コロナ禍の外出で欠かせなくなったものといえば、マスク。どうやら、日ごろ飼い主の行動をよく見ているペットのなかには、それを理解している子もいるようです。

マンガボックスで連載中の漫画『あおのたつき』の著者・安達さと(@Sato_adachi)さんと、一緒に暮らす犬の「とと」さんのツイートが反響を呼んでいます。

お散歩行こうって言ったらマスク持ってきてくれました(@Sato_adachiより引用)

  • (@Sato_adachiより引用)

  • (@Sato_adachiより引用)

マスクを加えてこちらに駆け寄ってくる「とと」さんの様子に、リプライや引用リツイートでは、「賢い! 可愛いー!」「天才」「えらいねえ、わかってるんだ」「よく見ているんですね」と、称賛のコメントが続出。

お外に行くのが楽しみなのか、マスクを持ってきてくれる賢いととさん、もともとは保護犬だったところを安達さんのお家に迎えられたそう。以前は外界への恐怖心から、お出かけを阻止することもあったと言います。

小さい時は帰宅する人間から二度と外出するなとばかりにマスク剥ぎ取り脱衣婆だったのに今や外に連れてってとマスク持ってくるとと、家からちょっと離れただけで怖くて進めなかったのにどんどん外の世界を知ってお母さん嬉しい(@Sato_adachiより引用)

  • (@Sato_adachiより引用)

今では積極的に「外に連れてって」とばかりにマスクを持って来るそう。その変わりぶりからは、家族の愛情に包まれてすくすくと成長した様子がうかがえます。

もともとは野犬だったととさんですが、保護犬としてお迎えした当時のエピソードや普段の様子について、飼い主の安達さんに伺いました。

賢いととさん、普段の様子を飼い主さんに聞いてみた

――ととさんは保護犬とのことですが、いつ頃お迎えされたのでしょうか?

2020年の8月です。5匹兄弟で1番最後に残った子で、保健所収容期限の2日前でした。

  • (@Sato_adachiより引用)

――ととさん、普段はどんな性格でしょうか?

臆病で神経質です。初めて抱き上げたときは、恐怖で大小を漏らしていました。成長して身体が大きくなると、自分の力を試すように威嚇したり噛んだりするようになりました。ただ恐怖からの行動だと思ったので、怖がらせないように、ととが嫌なことを回避するように、主導権を持ちながら安心してもらう毎日の繰り返しでした。1歳を過ぎたころから、やっと信頼関係ができたなと実感できるようになりました。

――その後、ととさんの様子や振る舞いに変化はありましたか?

野犬の子ということで最初の課題は多かったですが、本来はとても賢くて家族想いです。ご飯の時間になると家族がテーブルに着くのを見て、自分も取り皿の前に座ってご飯を出してもらおうとします。また、身に付けると外出されるもの、ストールやマスクや靴などは先手を打って破壊しようとしたり、帰宅時は真っ先に脱がせようとしたり、本当によく見ているなと感じます。

家族と過ごす時間が多くなるほど、人間の子どものような仕草を見せてくれるようになり、今では末っ子のような存在です。


お迎えした当初は課題や慣れないところは多かったとのことですが、安達さんやご家族の優しさや思いやり、そして信頼関係を築いていくことで、ととさん本来の性格を引き出す結果になったのでしょう。

なお、安達さんは現在Web漫画サイト「マンガボックス」にて、江戸最大の遊郭・吉原の売れっ子遊女"あお"が、遊女たちの魂を導き救う様子を描いた漫画『あおのたつき』を連載中。Kindleストアでは単行本も販売されています。ととさんをモデルにした狐のキャラクターも出てくるそう。

  • 漫画『あおのたつき』単行本1巻(提供:@Sato_adachi)

安達さんによると、ととさんは「人間がノーマスクで外出する世界をまだ知らない」と言います。賢く家族思いなととさん、アフターコロナにどのような振る舞いを見せてくれるのか、気になるところです。