怒りをうまく抑えられる人は、怒り方も上手なもの。子どもには怒りを無理に我慢させず、きちんと怒れる大人に育てることが重要です。

怒りは前頭葉と扁桃体のバランスが崩れた状態で、怒りは生存競争の中での警報ブザーのような存在です。ですから怒るべき時には怒った方がよいのです。重要なのは冷静に怒ることで、ポイントは「具体的な言動」についてのみ怒ること。さらに自分の怒りのパターンを自分自身で理解することです。

うまく怒るためのコツ

  • 自分の思考パターンを知る
  • 悪い思考パターンをやめる
  • 睡眠不足に注意する
  • 怒りを鎮めるために場所を変える
  • 景色を見たり散歩をする
  • 自分のお気に入りのアイテムやスイーツを用意する
  • 涼しいところに行って自分の頭を冷やす
  • ぬるめのお風呂にゆっくりつかる
  • タンパク質、アミノ酸を十分に摂取する
  • 人生論などを読んで広い視野を持つ
  • 深呼吸、筋肉をリラックスさせる

子どもへの怒りをコントロールする方法

そして、親が子どもを怒る時は、大人以上に神経を使うようにした方がよいです。なぜなら感情的な怒りは逆効果になる危険性が高いからです。怒る前に冷静に子どもの様々な特徴を確認する方がよいでしょう。

例えば内向的な子どもは相手の一言一言を深く受け止める傾向があるので、社交的なのか内向的なのかで怒り方は変わってきます。また、頭の回転が速いか遅いでも伝達のスピードが異なるため、同じ情報を理解しきれない可能性があるのです。また、パワハラは問題ですが、ふだんからスポーツをしている子どもは、していない子どもに比べて、怒られるという状況に慣れているケースが多いといえます。

また、比較的ゆとりのある時間帯を選び、対面で話をするほうがよいでしょう。重要なのはなるべく緊張しないような雰囲気を作ることです。入っているクラブ活動や、持っている趣味の話題を出しながら話すと、子どもは「自分の世界に近づいてくれた」と感じ、心を和ませて話を聞くことができます。

子どもはかなり具体的に注意しないと理解できないことも多いので、一つの項目に絞って注意することもポイントです。注意をしてしばらく経っても同じ間違いをし続ける場合は、「全く直っていない」などと否定するよりは、「ある程度直っているが、もう少し直すように努力した方がよい」と助言するほうがよいでしょう。

学校で理不尽に怒られやすい子どもの特徴

怒る方も怒られる方も同じく人間であり、相性があります。そのため、相性が合わないといつも怒られるということになりがちで、「相手を怒らせない」スキルを身につけることも必要です。

例えば学校の先生から見て、反感を持たれやすい子どものタイプがいくつかあるようです。具体的に言うと「言い訳がましい」「尊大な」「流れが読めない」「整合性がない」「ステレオタイプ」などです。

その場を取り繕うような態度は不快な印象を持たれやすいです。かといって、やや横柄な態度でとりあえず相手の怒りをやり過ごそうとするのもかえって逆効果になる可能性が高いのです。

また、年齢よりも大人びて、斜に構える態度や、先生に敬意を示さずその場をやり過ごそうとする態度は、相手の怒りの感情に火をつけます。気持ちの入ってない型にはまった謝罪も言葉に誠意が見られないように見えてしまいます。先生の言葉の真意をくみ取り、誠意が見られる謝罪が一番効果的です。

「とりあえず謝りなさい」はNG

そもそも子どもは基本的に頭を下げたり謝ったりすることが好きではありません。それはまだ未熟な人格の段階であり、自信がなく、自己愛的な段階であり、謝ることで自信を失い、むなしさやみじめさを感じてしまうからです。

大人でも頭を下げることが苦手な人はたくさんいます。頭を下げた後、みじめさ、空虚感に打ちのめされてしまうからです。具体的に言えば、草野球や陸上競技のリレーなどでミスをしてしまい、チーム全体が負けたような時は、その気まずい雰囲気は相当なものですが、「力不足で申し訳ない」と一言発言できればその雰囲気はかなり緩和されるでしょう。

子どもがトラブルを起こした時などに、とにかく謝らせようとする親がいますが、まずは謝ればよいという教育は子どもに対して好ましい影響を与えません。大人と同じく「誠意がある謝罪」「言い訳のない謝罪」「相手の不満を十分に配慮した謝罪」「具体的な対応を含む謝罪」が重要なポイントです。

それ以外で重要なのは、相手に損害を与える場合です。「校庭の近隣の住宅のガラス窓を誤って割ってしまう」「誤って友人のめがねを壊してしまう」のようなケースは、弁償が必要になることもしばしばあります。このようなケースであっても、まずは誠心誠意謝罪して考えることが重要です。