「切に願う」は「強く願う」という意味の言葉で、ビジネスシーンでよく使います。本記事では、切に願うの意味や使い方、類語や英語表現などについてご紹介します。
切に願うの正しい意味について解説
切に願うという言葉は日常会話でそれほど使われる言葉ではありません。ここではまず切に願うの意味についてくわしくご紹介します。
■切に願うの意味は「強く願う」
切に願うは「せつにねがう」と読み、「強く願うこと」を意味する言葉です。「切に」には「願う」を強調する意味があり、単に願うのではなく、より切迫感がある願いという意味になります。
■切に願うは強い願望を表すときに使う
単に「願う」というよりもさらに強い意味になるので、それほど頻繁に使う言葉ではありません。心から願う場合など、強い願望を表現する場合にのみ使うようにしましょう。
特にビジネスシーンではあまり頻繁に使うと信用できない印象を受ける可能性があるので注意しましょう。一方で、願うという言葉をさらに強調できるので、真剣な気持ちなどを伝える際には有効な表現です。
切に願うの類語・言い換え表現は?
切に願うという言葉はビジネスシーン全般で使われる言葉です。かなり強い表現ということもあって繰り返し使うのは好ましくありません。ここでは切に願うの類語や言い換え表現などについてご紹介します。
■「渇望」「切望」「待望」
強く願う、強く望むといった意味を持つ言葉としては「渇望」や「切望」「待望」などがあげられます。
「渇望」と「切望」は特に、必死の願い・望みといった意味があるので切に願うと近いニュアンスで使うことができます。「待望」は待ち望むことを意味する言葉です。切に願うよりも受け身的なニュアンスが強いので、置き換える際には注意しましょう。
■「心から願う」「心から望む」
切に願うをわかりやすく表現すると「心から願う」や「心から望む」といった言葉になります。わかりやすい言葉で表現したい場合に使うとよいでしょう。
切に願うを英語で表現すると?
切に願うは日本語としても日常会話ではあまり使われないので、英語表現がすぐに出てこないという方も多いでしょう。ここでは切に願うの英語表現をご紹介します。
■ sincerely wish
心から願うことを意味する「sincerely wish」は切に願うに近いニュアンスで使われる言葉です。「sincerely」には「心から」の他に、「正直に」「誠実に」といった意味もあるので、より真剣に願っているということを伝えることができる言葉でもあります。
■ earnestly hope
熱心に願うという意味がある「earnestly hope」も切に願うという意味で使われます。こちらにも「真面目に」といった意味があるので、より真剣に願っているという気持ちを伝えることができる言葉です。
切に願うのビジネス上の利用シーン
ここからは例文をあげながら切に願うという言葉の使い方をご紹介します。
■切に願うをメールで使った場合
ビジネスシーンではメールでのやりとりが頻繁に行われます。ここでは切に願うをメールで使う場合の例文をご紹介します。
・貴社のご発展を切に願っております
メールの結びの文章として定番の表現です。相手の今後の発展や幸せなどを願うという表現は、ビジネスシーンや冠婚葬祭などのフォーマルなシーンでも使えるので頭に入れておきましょう。
■切に願うを会話の中で使うと?
切に願うはメールなどの文面のみでなく、会話の中で使うケースも少なくありません。ビジネスシーンの会話の中での切に願うの使い方を、例文でご紹介します。
・今回のプロジェクトが成功することを切に願っています
・両社の初のコラボレーションが成立することを切に願っています
ビジネスシーンで切に願うという表現を使う場合、基本的には自分の利益や幸せをというより、相手の成功や幸せを願うことが多いです。
・イベントの中止につきまして、直前のご連絡となりまして誠に申し訳ございません。昨今の状況をご勘案のうえ、ご理解いただけますよう、切にお願い申し上げます
また、相手になんとしても承諾してほしい頼み事などがある場合に、強い依頼の意味でも使えます。「お願い申し上げる」などの謙譲表現を使うことで、目上の人や社外の人にも使用できます。
・手術の成功を切に願っています
・君が希望の進路に進めることを切に願うよ
切に願うという表現は少し硬い表現というイメージがありますが、日常会話の中で使用されるケースも少なくありません。いずれにしても、相手の成功や相手の希望が叶うことを願うというニュアンスで使われるケースがほとんどです。
ただし、すでにご紹介した通り、強い表現になるため使いすぎないように注意することが重要です。
■ 切に願うの他の言い回し
これまでの例文でもご紹介してきましたが、切に願うの使い方はさまざまです。むしろ切に願うのまま使われることはあまりなく、「切に願っています」「切に願っております」「切に祈念いたします」と丁寧な表現で使われるケースがほとんどです。
日常会話であればそのまま切に願うというケースもありますが、基本的にはより丁寧な表現にすることを意識しましょう。
切に願うを利用する際の注意点とは?
切に願うはビジネスシーンで使われることの多い言葉だけあって、使い方を間違えると失礼にあたる可能性があります。最後に切に願うという言葉を使う際の注意点をご紹介します。
■ 切に願うだと敬語ではない
切に願うという言葉は敬語表現ではありません。目上の人や社外の人に対して使う場合は「切に願います」や「切に願っております」というように、丁寧な表現にする必要があります。
■ 正しい言い回しで切に願うを使おう
切に願うに関連する言い回しとして、「切に願ってやみません」といった表現があります。「やみません」という表現には「~せずにはいられない」といった意味があります。そのため「切に願ってやみません」という場合、「実現しそうにないことを願っている」と解釈されてしまう可能性があります。
同様に「切に願うばかり」という表現も「願うことしかできない」といった意味になり、ネガティブな印象になってしまいがちです。切に願うはあくまでポジティブに使うべきなので、ネガティブ表現にならないように注意しましょう。
■ 「切に願います」「切に願っています」も尊敬語ではない
先ほどもご紹介した通り切に願うは「切に願います」「切に願っています」と丁寧な言葉で表現されることもあります。しかし、これらの表現は丁寧な表現であるため、敬語ではありますが尊敬語や謙譲語ではないので注意が必要です。そのため、より目上の人に対して使う場合は「切に願っております」「切にお願い申し上げます」といいましょう。
切に願うの正しい使い方を理解しよう
切に願うという言葉はビジネスシーンなどで広く使われている言葉のひとつです。切に願うをしっかり理解し、コミュニケーションに活用してみてください。