パーソル総合研究所は8月11日、「副業の実態・意識に関する定量調査(企業編)」の結果を発表した。調査は3月4日~8日、従業員数10人以上の企業で人事管理を把握している経営層・主任・リーダーを務める70歳未満の男女1,500名を対象にインターネットで行われた。

  • 自社の正社員が行う副業の容認

    自社の正社員が行う副業の容認

自社の正社員が副業を行うことを容認している企業の割合(全面容認と条件付き容認の合計)は55%と、2018年の1回目調査から3.8ポイント上昇。

容認する理由を聞くと、「従業員の収入補填」(34.3%)や「禁止するべきものではない」(26.9%)が多く、正社員の副業が一定程度一般的なものとして認識されつつある様子がうかがえる結果に。禁止する理由のトップは、「自社の業務に専念してもらいたいから」(49.7%)だった。

  • 副業者を受け入れる企業の割合

    副業者を受け入れる企業の割合

副業者(他社で雇用されている人材)の受け入れ状況を聞いたところ、現在受け入れている企業は23.9%、現在受け入れていないが受け入れる意向がある企業も23.9%と、半数近くの企業が副業者の受け入れに前向きな姿勢を示していることが明らかに。企業規模別にみると、中小企業(従業員100人未満)と大手企業(同1万人以上)で副業者を受け入れるようとする傾向が見られた。

副業者を受け入れる理由については、「多様な人材確保が可能だから」(26.4%)が最多。ただし、大手企業では、「新規事業の立ち上げ/推進」や「新たな知識・経営資源の獲得」「オープンイノベーションの促進」など、新規事業・イノベーション関連の理由が目立った。

  • 副業者の職種(受け入れている/受け入れを検討している)

    副業者の職種(受け入れている/受け入れを検討している)

すでに受け入れている、または受け入れを検討している副業者の職種を教えてもらったところ、「営業」(19.6%)、「ITエンジニア」(15.6%)、「情報システム関連」(13.7%)と、IT関連職種が上位に。

副業者受け入れの課題・問題について聞くと、「労務管理が煩雑」(12%)が最も多く、次いで「ノウハウ等の流出」(8.7%)、「情報漏洩」(7.8%)と続いた。