米Facebookは8月13日(現地時間)、メッセージングサービス「Facebook Messenger」(以下、Messenger)の音声およびビデオ通話のオプションとしてエンドツーエンドの暗号化(E2EE)機能のロールアウトを開始した。また「消えるメッセージモード」のタイマー機能をアップデートした。
新型コロナ禍を通じて音声・ビデオ通話の利用が増加している一方、ここ数年で人々のプライバシー保護意識が高まっており、チャットにE2EEを求める声が増えている。Facebookは2016年に、Messengerの1対1のテキストチャットでE2EEオプションの提供を開始。現在Messengerでは音声またはビデオによる通話が1日あたり1億5000万件を超えており、ハッキングや犯罪的な行為に対してより安全なコミュニケーション方法を選択できるようにE2EEを音声・ビデオに拡大した。「これ(E2EE)は業界標準のようになりつつあり、あなたと通話相手だけが会話にアクセスできるよう錠と鍵のように機能します」としている。メッセージはユーザーのデバイスを離れてから相手のデバイスに届くまで暗号化で保護され、配信するFacebookであっても内容を知ることはできない。
同社はMessengerとWhatsApp、Instagramで統一されたメッセージングシステムの実現を目指している。WhatsAppではすでにE2EEが導入されており、Instagramについては一部の国において成人を対象にダイレクトメッセージのE2EE機能のベータテストを開始する。また、MessengerでE2EEで保護されたグループチャットのテストも開始する予定。すでにチャットのスレッドがあるか、つながっている人達を対象に、プライベートなコミュニケーションを行いたい範囲にユーザーがアクセスをコントロールできる方法も同時にテストするとのこと。
「消えるメッセージモード」は、送信したメッセージを受信者が読むか、またはユーザーがチャットを終了すると自動的に消えるメッセージをやり取りできるモード。これまで1分〜24時間だった消えるまでのタイマー機能を5秒から24時間の間でより細かく設定できるようになった。