永瀬王座3連覇か!?それとも木村九段が2期目のタイトル獲得か!?
将棋のタイトル戦である、第69期王座戦(主催:日本経済新聞社)の第1局が9月1日に宮城県「ホテルメトロポリタン仙台」で行われます。タイトル保持者の永瀬拓矢王座に挑戦するのは、木村一基九段です。
永瀬王座は第67期で斎藤慎太郎王座(当時)に3連勝で王座を獲得。第68期では久保利明九段の挑戦を受け、3勝2敗で初防衛を果たしました。今期は3連覇を目指す戦いです。
木村九段は挑決トーナメントで澤田真吾七段、高崎一生七段、石井健太郎六段、佐藤康光九段を破って挑戦権を獲得。挑戦者決定戦は48歳の木村九段と51歳の佐藤九段によるベテラン対決ということで注目されました。タイトル戦の登場は、藤井聡太七段にタイトルを奪われてしまった昨年の第61期王位戦以来となります。
永瀬王座と木村九段の過去の対戦成績は、3勝3敗2千日手と全くの五分。木村九段はタイトル挑戦を決めた際の記者会見で永瀬王座との対戦について問われると、「あんまりやってないんですよね。昨年の藤井聡太さんもそうでしたけど、対戦数が少ないのはちょっと気になるところではあります。謎の相手といった感じのところがあります。ただ、あれほど勝ってますし、将棋指すのに熱心だなと感じる方ですので、熱意だけでも負けないようにと思います」と意気込みを語りました。
永瀬王座の将棋は「永瀬流負けない将棋」と呼ばれ、木村九段は「千駄ヶ谷の受け師」の異名を持ちます。どちらも受け将棋が持ち味ですが、タイプは異なると木村九段は言います。
『令和2年版 将棋年鑑 2020』(発行:日本将棋連盟)の巻頭インタビューで木村九段は、「私の場合は攻め駒を責める、というそれなりの結論を求める指し方なのに対し、永瀬さんは『長引けば、最後は自分が勝つ』というような考え方があり、そこに自分との違いがある」とそれぞれの棋風を分析しています。
どちらが勝つにせよ、簡単には土俵を割らない熱戦が繰り広げられること間違いなしの五番勝負はいよいよ明日開幕します。