あなたは日本茶を飲むとき、急須の口の先についているキャップはどうしていますか?ずっと付けたまま使っているとしたら、急須の本領が発揮できない“残念な使い方”をしてしまっているかもしれません。

急須やお茶の販売をされている、やっとん@茶迷人(@yattan_alohaday)さんが、知られざる急須の使い方をツイート。「知らなかった!」と反響が集まっています。

《急須のコレははずせの歌》
急須のコレははずせ♪
はずせ♪はずせ♪

コレはただのカバーだ♪
さっさとはずせ♪

口は作家の気合いと♪
腕のみせどころ♪(※網も)

コレがあると本領♪
発揮できない♪

衛生面もヤバいぞ♪
汚れがたまる♪

しまうときだけつけて♪
普段ははずせ~♪
日本茶(@yattan_alohadayより引用)

引用リツイートでは、「まじかつけてた」「付けたまま使ってた」など、知らなかった人からの驚きの声が。また「外して家族に怒られた」というコメントもあり、自分は正しく急須を使おうとしたのに、家族が勘違いしていたという人も複数見受けられました。

このツイートをしたやっとん@茶迷人(@yattan_alohaday)さんに、投稿の経緯や正しい急須の使い方をうかがいました。

急須のコレははずせ、投稿者に聞いてみた

――投稿されたきっかけがあれば教えてください。

仕事でお茶と急須の販売をしています。お客様からこの質問をいただき、「意外に知られていないのだな」と思ったのがきっかけです。

勤務先ではこだわりのある窯元さんや作家さんの急須を多く扱っているので、「技術の粋を体感してほしい」という思いと、「キャップ使用時のビニールの香りやたまった水垢が、お茶の味の印象と衛生面に影響する可能性がある」と思い、投稿しました。

――急須のキャップにはどのようなメリットがあるのでしょうか? キャップの替えも販売されているようですが……。

メリットとしてまず挙げられるのが、口先の欠け防止です。お子さんや猫ちゃんがお家にいる場合、使用時にテーブルの上で欠けてしまうこともあるので、衛生面に配慮しながら使ってもいいでしょう。

ふたつめは、お茶の垂れ防止です。あまりにも垂れやすい場合にはキャップを付けることで、垂れ具合が緩和されることがあります。

――「口は作家の気合いと♪腕のみせどころ♪(※網も)」とありますが、急須を買うとき、口のどんなところに注目すればいいのでしょうか。

注ぎ口の先端の下側が下向きに少し反っているか、また、薄く作られているかを見ます。薄さに関しては分かりづらいかもしれませんが、反り具合は真横から確認できます。

煎茶や玉露は紅茶と異なり、注ぐときはそーっと傾けて糸のように「落とす」お茶です。口先が綺麗に下に反っていると自然とゆっくりとうまく注げて、かつ垂れにくくなります。

ただし、完全に垂れない急須はなかなかありません。手をあまり傾けなくても安定して注げることと、お茶が垂れにくいことを両立するのは、ベテランの作家でもとても難しいことです。

また、口の形がわずかに左右非対称なことに気づいて驚かれる方もいらっしゃるのですが、これは意図的なものです。人間の手首のひねり方に合わせて、わかるかわからないか程度に持ち手側に寄せて作るのが一般的です。

――急須選びのアドバイスはありますか?

急須も服やバッグと同じで、「これだ!」とピンときたものが一番です。みなさんの参考になれば幸いです。


急須の口のキャップは原則はずして使うもののようですが、一緒に住んでいる方の状況や、急須のデザインによっては、キャップを付けて使ったほうがいい場合もあるということですね。

普段急須をまじまじと見ることはありませんが、使いやすいように細かな工夫がされているという急須。改めてその形を見てみると、新しい発見があるのではないでしょうか。