イオンリテールは8月12日、同社が運営するMVNOサービス「イオンモバイル」の音声プラン/シェア音声プランの料金を10月1日より値下げすることを発表した。あわせて、新音声オプションサービス「イオンでんわフルかけ放題」と法人専用の「IoTプラン」の提供開始、「AQUOS sense4 やさしいスマホ2」の発売についてもアナウンスした。
月額基本料金と音声SIMカード追加料を一律で220円値下げ
料金プランの改定は、「さいてきプラン」「さいてきプランMORIMORI」「やさしいプラン」において、月額基本料金と音声SIMカード追加料を一律で220円値下げするというもの。この改定がとくに大きく影響するのが、家族でシェア音声プランを契約してシェアしているケースだ。音声基本料が440円から220円に値下がりするのに加えて、音声SIM追加利用料の値下げが追加SIMの数だけ加算されるため、4人家族でシェアしている場合は現状から880円の値下げとなる(基本料金220円+音声SIM追加利用料220円×3)。
プラン | データ容量 | 改訂後の月額料金 |
---|---|---|
音声プラン | 0.5GB | 803円 |
1GB | 858円 | |
2GB | 968円 | |
3GB | 1,078円 | |
4GB | 1,188円 | |
5GB | 1,298円 | |
6GB | 1,408円 | |
7GB | 1,518円 | |
8GB | 1,628円 | |
9GB | 1,738円 | |
10GB | 1,848円 | |
12GB | 1,958円 | |
14GB | 2,068円 | |
20GB | 2,178円 | |
30GB | 4,158円 | |
40GB | 5,258円 | |
50GB | 6,358円 |
プラン | データ容量 | 改訂後の月額料金 |
---|---|---|
シェア音声プラン | 4GB | 1,518円 |
5GB | 1,628円 | |
6GB | 1,738円 | |
7GB | 1,848円 | |
8GB | 1,958円 | |
9GB | 2,068円 | |
10GB | 2,178円 | |
12GB | 2,288円 | |
14GB | 2,398円 | |
20GB | 2,508円 | |
30GB | 4,488円 | |
40GB | 5,588円 | |
50GB | 6,688円 |
プラン | データ容量 | 改訂後の月額料金 |
---|---|---|
やさしいプランmini. | データ通信 0.2GB付き | 748円 |
やさしい音声プラン S. | 3GB | 858円 |
やさしい音声プラン M. | 6GB | 1,188円 |
やさしい音声プラン L. | 8GB | 1,408円 |
やさしいシェア音声プラン M. | 6GB | 1,518円 |
やさしいシェア音声プラン L. | 8GB | 1,738円 |
また、これまで「イオンでんわ」アプリを利用しない国内通話は22円/30秒の通話料となっていたところ、オートプレフィックスを適用することで、すべての国内通話が従来の「イオンでんわ」利用時と同じ11円/30秒となる。
料金の改定に合わせ、ユーザーが自身の利用状況にあったプランへ変更することを促すよう、マイページのトップ画面の料金プラン変更手続きのボタンをより目立つように修正するという。イオンモバイルの音声プラン/シェア音声プランは10GBまでは1GB刻みで容量を選択できるなどきめ細かさがセールスポイントのひとつとなっており、このメリットを積極的に活用してほしいという狙いだ。
長時間通話ができる「イオンでんわフルかけ放題」と法人専用の「IoTプラン」
アナウンスされた新サービスはふたつ。従来のかけ放題プランよりも長時間の連続通話ができる「イオンでんわフルかけ放題」と法人専用の「IoTプラン」だ。
「イオンでんわフルかけ放題」は、完全定額制のかけ放題プラン。費用は月額1,500円で、2021年11月中旬の提供開始を予定している。従来の「イオンでんわ5分かけ放題」「イオンでんわ10分かけ放題」よりも長時間の連続通話を利用できるのがメリットとなる。ただし制約として、au回線の契約者は通話時に「イオンでんわ」アプリの利用が必須で、標準の通話アプリをしようした場合はかけ放題が適用されない。また、連続通話は無制限ではなく、120分でいちど通話が切断されるという。
法人専用の「IoTプラン」は、HACCP/太陽光発電の導入、農作業現場での通信といったニーズに対応するもので、高速データ通信を100MB/月まで利用できるIoT 100プラン(月額385円)、同じく500MB/月まで利用できるIoT 500プラン(月額440円)、高速データ通信を行わず通信速度200Kbpsまでしか利用しないIoT Zeroプラン(月額462円)の3プランが設定される。IoTプランはデータ通信専用でNTTドコモ回線のみの提供となり、IoT 100プランとIoT 500プランで所定の容量を超過した場合は以降の通信速度が20Kbpsに制限される。
AQUOS sense4 やさしいスマホ2
「AQUOS sense4 やさしいスマホ2」は2021年9月1日発売で、価格は38,280円。初めてスマホを持つユーザーにとって必要な情報を記載したガイドブックが添付され、「イオンでんわ」アプリを使用せずに通話をしても高額な通話料が適用されないよう、プレフィックス番号を適用する設定を行っている。その他の主な仕様は下記のとおり。
- OS:Android 10
- CPU:Qualcomm Snapdragon 720G
- ディスプレイ:約5.8インチ IGZOディスプレイ
- RAM/ROM:4GB/64GB
- アウトカメラ:約1,200万画素+約1,200万画素+約800万画素
- インカメラ:約800万画素
- バッテリ容量:4,570mAh
- サイズ/重さ:W71×D8.9×H148mm、177g
2021年4月からの営業状況は前年比で減収増益
同日に開催されたオンライン説明会では、イオンリテール株式会社 住居余暇本部 イオンモバイルユニット イオンモバイル商品マネージャーの井原龍二氏が登壇し、2021年4月に新料金プランを導入して以降の状況を紹介した。
営業状況は、前年の2020年度と比較して、契約回線の獲得数は17.5%アップしたが、収入については13.0%のダウン。ただし収益(粗利)については51.7%のアップ。これは新料金プランの導入によって契約者の構成が変化したことと、MNOとの間の取引条件変更により原価が下がったことによるものだという。
また、5月に行った回線乗り換えユーザーの乗り換え元についての調査では、MNOからの乗り換えユーザーは2020年度調査の79.9%から4.4%減の75.5%だったという。はじめての契約というユーザーも7.4%から3.6%に減少しており、MVNOからの乗り換えが12.7%から20.9%へ大きく増加。価格に敏感なユーザー層がより低価格なプランを求めてMVNO間を移動している様子がうかがえた。
もうひとつのトピックとして挙げられたのが、有償設定サポートの利用状況。2021年4~7月の有償サポートサービスの利用は前年の同期間の183%という大幅な利用者増で、8月はそれをさらに上回るペースだという。これは大手キャリアが新料金プランの導入とともにショップ店頭での有償サポートを展開していることもあり、有償サポートへの理解が進んでいるためではないかということだった。