広告の出稿とは広告を出すことを意味するのですが、具体的にどのような手順を踏めばよいのでしょうか? また広告を出稿する際の費用がいくらになるのか気になる人もいるでしょう。
今回はWEB媒体を中心に、広告の出稿先、費用相場、具体的な流れなどについて解説します。広告の出稿を検討する際の参考情報として役立ててください。
広告の出稿とは
広告の出稿とは、テレビ・インターネットなどを使って広告を流すことです。広告の文章・画像・動画・音声などを媒体となるメディアに提出し、広告を流してもらいます。
ちなみに似たような言葉として「入稿」がありますが、こちらは著者が原稿を提出すること、出版社が印刷会社に原稿を提出することを意味します。
広告の主な出稿先
広告を出稿する場所として、主にマス媒体とWEB媒体(WEBサイト、動画配信サイト・SNS)といった広告媒体があります。
1.マス媒体
テレビ・ラジオ・新聞・雑誌の4つを、マス媒体と呼びます。広告の出稿先として、インターネットが発達する以前から活用されてきました。
不特定多数のユーザーに情報を届ける力があること、シニア層にも届きやすいのが最大のメリットです。その一方で広告の効果測定がしにくいこと、出稿費用が高額であることがデメリットです。
2.WEBサイト
インターネットの発達によって、WEBサイトは広告にも利用されるようになりました。大手から中小までさまざまなサイトでバナー広告などが見られます。
WEBサイトの広告は費用がマス媒体より安く、効果検証をしやすく、ターゲティングもしやすいのが大きなメリットです。ただし、媒体の特性・仕組みを理解しないと効果が薄れること、運用する手間が発生することに注意しなくてはなりません。
3.動画配信サイト・SNS
WEBにおいて、特に動画を使用した広告は、近年急速に増えている広告です。テクノロジーの進化により、大企業でなくても個人で動画を作成することも可能になりました。
動画広告の出向先はYouTubeに加え、TwitterやInstagramなどのSNSも含まれます。動画広告は文字のみの情報よりたくさんの情報が届けられ、印象に残りやすいのがメリットです。
その一方で求められるクオリティがどんどん高くなっていること、ライバルも増えていることが注意点です。
広告の費用はいくらかかる?
広告出稿で気になる費用、それぞれの媒体の広告ではどのくらいかかるのか解説します。ただし実際にかかる費用は見積を取ってみて初めて分かりますので、下記はあくまでも目安として捉えてください。
1.マス広告
テレビCMに関して、たとえば関東エリアの地上波の場合、15秒1回あたりで30万円~100万円が相場 です。100回放送すると3,000万円~1億円かかることになります。
ラジオについてTBSラジオや日本放送といった大手では、6万5,000円~7万円(20秒・1本あたり) となっています。
新聞広告は掲載場所やサイズによって、50万円~5,000万円とかなり幅があります。 雑誌は1ページあたり160万円~220万円ほどです。
2.WEB広告
WEB媒体にはさまざまな種類の広告があり、料金体系も違いがあります。代表的なものを見ていくと、まず純広告はメディアの広告枠を一定期間買い取る方式で、費用は1週間あたり数十万円~数千万円です。
リスティング広告は検索結果の上部や下部に表示されるもので、1クリックあたりの費用は数十円~数千円です。費用は自分で設定できますが、高いほどページの上位に表示されます。
動画広告の場合、視聴型なら1回の視聴で4円~7円ほど、クリック課金型はクリック1回あたり10円~数千円です。
WEBの広告プラットフォームの特徴
ここからはWEBに関して、有名な広告のプラットフォームを簡単にご紹介します。
1. Yahoo! JAPAN
国内で利用者の多いWEBサイトの代表例と言えるのがYahoo!JAPANです。同社は、国内スマホ利用者の87%をカバーしている と発表しています。
ターゲットを絞って広告を配信する機能、過去に特定のキーワードを検索したことのあるユーザーに限定して広告を表示する機能などがあります。
2. YouTube
YouTubeは世界最大の動画共有サイトで、動画広告の出稿先としても大きな媒体です。Googleのサービスであることから、Google検索からユーザーが流入する可能性も高いです。
YouTubeは日本でも年齢・性別を問わず多くのユーザーがいるのが魅力。多くの人に動画広告を届けることができます。
3. Twitter
短文でのコミュニケーションが特徴のTwitterは、短い情報がどんどん流れていくSNSです。ユーザーはYouTubeより若い層が比較的多く、リツイート機能で情報が拡散されていきます。
利用者の年齢・興味関心などに応じた広告を配信することが可能で、ターゲットとするユーザーのタイムラインや検索結果に動画広告を表示させることができます。
WEB広告の出稿の具体的な流れ
WEB広告の場合はどのように広告を出稿するのか、主な流れについて解説します。
1.顧客ターゲティング
ターゲット顧客を誰にするかを明確に定めます。獲得すべき顧客像である「ペルソナ」を定めることも有効です。
ターゲット顧客を明確に設定することで、広告によるアプローチ方法も適切なものを選びやすくなります。
ターゲットに対して何をどう伝えるのか、広告を出稿する目的も定めましょう。
2.目標の策定
自社サイトへのアクセス数を前年比で20%増やす、CV(コンバージョン)を前年比で10%増やすなど、具体的な目標を決めます。
広告出稿後に効果測定を行いますので、数値で示せるものにしましょう。
3.出稿する媒体の検討
ポータルサイト、ニュースサイト、動画配信サイト、SNSなどの選択肢から、出稿する媒体を決めます。動画配信サイトとSNSなど、複数の媒体に出稿することも可能です。
4.見積の入手
媒体をいくつかに絞り込んだら、媒体先に問い合わせを行います。見積をいくつかのパターンで作成してもらい、予算と照らし合わせて検討します。
5.広告の製作
いわゆる「クリエイティブ作成」とも呼ばれる工程で、テキスト文章・画像・音声・動画などを用いて広告を制作します。
6.審査・出稿
作成した広告はそのまますぐ掲載されるのではなく、媒体による審査を受けます。媒体にふさわしくないと判断されたものは修正を要求されることもありますので、媒体のガイドラインを事前に確認しておきましょう。
7.効果測定
広告が想定どおりに機能したのか、効果測定を行います。具体的な成果を目標として設定した指標と比較しましょう。
WEB広告の効果測定に使えるツールは現在いくつも存在するので、目的に応じたツールを選びやすいです。目標に達しない場合は、要改善点があるか、目標が適切かを検討して対応しましょう。
媒体の特性を考慮して出稿先を選ぼう
高い広告効果を出すには、出稿する場所をどう選ぶかも重要になってきます。たとえば同じ動画広告でも、YouTubeとInstagramではユーザー層が違うので広告に対する反応もことなります。
ターゲット顧客に合わせた、適切なプラットフォームを選ぶことが必要です。またWEBのプラットフォームにはターゲティング機能もあるので、上手に活用していきましょう。