ビジネスシーンで打ち合せの際などに使用される表現に「折を見て」があります。この記事では、折を見ての正しい使い方や意味、言い換えについてご紹介していきます。ぜひ、参考にしてください。
折を見ての意味をくわしく解説
「折を見て」という言葉は日常会話で使用する機会があまりありません。一方でビジネスシーンでは頻繁に耳にすることがあります。ここではまず折を見ての読みや正しい意味についてご紹介します。
■読み方は「おりをみて」
折を見ては「おりをみて」と読みます。語源は折り紙の「折り線」をひとつの区切りと解釈したことからといわれています。語源からもわかるとおり、字を間違うと意味が通じなくなってしまうので注意しましょう。
■意味は「都合がいいときに」
折を見ての意味は、「現時点では明確ではないものの、都合がいいときに」といった意味があります。ポイントはその時点では確定していないという点です。ものごとを確定していないときに使う、やや曖昧な表現になります。ビジネスシーンでは、その時点でははっきりと約束できない場合も少なくありません。折を見てそのようなときによく使われます。
逆に確定しているのであれば折を見てという表現は使われません。すでに確定しているにも関わらず折を見てと表現してしまうと、相手に誤解を与えてしまうかもしれないので、注意しましょう。
折を見ての類語・言い換え表現は?
折を見てはさまざまなシーンで使うことができる言葉です。敬語表現というわけではありませんが、社外の人に対しても使用できます。類語や言い換え表現を知っていると、それだけで表現のバリエーションを広げることができます。
■「頃合いを見て」「頃合いを見計らって」
まだ確定していない将来のものごとを表現する言葉として「頃合いを見て」「頃合いを見計らって」があげられます。意味はかなり近いのでそのまま置き換えることができます。「機会を見て」なども近い意味があるので類語であるといえます。
■「折あらば」
「折あらば」は「いいタイミングがあれば」といった意味です。基本的に折を見てと近い意味なので置き換えはできますが、ビジネスシーンではあまり使われないので、特別な意図がなければ折を見ての方が適切です。
折を見てを英語で表現すると?
折を見ての英語表現をご紹介します。
■ If there is a chance,
折を見ての英語表現としては「If there is a chance,」があげられます。直訳すると「機会があれば」という意味になります。確定していない未来のタイミングを表現する言葉なので折を見てと同じように使えます。
折を見てのビジネスシーンでの使い方
折を見てはビジネスシーン全般で使われる言葉です。しかし、意味がわかっていたとしても正しい使い方を理解できていなければコミュニケーションがうまくとれません。それどころか、相手の失礼にあたる可能性もあります。そこで、ここからは例文とともに正しい使い方をご紹介します。
■折を見てをメールで使った場合
まずはビジネスメールで折を見てを使う場合の例文をご紹介します。
次回の打ち合わせの日程については、折を見てご連絡させていただきます。
今後のスケジュールがまだ確定していない場合の言い回しです。ビジネスシーンではまだ予定が決まっていないものの、連絡をしなければならないというケースも少なくありません。そのようなときに便利な使い方なので頭に入れておきましょう。
ただ、今後のスケジュールがある程度決まっている場合は「来週中には」「来月中には」といった形でおおまかであっても予定を伝えておく方が親切です。また折を見てという表現をあまり使いすぎてしまうと消極的な印象を与えてしまう可能性もありますので注意しましょう。
■折を見てを会話の中で使った場合の例
続いては会話の中で折を見てを使う場合の例文をご紹介します。
折を見て訪問させていただきます
明確な予定は決まっていないものの、都合のいいタイミングで訪問したいときに使います。やや消極的な表現にあたるので、近い将来に訪問する予定がある場合は使いません。
折を見て引き継ぎを進めたいと思います
今すぐには進めることができない仕事がある場合などに使われる表現です。さまざまなシーンで使えますが、あまり使いすぎると仕事を先延ばしにしているような印象を与えてしまうので注意しましょう。
■折を見ての他の言い回し
折を見ながら進めさせていただきます
折を見ては「折を見ながら」と表現されることもあります。意味あいはほぼ同じなので文脈にあわせて使いわけるようにしましょう。
折を見てを利用する際の注意点とは?
折を見てはビジネスシーンでよく使われる言葉です。使い方を間違えると相手に誤解を与えたり、失礼にあたったりする可能性があります。ここでは折を見てを使用する際の注意点をご紹介します。
■そもそも敬語表現ではない
折を見ては社外の人にも使うことができる言葉ですが、敬語表現ではありません。「こちらの都合がよいときに」という意味を含むため、目上の人に対して使う際には注意が必要です。
■似ているが意味が違う言葉もある
折を見てと似た言葉としては「折に触れて」という言葉があります。言葉の響きは似ていますが、意味が違うので注意が必要です。
折を見ては確定していない未来の特定の時間ついて使う言葉であるのに対して、「折に触れて」は「いいタイミングがあればいつでも」、「機会があればいつも」といった意味になります。間違って使用することがないように注意しましょう。
■ビジネス上では使い方を工夫することが大切
折を見てという表現は、曖昧な言葉なので使いすぎは厳禁です。消極的な印象を与え、場合によっては仕事を先延ばしにしていると思われる可能性もあります。
なので、その場ではどうしても確定が難しいといったシーンに限定して使用することが大切です。
折を見ての正しい意味と使い方を理解しよう
折を見ての意味や正しい使い方を身につけなければ、相手に誤解を与えてしまう可能性があります。やや消極的で曖昧な表現なので、正しく使わなければネガティブな印象を与えてしまいます。今回ご紹介した例文や注意点などを参考にして、うまく使いこなせるようになりましょう。