エン・ジャパンは8月6日、「ジョブ型雇用」に関するアンケート調査の結果を発表した。調査は5月27日~7月27日、同社運営の求人サイト「エン転職」を利用するユーザー1万2,400名を対象にインターネットで行われた。

  • 「ジョブ型雇用」という言葉を知っていますか?

    「ジョブ型雇用」という言葉を知っていますか?

はじめに、「ジョブ型雇用」の認知度を調べたところ、「言葉も意味も知っている」という人は14%にとどまり、「聞いたことはあるが意味はよくわからない」が31%、「知らない」が55%という結果に。

そこで、「ジョブ型雇用」について、「欧米で主流の『仕事に対して人が割り当てられる』という雇用の形です。仕事内容・勤務条件などがあらかじめジョブ・ディスクリプション(職務記述書)により定められており、入社後のミスマッチや不本意な配置転換を避けられます。一方、専門性を期待されるため、未経験者が採用されにくくなる傾向もあります」と説明した上で、改めて「『ジョブ型雇用』について、どう思いますか?」と尋ねたところ、76%が「ジョブ型雇用は良いと思う」と回答した。

  • ジョブ型雇用は「良いと思う」と回答した理由(左)/「良くないと思う」と回答した理由(右)

    ジョブ型雇用は「良いと思う」と回答した理由(左)/「良くないと思う」と回答した理由(右)

「ジョブ型雇用は良い」と感じる理由を聞くと、「ミスマッチが減りそうだから(入社時に職務・役割が定められる)」(74%)、「安心感があるから」(49%)、「不本意な異動・配置転換が避けられるから」(44%)が上位に。

一方、「ジョブ型雇用は良くないと思う」と回答した人からは、「未経験から採用されづらい傾向があるから」(82%)や、「幅広い業務・職種を経験する機会が減ると感じるから」(54%)という理由が多くあがった。

  • 自社で「ジョブ型雇用」は取り入れられていますか?

    自社で「ジョブ型雇用」は取り入れられていますか?

次に、勤務先にジョブ型雇用が取り入れられているか伺ったところ、「取り入れられている」と回答した人は5%。また、「ジョブ型雇用での転職経験がある」という人はわずか3%という結果に。ジョブ型雇用で転職した理由を聞くと、「職歴・経験・スキル・専門性が尊重されたから」(54%)、「入社後のイメージがついたから(入社時に職務・役割が定められる)」(42%)、「安心感があったから(入社時に仕事内容・勤務条件が定められる)」(38%)が上位にあがった。

最後に、「『ジョブ型雇用(人事制度)』がある企業に転職したいと思いますか?」と質問したところ、35%が「転職したい」と回答。一方、53%が「わからない」と回答しており、求職者にとってジョブ型雇用が馴染みのあるものとは言えないことが伺えた。