両者の過去の対戦成績は藤井二冠の4勝1敗
豊島将之竜王への挑戦権を懸けた、第34期竜王戦(主催:読売新聞社)挑戦者決定三番勝負が8月12日に東京・将棋会館で開幕します。対決するのは藤井聡太二冠と永瀬拓矢王座です。
藤井二冠はランキング戦2組で優勝すると、決勝トーナメントで山崎隆之八段、八代弥七段を破りました。ランキング戦で史上初の5期連続優勝を達成している藤井二冠は、5度目の決勝トーナメント進出となった今期が竜王戦での自己最高成績です。
永瀬王座もランキング戦1組で優勝。スーパーシードで臨んだ決勝トーナメントでは、快進撃を続けていた梶浦宏孝七段を撃破。第28期以来2度目となる挑決三番勝負進出となりました。前回は渡辺明棋王(当時)に1勝2敗で敗れて挑戦は果たせませんでしたが、今期はどうなるでしょうか。
両者の対戦成績は、藤井二冠の4勝1敗。いずれも本戦トーナメントや挑決リーグなどの大舞台での対戦でした。
初対決は2020年6月の第91期ヒューリック杯棋聖戦挑戦者決定戦。そして2度目の対決は同じく6月の第61期王位戦挑戦者決定戦。どちらも藤井二冠が制し、その後タイトルを奪取しています。
3度目は20年9月の第28期銀河戦決勝トーナメント2回戦で、ここでも藤井二冠が勝利。勢いそのままに優勝を果たしています。
4度目の対戦となった、20年10月の第70期王将戦挑戦者決定リーグ戦で永瀬王座はついに初勝利を挙げます。これまでの3戦はすべて相居飛車の将棋でしたが、ここでなんと永瀬王座は四間飛車を採用。駒得を生かした手厚い指し回しで藤井二冠を寄せ付けませんでした。
直近の対戦は21年5月の第6期叡王戦本戦トーナメント2回戦。ここで勝利を収めた藤井二冠はそのまま勝ち上がり、現在は豊島叡王との五番勝負で2勝1敗。タイトル奪取に王手をかけています。
過去5度の対戦のうち、王位戦の対局以外は永瀬王座が序・中盤でリードを奪っています。そのまま押し切ったのが王将戦。二転三転の末藤井二冠が勝利したのが銀河戦。棋聖戦と叡王戦は藤井二冠が劣勢になってもしっかりと追走し、終盤で逆転したという内容でした。
研究会を行っている間柄で知られる両者。永瀬王座は藤井二冠が苦手とする作戦を熟知しているのかと思わせられるほどに、用意周到な序盤戦術でリードを奪ってきています。しかし、終盤の競り合いで卓越した力を発揮するのが藤井二冠です。藤井二冠を相手にして、優位を勝ちに結び付けるのがいかに大変かを一番知っているのも永瀬王座かもしれません。
どのような結果になるにせよ、激戦必至の挑決三番勝負。豊島竜王への挑戦権はどちらが手にするでしょうか。対局予定は以下の通りです。
第1局:8月12日
第2局:8月30日
第3局:9月9日