舞台「DISCOVER WORLD THEATRE vol.11『ウェンディ&ピーターパン』」の公開稽古が12日、東京・Bunkamuraオーチャードホールで行われ、女優の黒木華、アイドルグループ・Hey! Say! JUMPの中島裕翔、俳優の堤真一が取材に応じた。

中島裕翔

イギリス・スコットランドの作家、ジェームス・マシュー・バリーが20世紀初頭に書いた世界的傑作『ピーターパン』をロンドンで注目の若手作家であり演出家のエラ・ヒクソンが新たにウェンディの視点から翻案した同作。待望の日本初演となる今回、演出を手掛けるのはロンドンでの初演・再演でも演出を務めたジョナサン・マンビィ。黒木はウェンディ、中島はピーターパン、堤はフック船長とウェンディの父、ミスター・ダーリングの2役を演じている。

ピーターパン役に抜擢された中島は「びっくりしました。まさかあの『ピーターパン』をやるとは。Hey! Say! JUMPの中では子ども扱いされるほうなので合っているかもしれないと思ったけど、28歳にもなって無邪気に振る舞えるかなと心配でした」と驚きと不安を明かし、ウェンディ役の黒木は「演出家のジョナサンと仕事ができることを楽しみにしていた。こういう状況でも無事に幕を開けることができてうれしい。そして、稽古場が本当にクリエイティブで楽しいんです」と話した。

黒木と中島は今作が初共演。中島は「かわいらしくて勇敢でたくましくて、それでいておちゃめなユーモアで……黒木さんが持っているすべての要素がウェンディにぴったり」、黒木は「稽古を重ねるごとに仲良くなっていけたと思います。身体能力が高くて、ピーターパンの身軽さややんちゃさを兼ね備えている」と、それぞれの印象を語った。

劇中ではフライングや殺陣にも挑戦。中島はコンサートで経験のあるフライングについて「歴史ある劇場でのフライングで、違った景色を楽しんでいます。コンサートでは1曲の中で少し飛ぶことが多いですが、それよりも長く飛んでいる。久しぶりに飛ぶと気持ちいいですね」と話し、黒木のフライングについて「素敵です。男女のフライングで違う魅力がある」と評した。

黒木は「技術さんが本当に頑張ってくださっていて、すごい。私はただ吊られているだけなので」と謙遜しつつ「堤さんの殺陣がかっこいい。2人は殺陣のシーンもあって大変なんです」と中島と堤の殺陣にシーンに言及。

堤は「とにかく私は57歳ですので、立ち回りが覚えられなくて……昨日も戦っている最中に3箇所ほど頭が真っ白になりまして、本当に迷惑をかけています」と苦笑。中島は「そんなことないです! ピーターパンとは違う戦い方で本当にかっこいいんです」、黒木は「大人の魅力があります」とフォローした。

中島の印象を聞かれた堤は「あまり予備知識がない中でお会いして『こんなにかっこいい子がいるんだ』と驚いた。後からHey! Say! JUMPのメンバーだと改めて聞いて『あれ? でもセンターの子じゃないよなぁ。この子がセンターじゃないってどういうことよ!?』って!」と中島のかっこよさを熱弁。中島は「堤さんに言われるなんて光栄です」と照れ笑いを見せた。

本作は東京・Bunkamuraオーチャードホールにて8月13日~9月5日に上演される。

舞台写真撮影:細野晋司
取材会写真撮影:引地信彦