サードウェーブは、「実際に見て触って体験できる」をコンセプトに掲げる「ドスパラ 郡山安積店」を8月28日にオープンしました。所在地は福島県郡山市安積1丁目142番地。従来ドスパラ店舗は、政令指定都市のような人口の多いところに出店していましたが、2020年11月28日オープンの「ドスパラ 座間相武台店」以降、大都市ではないものの集客が見込めるロードサイド店を次々とオープンしています。

今回オープンする郡山安積店は、GW前にオープンした「ドスパラ 盛岡都南店」と東京のほぼ中間の位置に立地。ドスパラとしては5店目の新コンセプト店で、今までの集大成という印象でした。

というのも、幹線道路(現在は県道17号ですがバイパスができる前は国道4号)沿い、かつJRの駅からもそこそこ近くて交通の便がよく、駐車場が広い、フロア面積も今までで一番広く717平方メートル、駐車場も隣接店舗と共用で72台と、ロードサイド店としてはかなりイイ感じです。

  • ドスパラ 郡山安積店

    「ドスパラ 郡山安積店」は福島県道17号沿いにあります

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    2021年8月28日にオープンした郡山安積店。ドスパラの中で最もフロア面積が広いロードサイド店です

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    ロードサイド店らしく、ライトアップ付きの大看板も設置されています

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    駐車場は隣の店舗と共用ながら72台。十分なスペースがあります

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    店舗面積は717平方メートルの平屋です。フロア面積は現在あるドスパラで最大。かなりゆったりとした展示で、床の白線である程度のジャンル分けを示しています

店内のつくりは、アピールしたいポイントを強力に出している感じです。たとえば、動画配信に関しては体感スペースを「ゲーム配信」と「VTuber」の2パターンで紹介しているほか、ブランド別機材の棚も用意されていました。

  • ドスパラ 郡山安積店

    ドスパラでは最近「動画配信」にかなり力を入れています。郡山安積店でも大きなスペースを割いていました。店舗入ってすぐ左には、配信環境向けの商品を展示。こちらはVTuberを想定した配信環境で、アバターの動きを確認するモニターなども装備されていました。しかも、実際に試せます

  • ドスパラ 郡山安積店

    配信向け製品を数多く出しているブランドは専用スペースで集中展示。キャプチャに強い台湾のAVerMedia製品は専用コーナーがありました

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    ドイツのコンテンツクリエーター向けブランドのelgatoコーナー。商品の陳列だけでなく、ワンタッチで環境を変更するStream Deckの体験スペースもあります

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    配信用マイクで実際にしゃべって聞ける「音質体感コーナー」もありました。ほかでは見たことがない体験環境です

  • ドスパラ 郡山安積店

    ゲーミング配信環境をイメージした体験環境。ゲーミング家具ブランドの「Bauhutte」製品を多く使っているのがポイントです。グリーンバックは収納式。使うとき引き上げるだけなので実用的です

これまでの新コンセプト店では「理想のPC環境」の展示が行われていました。郡山安積店では、このスペースを2つ用意。1つは和室でのゲーミング環境、もう1つはゲーミング女子を意識した環境と、これもいままであまりお手本がなかった分野です。

どちらも使用しているパーツの一覧と価格が表示してあるので、「このぐらいの費用がかかる」という目安にもなるでしょう。

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    従来の新コンセプト店で、店舗に入って正面にあった「理想のPC環境」は、ペリフェラル側に移動。まず目に入るのが和室での提案例です。大阪のゲーミング家具ブランド「Bauhutte」のゲーミング座椅子とゲーミング座卓がなかなかイイ感じ

  • ドスパラ 郡山安積店

    ゲーミングチェアの展示を挟んで、もう1つ用意されていたがゲーミング女子向けの展示。でっかいクマぬいぐるみが座っていて、ご自由にお試しくださいのPOPはありませんでしたが……

  • ドスパラ 郡山安積店

    ぬいぐるみはオープン直前にベンチに移動し、無事カワイイお客様が体験

他店ではスペースの関係もあって取扱数が少なめの印象だったゲーミングチェアも、郡山安積店では10製品を展示。「和室における座椅子型」という変わりダネもありますし、実際に座り心地を試せる常設スペースは稀有な存在です。

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    ゲーミングチェアは環境別展示の3製品を加えて計10製品を展示。ドスパラ座間相武台店以上の品ぞろえを誇ります

  • ドスパラ 郡山安積店

    店舗入ってすぐ右側ではキーボードを展示。レイアウトやキーの種類など多数の製品がありますので、最適な1台を見つけることができるでしょう。中央には代表的なキースイッチとしてCherry MXのテスト台が5種類用意されており、打鍵感の違いを体験できます

  • ドスパラ 郡山安積店

    キーボード展示に関しては「角度が急だと見やすいが、打鍵感を試しにくい」というフィードバックがあり、傾斜を緩くしたそうです

  • ドスパラ 郡山安積店

    店舗手前一番右奥壁際はグッズゾーン。『Apex Legends』グッズは初登場

  • ドスパラ 郡山安積店

    グッズの左がキーボードの在庫。展示と微妙に離れているので型番を間違えないようにしたいところ

  • ドスパラ 郡山安積店

    キーボードの左はヘッドセット。USB接続のヘッドセットの一部は音源が用意されており、視聴できます

  • ドスパラ 郡山安積店

    ヘッドセットの左はマウス。これも実際に体験できる製品多数

  • ドスパラ 郡山安積店

    ペリフェラルの最後はマウスパッド。実際に試せる商品が10製品ほど用意されていました

秋葉原でも見られないコラボGALLERIAが集合

冒頭でも触れたように郡山安積店は、来て、見て、触って、体験するというコンセプトを掲げていますが、(おそらく取材した記者すら)資料でしか見たことがないという展示も行われていました。それがドスパラのコラボPCです。

ドスパラは、プロゲーミングチームやVTuberなどとコラボしたパソコンを販売していますが、その現物を実際に見る機会は、あまりありません。郡山安積店には「Crazy Raccoon」「DETONATOR」「Nephrite」「渋谷ハル」のコラボモデルが展示されていました。

「コラボモデルと言っても、コラボステッカーやオリジナル壁紙がつくぐらいじゃないの?」と思うかもしれませんが、「Crazy Raccoonモデル」はオリジナルのケース、「渋谷ハルモデル」は渋谷ハルディレクションのスペシャルデザインケースが採用されるなど、こだわりが見られます。

「Crazy Raccoonモデル」と「渋谷ハルモデル」は秋葉原でも展示していますが、それ以外のコラボ商品を見る機会はなく、しかも、コラボモデルが一堂に会しているのは非常に珍しいでしょう。

  • ドスパラ 郡山安積店

    店舗に入って正面に置かれているのがVTuber「渋谷ハル」とコラボしたGALLERIA。入店して真っ先に目に入るところに置かれていたので、強力に推しているのでしょう

  • ドスパラ 郡山安積店

    店舗入って左側にはコラボモデルだけのテーブルがあります。目立つのはCracy Raccoonのコラボモデル

  • ドスパラ 郡山安積店

    テーブルの反対側にはDETONETORコラボモデルとNephriteコラボモデルもありました

  • ドスパラ 郡山安積店

    Crazy Raccoonモデルはオリジナルケースでチームロゴが印刷

  • ドスパラ 郡山安積店

    正面だけでなく、サイドパネルもオリジナルの印刷されています

  • ドスパラ 郡山安積店

    本来はガンメタリック塗装でブルーメッシュですが、渋谷ハルモデルで使われている筐体は、マットブラック塗装でオレンジメッシュのオリジナルカラーリングです

また、店舗によって自作パソコンの作例が展示されていましたが、郡山安積店オープニングセール中は他店の作例も展示。郡山安積店オリジナルの作例も加えた5つのオリジナルパソコンを展示しています。「気に入った! これが欲しい」という人がいたら、パーツの販売を行えるほか、自分で組み立てる自信のない人に関しては自作代行(要費用)も行うようです。

  • ドスパラ 郡山安積店

    新コンセプト店の座間相武台店、盛岡津南店から借用した作例パソコンを展示

  • ドスパラ 郡山安積店

    月末までの期間限定で仙台店、札幌店から借用した展示も。作成のポイントが書かれており、オリジナルパソコンの組み立ての参考になるかも

  • ドスパラ 郡山安積店

    郡山安積店オリジナルの作例も当然展示されています。構成パーツの一覧展示がなかったのですが、「同じものが欲しい」と言えば教えてくれるはず。組み立て技量に自信がない場合は組み立て代行を使うとよいでしょう

一方で、縮小気味の展示も

ゆったりしたスペースで、多くの展示が行われていた店内ですが、明らかに以前よりも縮小されたと思われるところも見受けられました。元々ドスパラなんば店で好評だった自作支援スペース「ドスパラボ」は、小学生の自由研究でパソコンを組み立てるなどのニーズがあったようですが、取材以外で新コンセプト店に足を運んだ際に、利用している現場を見たことがありませんでした。

郡山安積店でもドスパラボはありますが、オープンスペースかつモニターが1台と明らかに縮小。また、組み立ての際に必要な小物パーツのスペースも縮小気味でした。少なくとも郡山では店舗で組み立てるニーズが少ないと判断しているようです。

  • ドスパラ 郡山安積店

    店内でパソコン組み立てを行うためのドスパラボ。他店に何回か足を運んでいましたが、利用している現場は見たことがなかったので、何らかの広報活動が必要かもしれません。郡山安積店はモニターが1台と複数利用がない前提となっていました。そもそも現在のコロナ禍では、組み立てによる密は避けたいところ

  • ドスパラ 郡山安積店

    組み立てが少ないということで小物パーツ類もやや縮小。一方、新築でないがゆえの悩みもあり「もう1つラックを置きたかったのですが、そうすると排煙操作盤にアクセスできなくなる」とのことでした

また、新コンセプトの1号店「ドスパラ 座間相武台店」から行われていた「ケースが回転台に乗っていて、いろいろな角度から検討できる」という展示がなくなっていました。斬新な展示方法だったのですが、お客さんからの評判があまり良くなかったというのが理由のようです。

とはいえ、ケースは比較的ゆったりとした展示となっており、正面以外からも見やすい印象でした。

即納製品の在庫はバックヤードにおいてあり、一部の店舗で見られた「現物の迫力」がやや後退。逆に店舗で箱展示の少ないビデオカードは展示が行われており、オープン後に来店したお客さんの多くはビデオカードに向かっていました。

オープン時に店舗を統括する方とお話ししたところ、今後も良い物件があれば積極的に出店していくとのことで、ドスパラの新店舗動向が気になるところです。

  • ドスパラ 郡山安積店

    ドーンと在庫を見せるのがいいのか、店内に段ボール箱を積み上げるのを避けるのかは、なかなか難しいところですが、今回は後者を選択したようです

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    以下、オープン日初日の様子です。スタッフが整列して店長があいさつ。暑さのため1時間以上前倒しでオープンしました

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    自作用のパーツは従来店舗でもおなじみのリスト表示で、中央にある端末から番号と個数を入力。出てきた用紙をレジにもっていって清算、受取というシステムです。画像はオープン前に撮影しましたが、オープン後、早々にCore i7 11700Kが売り切れていました

  • ドスパラ 郡山安積店

    ビデオカードだけは空箱を並べて展示。オープン直後のお客さんもビデオカードコーナーに多く足を運んでおり、GeForce 3080は早々に売り切れていました

  • ドスパラ 郡山安積店

    駐車場の車は、福島、郡山ナンバーがほとんど。駐輪場には自転車も置かれており、ご近所のお客さんも来ていたようです

  • ドスパラ 郡山安積店

    「最新CPUもGPUも幅広い品ぞろえと魅力的な価格で福島県のパソコンユーザーをサポート」と話すのは白石店長(コロナ禍での営業なので店員はマスク着用。写真撮影のために外していただきました)

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    「ゲーミングデバイス展」は期間限定で各社の製品を集中展示。オープン時はRazer展でしたが、おおよそ1カ月ごとに別の展示が行われます

  • ドスパラ 郡山安積店

    取材後のワンシーン。郡山の観光で多分外せないのが「あぶくま洞」。日本六大鍾乳洞の1つに数えられます。一般公開されているのは700mほど。1年を通じて15度程度に保たれており、出口近辺にはワインの熟成棚が置かれていました

  • ドスパラ 郡山安積店

    郡山ブラックと呼ばれる「黒いラーメン」。福島県の喜多方、白河と郡山ラーメン(豚骨ラーメンだそうですが)と合わせて、福島三大ラーメンとされているようです