JR九州は、8月11日から続く大雨による同社管内各路線の被災状況について発表した。久大本線や佐世保線をはじめ、複数の路線で橋りょう上の線路の変状、線路の冠水などの被害が発生。路線によっては復旧に時間を要する見込みだという。

  • 久大本線豊後中川~天ケ瀬間の第四玖珠川橋りょう(橋脚周りの護岸損傷)

  • 久大本線杉河内~北山田間の第十玖珠川橋りょう(線路変状)

久大本線では、8月12日昼頃からの大雨により日田~由布院間で運転を見合わせ、8月18日の始発列車から豊後森~由布院間の運転を再開している。おもな被災状況として、杉河内~北山田間の第十玖珠川橋りょうにおいて線路変状が発生したほか、斜面崩壊・道床流出などの線路災害、橋脚周りの護岸損傷などが発生した。

現時点で日田~豊後森間の復旧の見通しは立っておらず、8月23日からバス代行輸送を実施予定。詳細が決まり次第、改めて発表される。

佐世保線では、8月13日昼頃からの大雨により肥前山口~佐世保間で運転を見合わせ、早岐~佐世保間は8月16日の始発列車から、武雄温泉~早岐間は8月19日の始発列車から運転を再開した。おもな被災状況として、大町駅、北方駅、高橋駅で信号機器室への浸水により信号装置などの電気設備が被災したほか、北方駅で雨規制により運転見合わせとなった特急「みどり」の車両が、線路上から約1.6mの高さまで浸水。その他、冠水による踏切設備の被災や道床流出などの線路災害が発生している。現在、運転見合わせとなっている肥前山口~武雄温泉間については、8月23日からの運転再開をめざし、復旧工事が進められている。

  • 佐世保線大町~北方間(踏切冠水)

  • 佐世保線北方駅構内(車両浸水。線路上から約1.6m)

JR九州によれば、8月17日時点で合計128件の被害が確認されており、内訳は久大本線が線路変状、斜面崩壊、道床流出、橋脚周りの護岸損傷など21件、佐世保線が機器室・車両・踏切の浸水、道床流出など38件、その他の線区で倒木や斜面崩壊、土砂流入、線路浸水など69件の被害が発生したという。これらの被災により、8月11~17日の7日間で、九州内の21路線で運転を見合わせるとともに、約6,200本の運休が発生。約38万人の利用者に影響があったとしている。なお、今後の気象状況や調査の進捗により、被災箇所は増加すると見込まれている。