スマートフォンの前面カメラが収まる「ノッチ」(切り欠き)をなくすため、今後はカメラの存在が見えない「ディスプレイ埋め込み式カメラ」(アンダーディスプレイカメラ)が主力になる、というリポートを調査会社のカウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチが発表しました。iPhoneでの採用は2024年ごろになると予想しています。
スマートフォンは、画面の上下左右に存在したベゼル(額縁)を小さくするデザインがトレンドになり、全画面に近づいています。ベゼルの部分に配置していた前面カメラなどを配置するため、2017年に登場した「iPhone X」では画面の一部を切り欠く「ノッチ」を設け、そこに前面カメラやセンサーを配置することで対処しました。
切り欠きの面積をノッチ式よりも減らして全画面に近づけるため、パンチホール式や涙式、ポップアップ式、回転カメラ式などの機構が各メーカーのAndroidスマートフォンで採用されています。しかし、これらはあくまで妥協案として作られた過渡期の構造であり、最終的にはどのメーカーもディスプレイの下にカメラを搭載するディスプレイ埋め込み式に向かうと予測しています。
ディスプレイ埋め込み式のスマートフォンは、サムスン電子が先日発表した「Galaxy Z Fold3 5G」で採用されたほか、XiaomiやOPPOなどのメーカーも積極的に開発を進めているとみられます。しかし、ディスプレイ埋め込み式は製造コストの上昇や歩留まりの低さ、前面カメラ撮影時の画質低下などの課題があり、2023年までは出荷台数はあまり増えないとしています。
気になるiPhoneへの採用ですが、技術が成熟して前面カメラ撮影時の画質やディスプレイの表示性能が高められる2024年ごろになるとみています。あと3世代は、これまで通りノッチのあるiPhoneがお目見えすることになりそうです。