンド接続時の出力は最大120mW(32Ω負荷時)。2.5mm 4極バランス接続時は200mW(同)。対応インピーダンスは16Ω~150Ω。ゲイン調整はハイ/ローの2段階が選べる。また、ハードウェア回路構成によるベースブースト(Bass Boost)機能で、低域を最大約6dB増強可能だ。
本体内部のオペアンプには、低歪み、低ノイズ、高出力スイングで定評があるという「OPA926」をデュアルで採用。DACチップ変更に伴うアンプ回路設計の改善により、先代のK3と比べてSN比やノイズフロア、全高調波歪率+雑音特性(THD+N)が飛躍的に向上したという。
ギャングエラー(ボリューム位置によるチャンネル間のレベル差)を抑えるため、 独自のA/D変換方式による音量制御を採用。本体前面の可変抵抗型ボリュームノブの変化量をA/D変換し、その値をトリガーにデジタルボリュームを制御することで、音量を正確かつ細かいステップで調節できるという。
電源供給の安定性を確保するため、過電圧保護機能と二重の電源ノイズフィルターを装備。デジタル回路とアナログ回路に専用の電源供給を行い、クロストークを改善させている。
USB Audio Class切り替えスイッチを備えており、USB Audio Class 1.0モードではドライバー不要で96kHz/24bitまでのPCMを再生可能。USB Audio Class 2.0モードでは、384kHz/32bitまでのPCMとDSD256の再生に対応する。
本体サイズは70.2×58×22mm、重さは82g。USBケーブル(A to C)、滑り止め用パッド×2などが付属する。
E10K Type-C
本体サイズ79×49.1×21mm、重さ78gのコンパクトなUSB DAC内蔵ヘッドホンアンプ。バスパワーで駆動する。先代のE10Kから進化したポイントとして、USB入力にはType-C端子を新たに採用。DACチップはTI製「PCM5102」、USBコントローラーにはXMOS「XUF208」を搭載。USB Audio Class 2.0をサポートし、最大384kHz/32bitまでのPCM再生に対応する。DSD再生には対応しない。
PCM5102を採用し、内部のデジタルフィルターを最適化することで、音質向上と応答性の良さを追求。アンプ回路には高速・低歪み・大出力電流のオペアンプを採用し、優れた出力特性と過渡特性を両立した。
前面パネルにボリューム可変の3.5mmステレオミニ端子、背面パネルにボリューム固定の3.5mmステレオライン端子を装備。出力はヘッドホンが219mW(32Ω)、ラインが217mW(10Ω)。SN比はヘッドホンが114dB、ラインが116dB。対応インピーダンスは16~150Ω。
大型ボリュームノブは電源オン/オフのスイッチを兼ねている。本体前面にはハイ/ローの2段階のゲイン調整スイッチ、低域を約5.5dB増強できるベースブースト(Bass Boost)スイッチも備えた。背面には同軸デジタル出力を装備し、最大192kHz/24bit対応のDDCとしても使える。付属品はUSBケーブル(A to C)、ラバーフットなど。