サードウェーブは、「実際に見て触って体験できる」をコンセプトに掲げる「ドスパラ 郡山安積店」を8月28日にオープンしました。所在地は福島県郡山市安積1丁目142番地。従来ドスパラ店舗は、政令指定都市のような人口の多いところに出店していましたが、2020年11月28日オープンの「ドスパラ 座間相武台店」以降、大都市ではないものの集客が見込めるロードサイド店を次々とオープンしています。
今回オープンする郡山安積店は、GW前にオープンした「ドスパラ 盛岡都南店」と東京のほぼ中間の位置に立地。ドスパラとしては5店目の新コンセプト店で、今までの集大成という印象でした。
というのも、幹線道路(現在は県道17号ですがバイパスができる前は国道4号)沿い、かつJRの駅からもそこそこ近くて交通の便がよく、駐車場が広い、フロア面積も今までで一番広く717平方メートル、駐車場も隣接店舗と共用で72台と、ロードサイド店としてはかなりイイ感じです。
店内のつくりは、アピールしたいポイントを強力に出している感じです。たとえば、動画配信に関しては体感スペースを「ゲーム配信」と「VTuber」の2パターンで紹介しているほか、ブランド別機材の棚も用意されていました。
これまでの新コンセプト店では「理想のPC環境」の展示が行われていました。郡山安積店では、このスペースを2つ用意。1つは和室でのゲーミング環境、もう1つはゲーミング女子を意識した環境と、これもいままであまりお手本がなかった分野です。
どちらも使用しているパーツの一覧と価格が表示してあるので、「このぐらいの費用がかかる」という目安にもなるでしょう。
他店ではスペースの関係もあって取扱数が少なめの印象だったゲーミングチェアも、郡山安積店では10製品を展示。「和室における座椅子型」という変わりダネもありますし、実際に座り心地を試せる常設スペースは稀有な存在です。
秋葉原でも見られないコラボGALLERIAが集合
冒頭でも触れたように郡山安積店は、来て、見て、触って、体験するというコンセプトを掲げていますが、(おそらく取材した記者すら)資料でしか見たことがないという展示も行われていました。それがドスパラのコラボPCです。
ドスパラは、プロゲーミングチームやVTuberなどとコラボしたパソコンを販売していますが、その現物を実際に見る機会は、あまりありません。郡山安積店には「Crazy Raccoon」「DETONATOR」「Nephrite」「渋谷ハル」のコラボモデルが展示されていました。
「コラボモデルと言っても、コラボステッカーやオリジナル壁紙がつくぐらいじゃないの?」と思うかもしれませんが、「Crazy Raccoonモデル」はオリジナルのケース、「渋谷ハルモデル」は渋谷ハルディレクションのスペシャルデザインケースが採用されるなど、こだわりが見られます。
「Crazy Raccoonモデル」と「渋谷ハルモデル」は秋葉原でも展示していますが、それ以外のコラボ商品を見る機会はなく、しかも、コラボモデルが一堂に会しているのは非常に珍しいでしょう。
また、店舗によって自作パソコンの作例が展示されていましたが、郡山安積店オープニングセール中は他店の作例も展示。郡山安積店オリジナルの作例も加えた5つのオリジナルパソコンを展示しています。「気に入った! これが欲しい」という人がいたら、パーツの販売を行えるほか、自分で組み立てる自信のない人に関しては自作代行(要費用)も行うようです。
一方で、縮小気味の展示も
ゆったりしたスペースで、多くの展示が行われていた店内ですが、明らかに以前よりも縮小されたと思われるところも見受けられました。元々ドスパラなんば店で好評だった自作支援スペース「ドスパラボ」は、小学生の自由研究でパソコンを組み立てるなどのニーズがあったようですが、取材以外で新コンセプト店に足を運んだ際に、利用している現場を見たことがありませんでした。
郡山安積店でもドスパラボはありますが、オープンスペースかつモニターが1台と明らかに縮小。また、組み立ての際に必要な小物パーツのスペースも縮小気味でした。少なくとも郡山では店舗で組み立てるニーズが少ないと判断しているようです。
また、新コンセプトの1号店「ドスパラ 座間相武台店」から行われていた「ケースが回転台に乗っていて、いろいろな角度から検討できる」という展示がなくなっていました。斬新な展示方法だったのですが、お客さんからの評判があまり良くなかったというのが理由のようです。
とはいえ、ケースは比較的ゆったりとした展示となっており、正面以外からも見やすい印象でした。
即納製品の在庫はバックヤードにおいてあり、一部の店舗で見られた「現物の迫力」がやや後退。逆に店舗で箱展示の少ないビデオカードは展示が行われており、オープン後に来店したお客さんの多くはビデオカードに向かっていました。
オープン時に店舗を統括する方とお話ししたところ、今後も良い物件があれば積極的に出店していくとのことで、ドスパラの新店舗動向が気になるところです。