「急いでいるときに限って、エレベーターがなかなか来ない……」。誰しも一度や二度、そんな経験をしたことがあると思います。

階段と違って疲れることもなく、乗ってしまえばスピーディーで快適なエレベーター。では逆に、すぐ乗れる代わりに、リスクも伴うスリリングな乗り物だったら……あなたは迷わずエレベーターに乗りますか?

現在ツイッターでは、乗るのをためらってしまうような珍しいエレベーターが話題になっています。

  • (@fuesouより引用)

話題のエレベーターは、20世紀前半に欧州で普及したと言われている循環式エレベーター「パーテルノステル」。まるで観覧車やリフトのようにカゴが常に循環していて、乗降時も決して停まることはありません。

タイミングよく乗り降りしなければならず、扉もなし。危険と隣合わせではありますが、その分、通常のエレベーターよりもはるかに乗るチャンスは多いというメリットもあります。

話題のツイート主はチェコフィルハーモニーで首席フルート奏者を務める佐藤直紀(@fuesou)さん。この珍しいエレベーターは多くの関心を集め、1.1万件のリツイート、3.6万件ものいいねを獲得(8月17日時点)。コメントも多数寄せられました。

「これ、最上階で降りるの失敗したらどうなっちゃうんだろう……」
「パーテルノステルですね。慣れれば、と言いますが乗るのには勇気が必要かとおもいます」
「エクソシスト2だったかオーメン2だったかに登場していました。不安を煽るいいスパイスですよね」
「2Dゲームのよくあるアレ」
「以前ウィーン大学で同様エレベーターに遭遇、とても怖かったです」
「乗るのはいけそうだけど降りるタイミングがミスるとやばそう……挟まったりとかの事故はしたことないのかな……」
「30年前デュッセルドルフのオフィスにありました。今もあるのか! 大縄に入れる人なら大丈夫」
「アトラクション感が半端ない。絶対に乗れない。乗れる気がしない」
「おーっ! このタイプのエレベーター、かなり少なくなったと聞いてたんですが、まだまだ現役なんですね。以前、友人がハンガリーで初めてこれに乗って、おもしろいので2周回ったって話してました。w」
「スーパーマリオのステージを思い出します」

では、ツイ主の佐藤さんに、実際に乗ってみた感想を含めて、もう少し詳しいお話を伺ってみましょう。

――これはどこにあるエレベーターなのでしょう?

佐藤さん:これはチェコ共和国の中央に位置するフラデツ・クラーロヴェーという町の、外国人局のある役場で、私が撮影したものです。

――佐藤さんは実際に乗ったことがありますか?

佐藤さん:私も何度か乗ったことがございます。以前ドイツに留学していたときにも、外国人局に同じタイプのエレベーターがあり、必死に乗りこんでビザ申請に行った思い出があります。

――乗ったときのご感想をお聞かせください。

佐藤さん:いざ乗ろうとしたときに、下から昇ってきた箱に人が入っていると、少し気まずいです。

――乗るときのコツなどはありますか?

佐藤さん:初めて乗るときは怖くてタイミングが難しいですが、少し慣れればエスカレーターを乗るような感覚で乗れます。

――ひとつの空間に何人が乗れるのでしょう?

佐藤さん:頑張れば二人乗るスペースがありますが、基本的には一箱に一人ずつ乗るものかと思います。ベビーカーや車椅子の方は乗ることができないので、どうするのか疑問ですが。

――万が一、挟まってしまった場合はどうなるのでしょうか……?

佐藤さん:構造上、挟まる事は基本ないかと思いますが、乗り降りする時に転んでしまいそうです。


慣れてしまえばエスカレーターの感覚で乗れるとのことなので、一安心(?)。もし遭遇した際は、ぜひ一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか?