6月に大幅リニューアルされたApple Musicは、以前とは別モノです。大半の曲がロスレス/ハイレゾ対応、しかも月額料金据え置きという豪胆さ。Dolby ATMOSを利用した立体的な音楽再生を実現する「空間オーディオ」に対応した楽曲も登場し、ロスレス/ハイレゾ同様こちらも聴き放題。楽曲数という量だけでなく、質でも充実を図りはじめた印象です。
ただし、我々エンドユーザは「ロスレス/ハイレゾと空間オーディオのどちらを聴くか」をある程度意識しておく必要があります。設定次第では、ロスレス/ハイレゾを聴くつもりだったのに空間オーディオが再生されてしまった、という事態もありえます。
たとえば、ロスレス/ハイレゾと空間オーディオの両方に対応した楽曲を、iOS 14.6にアップデートされたXS以降のiPhone(SEを除く)で内蔵スピーカーを使い聴くとします。ロスレス/ハイレゾと空間オーディオのどちらでも再生できるiPhoneは、初期設定では空間オーディオが優先されるため、ステレオ(2ch)で聴きたくても聴けない事態に陥ってしまいます。
そんなときは、「設定」→「ミュージック」画面にある「ドルビーアトモス」項目をチェックしましょう。画面を開くと、初期設定では「自動」が選択されているので、それを「オフ」に変更すると、以降楽曲データに含まれる空間オーディオ(ドルビーアトモス)は再生されなくなります。ロスレス/ハイレゾと空間オーディオの両方に対応した楽曲であれば、ロスレス/ハイレゾで再生されるようになるのです。
このルールは、ダウンロードされた楽曲にも適用されます。ダウンロードした楽曲には、ロスレス/ハイレゾと空間オーディオの両方が含まれますが、初期設定の状態では再生されるのは空間オーディオです。「ドルビーアトモス」項目でオフを選択してから再生しましょう。