iPhoneを何年現役で使えるか、というのは難しい質問です。それでも、強いて言えば「最長7年」が現時点における回答となりますが、約束された話ではありません。
そもそもスマートフォンやパソコンは、純然たる機械で更新が難しい「ハードウェア」の部分と、その上で動作する更新可能な「ソフトウェア」で構成され、両者は切っても切れない関係にあります。
ハードウェアに関していえば、SoCやメモリ、ディスプレイなど主要部品に異常がなく、内蔵バッテリーのパワー(約2年で最大容量が購入時点から数割減ります)がある場合には、7年どころか10年以上もっても不思議はありません。実際、2007年発売の初代iPhoneが2021年の現在も動作する、といった"ご長寿iPhone"の話はよく耳にします。
どちらかといえば、寿命が短いのはソフトウェアです。iPhoneのシステム(iOS)は1年に1回のペースでメジャーアップデート -- たとえばiOS 14からiOS 15への更新 -- を実施しますが、そのたびに新機能が盛り込まれ、より高性能なハードウェアの最新モデルでしか動作しないアプリが増えていきます。つまり、メジャーアップデートのたびにiPhone/iOSは多機能化していくけれど、旧モデルには対応しない機能も現れ、次第に現役感が失われます。
さらに、メジャーアップデートでは旧モデルが順次サポート対象から外されていきます。サポート対象から外れると、システムの不具合修正やセキュリティ対策が行われないことを意味しますから、動作はするものの第一線のスマートフォンとして使うには心許ない状態になります。
2017年公開のiOS 11は2013年発売のiPhone 5s以降、2019年に公開のiOS 13は2015年発売のiPhone 6s以降となりました。2021年秋公開予定のiOS 15も引き続き「iPhone 6s以降」ですから、iPhone 6sは1年現役が延長された格好となります。来年・2022年に公開されるであろう次期iOSがどうなるかは不明ですが、7年を超えて第一線で使い続けるのはかなり厳しいと考えたほうがよさそうです。