日本テレビ系ドラマ『ボイスII 110緊急指令室』(毎週土曜22:00~)で、殺人鬼“白塗り野郎”を演じる俳優の安藤政信が、撮影の裏側を語った。

  • 安藤政信=日本テレビ提供

――オファーがあった時の印象

自分を必要としてくれた人たちの、作品に対する想い、僕に対する想いに、感銘を受けました。役者としてその気持ちに応えられるよう、この作品対して良いピースの一つになれればいいなと思い参加しました。

――役について

最初、役についての説明を受けた時に白塗り、舞を踊る、殺人鬼と、キーワードとなる情報量が少なくて不安でした。でも徐々に、その役の生きてきた壮絶な人生なる景色のようなものが見えてきました。当然、殺人鬼を肯定することは出来ませんが、どれだけ役を愛して寄り添うか、という考えになっていきました。

――役作りについて

凶悪犯だからと誰しもがイメージする分かりやすい型にはめて演じようというのは考えませんでした。大事にしたのはセリフ一つ一つの変化です。息の混じり方、ザラザラした質感やクリアな響き、優しさをプラスしてみるなど、自分なりのアプローチはしました。ニヤけると変質者っぽくなりますよ、というような雰囲気のやり方は外そうと思いました。

――大変だったこと

今回の役はどうしたって理解は出来ないですよね(笑)。だからこそ想像して、役に対して深く寄り添うんです。実は理由もあって、悲しみもあって、だからこういう人物が成形されてしまったんだということは考えています。

――印象に残っているシーン

殺人鬼が白塗りで炎の前で舞うというのは成立するのかが一番不安でした。お笑いになったら、その時点で作品は終わると思いました。ドラマチックでありながら、悲しみもあり、感情的で、攻撃的で、殺意もあるという状況を作れるのかと・・。(第1話の)トンネルで、2人(唐沢寿明、増田貴久)の前で踊るシーンで、これがしっくりと空気のように動くシーンになるのか不安でした。実際、監督、共演者の方から「すごくいい感じだよ」と言ってもらえたことから動き出すことができ手応えをつかんだ、そんな感じがします。