映画『先生、私の隣に座っていただけませんか?』(9月10日公開)の完成披露試写会が25日に都内で行われ、黒木華、柄本佑、金子大地、奈緒、堀江貴大監督が登場した。

  • 左から奈緒、柄本佑、黒木華、金子大地、堀江貴大監督

    左から奈緒、柄本佑、黒木華、金子大地、堀江貴大監督

同作はTSUTAYA CREATORS' PROGRAM FILM 2018 準グランプリ受賞作品で、脚本・監督は堀江貴大が務める。少女漫画家・佐和子(黒木)の新作漫画のタイトルは「先生、私の隣に座っていただけませんか?」それは、結婚5年目になる佐和子の夫・俊夫(柄本)と編集者・千佳との不倫現場をリアルに描いたものだった。さらに物語は、佐和子と自動車教習所の先生との淡い恋へ急展開。完全な創作か妄想か、それとも夫の不貞に対する佐和子流の復讐なのか、恐怖と嫉妬に震える俊夫は、やがて現実と漫画の境界が曖昧になっていく。

夫の不倫を漫画にする漫画家・佐和子を演じた黒木は「ストーリーが面白くて、登場人物全員が魅力的。読んでいてゾクっとしましたし、脚本を読んだ時に漫画と現実の行き来をどうやって映像化するのかも気になった」と作品に惚れ込んだ様子。佐和子の夫で漫画家・俊夫役の柄本は「不倫している俊夫が100%悪いし、不倫にも向いてない男。ただ鑑賞後には、俊夫の親しみのある人間的なところに触れられたらいいと思ったし、不倫に向いてない馬鹿正直な俊夫を表せれば監督の思い描く俊夫像に近づけると思った」と役柄を紹介した。

妻役を演じた黒木は「俊夫さんが右往左往してるところがチャーミングで可愛い」と反応し、柄本は「憎めないでしょ?」とニヤリ。「この作品は、爽快快活健康的不倫ムービーです。不倫を題材にしてここまで気持ちのいい作品はあまりない。本来ならばドロドロ要素が沢山あるはずなのに、そこを突き詰めずに別の視点に振るのが面白い」とオリジナルなストーリーに太鼓判を押していた。

佐和子と出会う運転教習所指導官役の金子は「教習所の先生なので、ガチガチの佐和子さんを優しくリードする役柄です。でも撮影では逆で、ガチガチに緊張する僕を黒木さんが優しくほぐすような雰囲気を作ってくれました。黒木さんのことを『先生!』と呼びたいくらい」と感謝。それに黒木は「緊張しているような雰囲気はなかった」と驚くと、金子は「このコメントすら優しい!」と黒木の気遣いに嬉しそうだった。また俊夫の不倫相手で佐和子の担当編集者・千佳役の奈緒は「台本を読み終わったときに『面白い!』と叫んだくらい面白い」と評した。

そんな“爽快快活健康的不倫ムービー”にちなんで、この夏に経験した爽快体験について聞かれると、黒木は現在上演中の舞台『ウェンディ&ピーターパン』での経験を挙げ、「空を飛んで爽快。10数メートル飛んでいるので、普段見られない景色が見られる。高いところが好きみたい」と語った。