新型コロナウイルスの流行に伴い、リモートワーク中心の働き方が急速に広がりました。

出勤ストレスがなくなり、自由に使える時間ができたなどもちろん良い面もありますが、一方で仕事の成果が前より出にくくなったという話をよく聞きます。

前回も解説しましたが、リモートワークで仕事の成果が出ないのは「オン/オフ」の切り替えがうまくいっていないことに原因があると考えています。その解決策として、生活空間と仕事空間を物理的に区切る部屋作りをして、オン/オフのメリハリをつける方法を紹介しました。

今回は少し視点を変え、「リモートワークで成果を出せる部屋作り!」をホームオフィス家具の選び方という視点で解説します。

  • リモートワーク環境に必要な家具とは?

リモートワークで成果を出せる家具のポイント

リモートワーク用の家具選びのポイントは「デザイン性と機能性」が高い家具を選ぶということです。

デザイン性の高い家具を選ぶことで、リモートワーク中でも楽しく仕事に取り組めるため、結果として仕事の成果につながります。ここからは、デザイン性が高く、機能的にも申し分ない家具を幾つかピックアップしましょう。

最初に選びたい「机」の選び方

一番に気を付けたいのが仕事で使う机です。机は部屋の中でも存在感がある家具なので、初めに用意することをオススメします。生活空間になじむ、おしゃれな家具を選ぶためのポイントは淡い木目調のものを選ぶことです。

1つ目に紹介したい机は、Easy Life/イージーライフの「AILE DESK」(6万500円)です。2つの引き出し付きという機能性の高さと、オーク材が醸し出すスタイリッシュさも兼ね備えたシンプルなデスクです。

オーク材は堅く重厚感があり耐久性にとても優れた木材。色、サイズともにいい意味で主張がなく、どんな部屋でもなじんでくれます。またオプションで机の下に設置できる収納ワゴンもあり、仕事道具が多い人にオススメです。

次に紹介したいのは、Hay/ヘイの「CPH 90 DESK」(9万4,600円)です。こちらも美しいオーク材でできたシンプルな天板に、丸みをおびた脚が特徴的なテーブルになります。シンプルだけどかっこいい部屋作りをされている、きれい好きな方にオススメしたい机です。

最後は、HIRASHIMA/ヒラシマの「SCALA Desk」(15万700円~)です。机ですが、実は収納を目的に作られており、「机」は付属的なもの。このあえての机らしくなさが個人的には評価が高いです。もちろん机として使わない時は収納になり、モノが多い人はオブジェを置いて部屋を飾ってもいいでしょう。

いずれも少し価格の高い商品です。ただ、机は用頻度が高く、また使用期間が長い家具なので、余裕があれば初期投資としてお金をかけてもいいのはないでしょうか。どれも仕事がしやすいのはもちろん、オフィス感のない部屋作りに最適です。

成果につながる椅子の選び方

机ときたら、やはり次に大事なのは椅子です。椅子もやはり部屋に馴染むものがいいと思います。机よりも小さいのでデザインを重視してインテリアとしても楽しめるものがオススメです。

1つ目は、Hay/ヘイの「RESULT CHAIR」(4万2,900円)です。 この椅子、フリーゾ・クラマーという有名なオランダ人家具デザイナーが1950年代にデザインしたもので、実はオランダの学校でよく使われている椅子です。

長年学校でも使われていることから、飽きないデザイン、つまり馴染みやすいと言えるでしょう。廃盤になっていたのですが、HAYとアーレンド社によって復刻されました。

次に紹介したいのは、コクヨの「Any」(2万2,440円)です。オフィスチェアらしくないかわいい見た目で、いくつか色もあるので明るい部屋の雰囲気にしたい方にはオススメです。

座り心地も抜群で、軽く、脚も座面も全て色が統一されているのが個人的に好きなポイントです。私が普段オフィスデザインをする際、さまざまなプロジェクトで使ってきた椅子でもあります。

最後に紹介するのは、Karimoku New Standard/カリモクニュースタンダードの「CASTOR ARMCHAIR PLUS」(6万6,000円)です。個人的に椅子は見た目を重視したほうがよく、この椅子はまさにその一例です。

シンプルで無駄がないデザインは一生涯飽きることなく使えると思います。もちろんどんな家でもマッチすると思います。

成果につながる仕事用の照明の選び方

前回も紹介しましたが、オン/オフの切り替えが最も手軽にできるのが照明です。生活空間になじみ、機能性の高い机や椅子をそろえたら、あとは照明で雰囲気をガラッと変えるといいでしょう。

仕事が終わった瞬間にリラックスモードをオンにできる、そんな照明を最後に紹介します。

一つ目は、FLYMEe Parlo/フライミーパーラーの「Table Lamp」(2万2,000円~)です。石の台座とアンティークブロンズの塗装仕上げによってユニークなデザインとなっています。形状が丸く、温かくて柔らかい光を放っていて、オフの時間を彩る照明としておすすめです。

次は、IKEA/イケアの「ベイヤ テーブルランプ 」(4,990円)です。竹の伸縮自在な特徴を存分に生かした照明で、デザイン性もさることながら、電気をつけると独特な模様が浮かび上がるのがユニークです。あなたのオフ時間を彩ってくれるでしょう。

最後に紹介したい照明は、HAY/ヘイの「PC PORTABLE OCEAN GREEN テーブルランプ」(1万4,546円)です。この照明は充電式で、部屋のどこでも使える照明となっています。

食事や読書、映画鑑賞など様々なシチュエーションや場所に応じて使い分けることができる点がおすすめです。


全国的に新型コロナウイルスの影響が拡大していることもあり、リモートワークが続きそうです。全ての家具を替えることは難しくても、リモートワークにおいて重要な家具に絞って見直すことでも変化をつけることができます。

自宅で仕事をすることが当たり前になってきている今だからこそ、オン/オフを切り替えられる部屋作りをすることで、心機一転仕事の成果に結びつけることができるのではないでしょうか。

著者プロフィール:マーテン・ヴァン・ダー・リンデン(Martin van der Linden)

在日オランダ人建築家のマーティン・ヴァン・ダー・リンデンは、2001年に建築デザイン事務所であるヴァン・ダー・アーキテクツジャパン株式会社を設立。東京を拠点に、Uber JapanやWeWork Japan、NvidiaやAir Franceなど国内外の有名企業オフィスや地域公民館の外観・空間設計、インテリアデザインを手がけてきました。クライアントのニーズだけでなく、事業のビジョンや想いまでもを建築デザインで体現した、独創的かつ革新的なデザインが特徴。