最近話題の折りたたみスマートフォン。縦に折りたたむ形状のスマートフォンは「開けば大画面スマホ」「閉じればコンパクトサイズ」という特徴を持ち、しかもファッションアイテムとして持てるようなデザインの良さが売りですが、価格が高いため購入をためらっている人も多いかもしれません。
縦折り式の折りたたみスマートフォンは現在モトローラとサムスンから製品が販売されています。サムスンは8月11日に最新モデル「Galaxy Z Flip3 5G」を発表しましたが、すでに販売中のモトローラの「razr 5G」はサムスンの最新モデルが出ても負けない性能を持っているのです。約18万円と高価な製品でが、デザインの美しさと他の人が持っていないというレア度を考えると価格分の価値は十分あるかもしれません。
razr 5Gは日本ではベーシックな黒系の「ポリッシュグラファイト」と「+Style」で限定販売している「ブラッシュゴールド」の2色展開。ブラッシュゴールドは上品な金色が美しく、派手さよりも落ち着きが見える色合いです。
razr 5Gの大きさは閉じると91.7 x 72.6 x 16 mm、開くと169.2 x 72.6 x 7.9 mm。重さは192gです。閉じたときはちょうど手のひらサイズで、このまま片手でも楽に持てます。隙間が無くぴたりと閉じることができ、また閉じても外側の2.7インチサブディスプレイが使えます。Galaxy Z Flip3 5Gは「隙間あり」「外側は1.9インチディスプレイ」なので、razr 5Gはこの2点で優っている製品と言えるでしょう。
この外側のサブディスプレイはよく使うアプリを登録し、閉じたままそのアプリを起動できます。サイズは小さいものの、ちょっとSNSを見たいという場合も本体を開く必要はありません。またサブディスプレイで動画を再生することもできるのです。
閉じた状態では本体下部側のほうがサイズが長く、閉じた上側がぴたりとはまり込むような形状になっています。横から見ると絶妙なカーブを描いていますね。この形状のためポケットやバックからの出し入れも楽にできます。
開いた時はワイドな画面となります。ディスプレイサイズは6.2インチで解像度は2,142x876ピクセル。かなり細長いディスプレイに見えますが、縦横比(アスペクト比)が22:9と長く、ソニーのXperiaの上位モデルの21:9よりワイドなのです。SNSのタイムラインを見るときなどは便利でしょう。
実際にrazr 5Gと一般的なスマートフォン(19.5:9)を比較。22:9のrazr 5Gのほうがより長く表示できています。
razr 5Gは閉じたままでもサブディスプレイでアプリを利用できますが、楽しい使い方ができるのがカメラ。4,800万画素のアウトカメラと2,000万画素のインカメラを搭載しています。自分を写すセルフィーする場合は本体を開いて2,000万画素カメラを使いますが、閉じた状態で4,800万画素の高画質なアウトカメラを使うことができます。
モトローラはスマートフォンを動かしてアプリを起動する「Motoアクション」という機能を搭載しています。これを使うとrazr 5Gの使い勝手が格段に向上します。razr 5Gを閉じたまま、本体を2回振ると、そのままカメラが起動するのです。サブディスプレイをプレビューウィンドウにして4,800万画素カメラで即座にセルフィーが撮れるというわけです。
なお本体の開閉は昔のガラケーのように開閉ボタンがないため、基本的には両手を使って行います。慣れれば片手でも開けるのですが、高価な製品だけに大切に扱ったほうがよさそうです。本体を開けばブラッシュゴールドとディスプレイのブラックのコントラストが映えてくれます。razr 5Gがファッションアイテムに見えてこないでしょうか?
普通のスマホなら数台分に相当するrazr 5Gですが、実際に手にしてみると所有する満足感を感じられる、モノとしての出来の良さに惚れてしまうかもしれません。とはいえrazr 5Gを使う上で一つだけ注意点があります。ディスプレイが折り曲げられるため、表面はガラス仕上げになっていないのです。そのため爪やとがったもので押すと傷がついてしまうことがあります。メーカーは推奨していませんが保護フィルムが出ているのでそちらを貼り付けるか、ディスプレイタッチは指で行うように普段から気を付けてください。
折りたたみスマートフォンはまだ数が少なく選択肢は多くありません。razr 5Gはその中でもデザインの良さは群を抜いていると感じます。また閉じたままでもサブディスプレイである程度のことができ、振って操作のMotoアクションを使ったカメラ起動は楽しく写真撮影ができます。そろそろ人とは違うスマートフォンを使ってみたい、そう考える人にもrazr 5Gは向いているでしょう。